ドアミラー不具合の改修とレストア　①

車輛の譲渡当時から、ドアミラーの格納がうまく行われずに、内部のモーターが動きっぱなしでしたので、電動格納を使わないように、2年間過ごしました。　かなり前ですが みんカラの道路攻團@だんちゃんさんより症状を相談を受けたことで、色あせたミラーの外装塗装を含めレストアと内部の調査改修を実施。　　E3系のドアミラーもオークションではかなり希少かつ高値ですね．．．　早速に外装を取り外した電動格納ミラーの内部です。　当作業を参考にされる方は、廃盤となった鏡の取り外しは慎重に行ってください。
ちなみにUSAでも見つからずでした。

作業工程1の写真の右上のカバーをビス2本を外すとウォームギヤとモーターが見えます。

作業工程2のモーターベースを兼ねたカバーを外すと、ギヤトレイン部分が出てきます。

更にギヤを外してその下に分解を進めると、電極のプレートがあり、これで電装格納の状態を判断して、正転逆転を切り替えているものと思われます。
電極も銅が酸化していたので、磨いておきます。

作業工程3でもわかります通り、ギヤトレイン部分はすべて金属ギヤで、耐久性はありますが、作業工程2の写真にあるモーターについているウォームギヤと相手のギヤは樹脂製であるため、ここが劣化してヒビが入っておりました。　ヒビで軸との勘合が甘くなったため、動力が伝えきれずスリップしていたものと、原因確定。

噛み合い部拡大、動作不良の原因はこの樹脂製のギヤがダメになってるのが原因です。写真の右側のギヤに赤く印をしている部分に薄っすら縦スジが入っているのが分かると思います。　ギヤの諸元はモジュール0.5で 右側ギヤは歯数２０Tです。　市販のギヤで小加工で置き換え出来ないかと模索するも、すべて軸勘合部分の穴が大きく、転用できないことが分かりました。

ならば、作ってしまえ！でまずはウォームを試作してみました。　おもちゃ並みの精度でも動けばいいので、まずは旋盤でネジ切りの要領で試作　ちなみにウォームの諸元もモジュール0.5でピッチは1.57mmのようです。　http://www.knowhave.com/gear/indexjp.php　でモデリングした結果からリバースエンジニアリング実施
試作品はちょっと長いのですが、噛み合い部分は中央の部分だけなので、ケース内に収まれば機能的に問題なし

モーターの軸に取付、モーターに電圧（６Vくらい）を掛けてみて格納動作が行われることを確認。
相手の２０TギヤがまだNGなので、次回相手ギヤを試作する予定。
すべてが金属ギヤだと、何かの力が掛かったときに、他が破損する可能性があるため、この部分は製作を容易にする意味でも樹脂で製作する予定。