
シンガポールGP、三日間堪能しました。私は過去に鈴鹿とニュルブルクリンクでF1を観たことがあるのですが、それらサーキットで行われるレースとは全く次元が違う、街を挙げてのお祭り、完璧なエンターテイメントに圧倒されました。
ご存知のようにシンガポールGPは市街地コースでしかもナイター。その市街地コースは海に面して高級ホテルや高層オフィスビルが林立するエリアをスタートしてショッピングモールが立ち並ぶ商業地区を抜け有名なラッフルズホテルを掠めて官庁街を突っ走り国会議事堂の真裏を走り抜けてベイエリアを走りスタート地点に戻ります。
東京でたとえると、汐留のコンラッドホテルの前あたりをスタートして新橋を通り抜け、霞ヶ関をグルッと周って国会議事堂の前を掠めて日比谷公園から銀座に突っ込んで汐留に戻る、というイメージでしょうか?
F1ウィークの三日間その地区はサーキットパークの名の下に閉鎖され、立ち入るにはF1のチケットが必要になります。
その地区内の商業施設や飲食店は通常通り営業され、更に特設の野外バーや売店が多数設置されます。更には、敷地内にちらばって5~6箇所のライヴステージが設置され、約20組のミュージシャンが三日間入れ替わり立ち代りライヴやイヴェントを行う。今年出演した有名どころではジェニファー・ロペス、ペット・ショップ・ボーイズ、ロビー・ウィリアムス、ジギー・マーリーと言ったところ。
それと平行して、F1のプラクティスや予選、加えてポルシェカップのレースや予選、クラシックF1のプラクティスと予選とレースが行われます。
三日間通し券を買えば、一切の追加料金無しでこれらのイヴェントをすべて観ることが出来ます。でもすべてのイヴェント見るなんてとても無理!それくらいエンターテイメントテンコ盛りです。
チケット代は私が買ったベイグランドスタンド三日巻通し券で298シンガポールドル。1シンガポールドル約85円ですから25000円くらいです。高いほうではメインスタンドの特等席が1200ドルくらい。一番安いのは最終日のみの座席無し券で180ドルくらい。一番安い立ち席券でも、上手くいけば意外と間近にレースは見られますし、ライヴも結構な数を見ることが出来ます。
鈴鹿やニュルブルクリングとは、F1の概念が全く違いました。すべてを含めた総合エンターテイメント・イヴェントとして見事にプロデュースされている。
小生は最終日、遅めに会場に向かい、まずジギー・マーリー(レゲエの神様ボブ・マーリーの息子)のライヴを楽しみました。
ボブ・マーリーの名曲ワン・ラヴのイントロが始まった途端、オーディエンスの大合唱が始まった時、鈴鹿でワン・ラヴが始まったとしてこんな大合唱になるかな?とふと思いました。世界の共通言語としての音楽があり、それを合唱する客層とF1の客層が重なっている。これはちょっと敵わないなと感じました。
そして本物のレゲエのライヴで高揚した直後に、夜の海と摩天楼の夜景を背景にしたF1のメインレースを目の当たりに楽しみ、
レースの後にはすぐにジェニファー・ロペスのライヴ。
この三連発だけで、充分お腹いっぱいです。
イヴェント期間中もエリア内の飲食店はたくさん営業していますから、クローズドサーキットイヴェントのように高くてまずい物を食べさせられることも無く、ビールもワインも好きなだけ飲めます。更には会場の出入りも街の10ヶ所にゲイトが設けられているので、鈴鹿のようにいつまで経っても会場に入れない、あるいは出られないなどという馬鹿な事態は皆無。
そして圧倒的に“安い”!
東京に住んで鈴鹿のF1を三日間楽しもうと思ったら、会場周辺の大渋滞含む移動時間の長さと宿泊費でかなりの出費になります。
現在の私の場合は、自宅から徒歩20分でF1コースのゲイトに行けるのですから、文字通りチケット代と飲食費以外何もかからない恵まれた環境ですが、でももし東京に住んでいたとしても、金曜日の夜行便でシンガポールに飛んできて、予選から本番までのF1に加え、数々のライヴを堪能して日曜日の夜行便で東京に飛んで帰っても、鈴鹿に行くのと費用総額は大して変わらず、内容の充実度はずっと高いのではないでしょうか?
アロンソの走りを目の当たりに楽しんだだけでなく、街を挙げての見事なお祭りとしてのイヴェントの凄さに圧倒され、F1というものの概念すら変えられてしまったF1ウィークでした。
日本GPも東京や大阪でやればいいのに、と思わずにはいられない、強烈な体験でした。
Posted at 2014/09/23 16:46:22 | |
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