
ジープの機能美展を見た後、思いつきで秩父に向かいました。
入間が基点となっている国道299号線の行き先が秩父だというただそれだけの理由です。
299号線から秩父に向かう途中のもっとも険しい区間である正丸峠は、今はトンネルが開通しているので峠越えをせずに秩父に行けるようになっています。丁度箱根の長尾峠を避ける恰好で乙女トンネルが通っているような感じです。
が、その一番険しい区間こそ、一番楽しい区間です。
正丸峠の旧道は、箱根の長尾峠に似た狭く曲率のきついワインディングで、舗装路面もかなり荒れています。完全に気分はセバスチャン・ローブです(^^;;;
そしてその区間でのC5には感動しました。
ハイドラクティヴ・サスペンションは通常のオートモード。トランスミッションのみスポーツモードを選択。ヘッドライト“オン”。もちろん音楽とエアコンはオフ。窓は全開。そしてブラインドコーナーではクラクション鳴らしまくりで正直言ってかなりお行儀の悪い運転をしました。
C5は、その巨体を持て余すことなく、私ごときがどんなに頑張ってもタイヤを泣かす事すらできないまま、もっと飛ばせもっと飛ばせ、と言わんがばかりの余裕の足捌きで一気に頂上まで駆け上がりました。よくアルファロメオのエンジンが“もっと回せもっと回せ”とせがむ様なフィーリングと聞きますが、このC5はもっと飛ばせもっと飛ばせまだまだ余裕だぞ、と言わんがばかりの足捌きです。
ここでも何しろ“乗り心地が良い!”。
うねりや凸凹のある荒れたタイトコーナーが連続するのですが、路面の荒れにクルマの挙動が乱されることが全く無い。総て足が吸収してしまい、ボディーはじんわりロールしたまま乗員の身体をゆするような振動は伝えません。でも路面が荒れている様子はステアリングの手応えからしっかり伝わってくる。そして全開にした窓からも路面の凸凹をタイヤが踏みつけているパタパタパタパタというノイズがひっきりなしに聞こえてくることが、路面の荒れを感じさせます。でもボディーは揺れない。
左右の切り替えしも軽々としていて、おつりなどは皆無。そしてステアリングの反応が極めて正確。コーナー途中で曲率が変わるところではこちらのステアリング操作にまさに期待通りにぴたっとノーズが反応してくれる。だから修正陀が必要ない。
ドライバーのステアリングへの入力がタイヤの角度に変換され正確に路面を捉えたタイヤの反応がボディーの動きとなってドライバーに返ってくる。これが実に“ぴたっと繋がっている”感覚を憶えます。
ドライバーは安楽な乗り心地の中、ステアリング操作、スロットル操作、ブレーキングに安心して集中できます。そしてステアリングが正確だと安心してスロットルを開けられるので、尻上がりにペースが上がって行きました。
小生くらいの腕だと、BMW320よりC5のほうが速く走れるような気がします。
絶対的なスピードはより大パワーのクルマには当然適わないと思いますが、この洗練されかつ気持ちの良い反応は、今まで経験した数多くのクルマの中でもダントツに“スポーティ”だと感じました。
駆け抜ける喜び。
BMWの有名なテーゼですが、まさにその言葉をC5に実感した正丸峠でした。
Posted at 2013/06/07 13:39:40 | |
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