
The Third Wave Coffee Movemet. シンガポールのコーヒー・ショップのメニューにまで書かれているアメリカ発の流行りのようです。代表格は最近日本にも開店したブルー・ボトル・コーヒーでしょう。
スターバックスなどのシアトル系コーヒーチェーンをThe Second Waveと定義してそれとは違う価値観を展開するのだそうです。具体的にはマスコミに展開している写真にも大々的に使われている「一杯一杯人の手で淹れるドリップ・コーヒー」に代表される「本物」が売りのようです。ブルー・ボトルの創業者は日本のコーヒー専門店の大ファンで、その良さをアメリカに広めようとしたのが始まりとか。ブルー・ボトルの社長が挙げていた日本のコーヒー専門店としては例えば、青山の大坊、銀座のらんぶる、日本堤のバッハなど。全部私が長年通ってる店じゃん。
マスコミと結託したマーケティングだとはわかっていても、コーヒー好きの一人として、美味しいコーヒーが飲めて居心地の好い店が増えるのは良いことです。
2月に開店したブルー・ボトルの1号店を4月に帰国した時に、近くを通り掛かり覗いてみました。
場所は深川の裏通り、住宅や中小企業が立ち並ぶ閑静な地域です。店があるはずの狭い通りを場所を探すつもりでクルマで近づいていくと、探すまでもなくかなり遠くからそこだとわかりました。何しろ閑静な地域に似つかわしくない黒山の人だかり。そして照明や撮影機材を抱えたマスコミの取材陣が複数組店を取り囲んでいました。
あのような場所にあのような状況を作り出すとは、呆れた経営者。そしてあのような喧騒の中でコーヒーを飲もうと並んでる客たちも、私には理解出来ずにその日は素通りし、もう行かないだろうな、と思っていました。
しかし今週の月曜日、所用で深川に行き夕方暇になったので、もうそろそろ空いてるかな、と思い覗きに行ってみました。
すると、案の定空いてます。並んでいる人はなく、席も半分くらいの埋まり具合。これでコーヒーが美味しいなら悪くないと思い店に入りました。
しかし、やっぱりちょっと残念なお店でした。
コーヒーの味は「並」。売りのはずのドリップコーヒーより、機械で淹れたアメリカーノの方が美味しいと思いました。まあ、味は個々人の好みですが。
店の設えは明るく広々していて悪くないのですが、オペレーションがまるでなっていません。カウンターで前払いで注文した後、席で待ち、コーヒーが出来ると名前を呼ばれて再びカウンターに取りに行くシステム。しかし店に流れる音楽で呼ばれる名前が聞こえない。二つ注文したのに、その二つが提供されるのにタイムラグがあり、名前を呼ばれるのを待ちながらイライラしてしまう。オーダーからドリッパーへの情報の流れが統制されていないようで、店員が右往左往しているのが見ていてわかってしまう。店に流れる音楽の音質はとても褒められたものではなく、店内の音や話し声との音響マネージメントが悪く耳障り。
睨みを効かせる親玉がいないことが致命的な感じです。
これなららんぶるやバッハに行きますね〜。
まあ予想どおりと言えば予想どおりなので、がっかりすることもなく、まあ一度は行ってもよかったよね、という感じでした。
気分直しに歩いて行った門前仲町の「魚三」では、統制のとれた店員さんがテキパキと注文をとり、配膳し、お勘定までこなし、その傍で満席の客はリラックスして酒と肴と会話と店の空気を楽しんでいました。
Posted at 2015/06/10 19:11:43 | |
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