昨日V溝を加工したローターを見ていると、前日製作した治具でバランスが取れると思いつき、早速本業の宿題を片付けた後に作業してみる。
まずは、バランス修正前に摩耗したディスク面を最小限修正して面出し、精度出しを実施。 これは専用の固定治具と旋盤で行う。

次に、バランス治具に固定して、現状の釣り合い良さを確認
ディスク①の修正前不釣り合い量 6.810グラム

元々ディスクにバランス修正で付いていた、ウエイト(ばね形状針金?)は、実測で5.28グラムで、不釣り合いの指示の有った部分に付けてみる。
程良く不釣り合い量が減ったので、微調整として一部機械加工で削除して不釣り合い調整した結果 0.103グラムで良好

次にディスク②を実施するが、こちらのディスクは熱ひずみが酷く、両面合計で0.3mmくらいは削ったもので、不釣り合い量は、驚愕の10.060グラム!!

→おそらく歪で表面同志は平行が出ているものの、内部の厚みが異なるものと考察。 バランスを修正すれば問題なしかと...
修正の結果 ウエイト追加で 0.330グラムで妥協しました。

修正の結果で感じられたのは、測定完了後回転体が空走で回り続けるのですが、
明らかにアンバランスが少なくなった状態では空走時間が長く感じられます。
回転エネルギーに微振動などのロスが無いものと考えられます。

あと、試験回転数は試験体の直径も大きいので実際にはこんなに速くなくてもいいのですが、約900min-1 は、車速100キロ前後に相当するので、試験機の能力があるためこちらで様子見。
あと、初期アンバランスと品物を見ると、GTOローターなんでもともと5穴仕様、それを4穴仕様に追加工しているため、穴数の関係穴同士が隣接している部分があり、その部分の角度が軽くなっていることが影響していますね。
φ12穴で約5mm厚を穴明けた場合約5グラムなんで、4穴化で3か所穴を明けますから、2か所は対角で理論的に加工重量は相殺されますが、残りの一か所は相手は元々の加工穴なんで、相殺されず単純計算5グラムぐらいはアンバランスになるんだと考えられます。
これも測ってみて初めて気づくし、測ってみると修正しないと気持ちのいいものではありませんし... 実際のメーカー許容値はいくらなんでしょうね??? 今回は勝手に閾値を0.5グラム以下に設定しました。
ただ、回るものなんでつり合いは、とことん良いことにかぎります。
本来先に目標を決めるため計算が先なんですが、施工後に改めて計算してみる...
この用途だと 本来は釣り合い等級 JIS G40かG16となり、
等級 G40の場合 16グラムくらい
等級 G16の場合 6.5グラムくらい
→本来何もしなくても、このままで製品スペック上は基本OKの問題なしレベル
次にG6.3を飛び越えて G2.5の場合 約1グラム
等級G1だと 0.4グラム
以上となるので、今回は用途からすると結果やりすぎになりますね。(汗)
普段の本業ではつり合い指定がG2.5以下なんで、ついついです...
今度はタイヤホイールのテストですね。
Posted at 2021/06/12 21:22:32 | |
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