
納車以来のウェザーストリップの不良のため入庫したC5の代車として二日間プジョー407SWを借りました。C5、C6と同じプラットフォームを持つプジョーとして俄かに興味が沸いていた矢先の代車で、なんとラッキー。
二日間で東京~横須賀2往復を堪能しました。
407は正直言ってC5とは全く違うクルマでした。プラットフォームが共通とは、言われなければ小生には全くわからなかったと思います。
抽象的な表現で言えば、C5が“むっちり”“ねっとり”“しっとり”したクルマであるのに対し、407は“ザラっと”“ビシッと”した骨太でソリッドなクルマに感じられました。それでもドイツ車に比べるとどこか柔らかく緩い雰囲気があります。
その違いは座っただけで走らなくても感じられます。407の運転席は、ショルダーラインやスカットルが低く、尚且つインパネがフロント・ウィンドシールド下端からさらに一段下がったところに上面を作っているので、ガラスの上下の丈が長く、前方・側方に明るく視界が開けています。この開放感は、囲まれ感の強いC5とは正反対の雰囲気です。
シートもC5のゆったりしたサイズで背中全体を覆うようなフィーリングとは違い、より小ぶりでタイトな感じです。タイトではありますが、決して硬いわけではなく、適度な柔らかさで腰を支えてくれる感じの座り心地です。そしてヒップポイントもC5やC6より低く感じられます。
C5から乗り換えて走り始めて感じることは、C5と比べると細かい路面の不整を拾い振動が多いこと。でもそれは大きな揺れにはならず、速度を上げるにつれボディのフラット感が強く感じられます。ひょっとしたらC5よりフラットです。細かい不整を正直に拾い、でもフラット。
広いグラスエリア、低いヒップポイント、明るいキャビン(407SWは広大なガラスルーフなので尚更)、細かい不整は比較的正直に拾うけれどボディはフラット。これらの特性、何かに似ているな、と思ってみると、シトロエンCXです。
CXとの最大の違いはハンドリング。407SWは驚くほどロールしません。そしてステアリングを切った時のノーズやボディの反応はとても鋭い。まるでゴーカート的です。でもゴーカートのような粗い乗り心地ではなく、あくまでフラットで快適。
エンジンとトランスミッションは、C5と同じ3リッターV6+6速ATなのですが、なぜかC5より眠い感じです。眠いとは言っても、3000~4000の中速域のトルクフルな加速は必要充分です。
このクルマ、特にSWはスタイルが好きではなかったのですが、乗ってみれば406の後継車に恥じないフラットライド+鋭いハンドリング。先日C5に関して書いた“タイヤが正しく接地している感じ”がひしひしと感じられます。気持ちいい!ハンドリングの鋭さは最新のアテンザと競るレベル。でも乗り心地(ハーシュネス)はアテンザよりずっとしなやかです。そしてアコードよりフラット。この乗り味は、同クラスのFF車を比べてみると、昨年乗ったカムリや正月に乗った最新のアウディA4FF2リッターターボ+CVTより個人的には断然好みです。過去数年に乗ったDセグメントFF車で、ハイドロのC5を除くと一番好みな乗り味だと思います。
但し個人的にはこのSWのスタイルは好みではないので、自分が買うならセダンです。スタイリングだけでなく、セダンのほうが軽いし、ガラスルーフが無いので重心も低くハンドリングはさらに好ましいはずです。
カーセンサーで調べてみると、50~60万円で買えるんですね!同時期のC5V6より安い!
シトロエンC5のような超個性的な乗り味ではなく、とても正統派のクルマとして、407のセダンを50~60万円で中古で買って乗る、というのは、物凄くリーズナブルでクレバーな選択ではないかと思いました。
昨年の車両購入検討時にこのクルマは俎上に上がらず、上がっていたら新車のC5か中古の407か、結構悩ましかったかもしれません。
と言うことで、今は無き407、なかなか好印象なクルマでした。
(写真は借り物です。小生が乗ったのは同じスペックの右ハンドルです)
Posted at 2013/03/05 02:10:25 | |
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