ジャンク扱いの某B社の黄色いショックアブソーバをコレクションしては分解しているのですが、分解した大半の物がショック内のデバイディングピストン(仕切り)の部分で不具合を起こし、加圧ガスとオイルがミックスされた状態となっておりました。 分解したデバイディングピストンのオーリングを確認してみたところ、分解したすべての物において永久変形しており、摺動する部分外周とピストンに装着された状態で、セルフシーリング効果(自封効果)で変形するために多少遊動摺動する内周部位で、数多くの劣化による兆候が見られました。
下の写真は、すべて右側がガス室側、左側がオイル室となっております。
変形の様子から、ガスで加圧しているので、オーリングは溝の左側の壁に常に押し付けれた状態になっており、自封効果が働き、漏れないようになっており、これは走行中に常にショックの働きに対してガスの方が圧力的に勝っているためなのか、停車状態が長いためかだと考察されます。そもそも通常の工業製品のように圧力保持のピストンではないためで、(オイルの流れで減衰力という抵抗を得るためだけのもの)ピストン自体は密閉していないから、ガス圧が常に勝っているのか...だろう...な
現物より考察するに...
① オイルの劣化によるゴム材質への影響で硬化し永久変形し弾力を失ったため、
セルフシーリング効果(自封効果)が減少し、漏れに至った
② ショック内の構成部品の摺動による摩耗発生での小さいゴミがオイル内で浮遊した結果オーリングの表面に微細傷を生じさせて、漏えいに至った。
③オーリングの内周側、デバイディングピストンの溝の底面の表面の仕上げが甘い関係で、摺動微細遊動でオーリング表面に傷がつき漏えいに至った。
以上より、このタイプの単筒ショックアブソーバ(ド・カルボン式)構造上では、この仕切り部分が性能を左右するため、特別に配慮 ・部品精度や仕上げ ・部材選定 ・メンテナンスサイクル が大切ということが分かった。
高性能ゆえに割と美味しい部分は割と短命なものと分かりました。
自分でメンテできる環境が整えば、妥協せず追求できると思います
Posted at 2021/03/08 13:05:39 | |
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