C5の価格に関して書いた前ブログに、ろみたんさんから頂いたコメントに対し返信を書いていたら長くなってしまったので、別項を起こして書いてみます。
> 初代C5 V6の2001年デビュー当時の価格は412万円。
> 2.0は315万円ほどでした。(ちょっと前後するかもしれませんが)
> 装備的なもの、材料価格、その他もろもろのコストを考えたら単純比較は
> 出来ないでしょうけど、価格帯が1ランク上がったのは確かです。
この部分、私は少々違った見方をしております。
フランス消費者物価推移 : http://ecodb.net/country/FR/imf_cpi.html
円ユーロ為替推移 : http://ecodb.net/exchange/eur_jpy.html
2005年を基準年とした場合のフランスの消費者物価指数は2001年=92.07、2014年=115.68です。2001年を100に換算すると2014年は125.6です。
一方ユーロと円の為替は2001年=108.77、2014年=136.025です。約25%の円安ユーロ高です。
2001年の初代C5の値段315万円は5%の消費税込みだったと思われるので税抜き価格は300万円。これにフランスの消費者物価上昇率と円ユーロの円安分を掛け合わせると、300x1.25x1.25=465.75万円。更に消費税8%を掛けると、506.25万円になります。
つまり、2001年に税込み315万円だったフランス製品は、2014年には税込み506.25万円になっても妥当なわけです。
ちなみに日本の消費者物価指数は、2001年=101.87、2014年=102.70で途中上下していますが、ほとんど変わりません。日本消費者物価推移 : http://ecodb.net/country/JP/imf_cpi.html
日本の消費者物価指数が欧米並みにインフレを積み重ねていれば、輸入品の値上げによる割高感を感じることはないはずなのですが、日本は1997年以後17年間デフレが続き物価が上がらなかったため、言わば日本のひとり負け状態になっているわけです。そこに為替下落分も追い討ちをかけ、価格帯が一段あがったかのような錯覚を起こしがちですが、事実は違います。
2001年の315万円を基準にするなら、同じ製品は今日本で506万円になっていても経済指標上は“同レベル”なのです。それに対して現在のC5セダクションは436万円、オプションペイント代金を追加しても445万円ですから、世界の趨勢に対しては約60万円も安く売る努力をしているということになると考えられます。
その意味では、価格帯を一段下げているとすら言えると思います。
にも関わらず、高くなったと錯覚をするのは、シトロエンのメーカーやインポーターのせいではなく、日本が長期デフレで一段貧乏になった=購買力が下がったためだと理解するのが正しいと考えます。
個人的に2005年までは頻繁に海外と関わる仕事をし、2006年~2012年までは完全に日本に閉じ篭り、2013年から再び海外と関わる仕事に復帰し、昨年から海外に住居を移しました。
実感として、私が日本に閉じ篭っていた2000年代後半に日本はガクッと貧乏になったと思います。デフレでどんどん経済がやせ細っていたのを異常な円高が見えなくさせていただけで、為替が正常化した途端に日本の購買力が衰えたことが顕在化しただけです。
上記の例でも明らかなように日本の購買力低下の要因の半分はデフレ、残りの半分は為替下落です。デフレも為替下落も経済力の低下の現れであり、円高に戻せば良いという事ではないと考えています。
まず適正なインフレ基調を確保し、経済を健全な循環に戻す。そうすれば為替は後からついてくるはずです。
Posted at 2015/03/25 16:32:32 | |
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