※画像とタイトルには一部誇張表現がございます。
・前回までのあらすじ
約10年振りにバイクに乗るリターン・ライダー、M村。
無謀にも新型VMAXを購入、長い待ち時間を経てついに納車された。
魔神(マシン)とともに解き放たれた、ある意味一番危険なライダー。
VMAX初めてのセルフガソリン給油はなんとか成功。
そして今度はいきなりの100km高速走行。
果たしてM村の運命やいかに。
~疾風怒濤の高速道路~
ガソリンメーターは満タン状態。 先代Vmaxと同じ給油タイミングだとしても、なんとか宇都宮までは持つ計算。というかせめてそのぐらいの燃費であってくれ。
「高速道路の方が安全」というのが自分の認識なので、実は高速を走って帰ること自体は「それほど」不安ではない。
しかし当然ながら高速入り口までは一般道路。
誰も容赦はしてくれない。
いきなり渋滞だ。
道路の左側には若干の余裕がある。
すり抜けしたい所だが、ここはグッと我慢する。
この日は夏日。 気温は高い。
キジマの3シーズンジャケットを着ていたが、ファスナーベンチレーション全開でもこのノロノロ運転では暑い。
だが気温のせいだけではない。
VMAXの1680ccエンジンが熱気を発している。
水温計はゲージの7割ほどまで上がってきている。
「大丈夫か?」と思わず独り言。
しかしVMAXは巨大なラジエーターに、さらに小型ラジエーターまで装備されている。
水温はみるみる上がるが、このラジエーターのおかげで機械的にはなんとかオーバーヒートは避けられそうだ。
その証拠に、少し流れが良くなると水温は真ん中辺りに戻ってくれる。
頼もしいラジエーターだ。
人間的にはオーバーヒート寸前だが。
ノロノロ運転でフラフラしがちなので、ここは「基本」を思い出してみる。
「目線は遠く、ニーグリップをしっかり。 肩の力を抜く」
意識してニーグリップを強める。(そう、新型VMAXはニーグリップが普通に可能なのだ! エアスクープ下部、シートの先端がいい感じにニーグリップポイント。 足の長さで変わると思うけど)
グッと車体を膝で挟むと、自然と肩の力がスーッと抜ける。
やはり無意識のうちに肩に力が入っていた。 イカンイカン。
ノロノロ運転・ストップ&ゴーがしばらく続く。
まだ大型バイクの免許が「鬼の限定解除」と呼ばれていた時代、自分は400ccのバイクで自主練をした。
夜中に自分とは無関係の広い駐車場に勝手にパイロンを持ち込み、コケながら練習。
近隣の住民に通報され警察官に注意されるが、事情を話すと派出所の駐車場での練習許可がおりた。
「あの時のおまわりさんとガチャガチャになったエリミネーター400SE、感謝してます。」
などと考えながら渋滞を切り抜ける。
高速入り口手前の交差点までなんとか進む。
早く右折したくてしょうがない。
これは焦りとかのせいではなく、「コーナリングしたい」という欲求だ。
試乗の時も感じたのだが、コーナリングも案外気持ちよくこなせる。
ケツをシートバックに押し付け、リアタイヤを中心にコーナリング。
これは先代Vmax、ハーレーに乗っていた時身に付けた乗り方だ。
新型VMAXのライディングポジションは先代Vmaxに近い。(今回やや前傾姿勢気味になるが)
この「アメリカン乗り」はバッチリ通用する。(むしろ今はスーパースポーツでのコーナリングが難しく感じるだろう)
さぁ、高速道路に突入だ!
YSPの強い勧めでETCは装着済み。
カード読み込み状態確認のインジケーターは、スピード&タコメーターの横に付けてもらった。
カード認識中の緑ランプの点灯をしつこいぐらい確認(笑)
ゲート前のグルグルコーナーでVMAXのコーナリング性能を堪能する。
ものすごく低いレベルの話でだが、自分がうまくなったと勘違いするぐらい安定している。
見た目と重量とは裏腹に、倒し込む感覚も軽い。
ただ、一度すべりだしたらもうどうしようもできなそうな車体、バンク角もそんなになさそうなので、充分気を付ける必要はあるのだが。
車ではまぁまぁ慣れていたETC通過だが、バイクではちょっと怖い。
バイク用のETCは振動対策がしてあるらしいが、(なので車用と比べると割高)認識しないことが「よくある」らしいので、ポンピングブレーキをして後続車に減速をアピール。 ゆっくり通過させてもらう。
無事にゲート通過。 (一番ドキドキした 笑)
一般道では3000回転しばりにしていたが、高速では4000回転、場合によっては5000回転を目安にしてみる。
合流地点は運よくスムーズにクリア
とりあえず一番左の車線をキープする。
まず5速3000回転。 速度は90km/hまで達する。(街中では3000回転で充分…すぎますね)
しばらくこのまま流す。
新型VMAXの国内仕様は排気音が静か。
※(帰宅時、近所のメカ好きおじさんに、「音だけ聞いたら250ccぐらいのバイクが来たのかと思ってたよ。見てビックリした」と言われやや複雑な気持ちになる 笑)
ヤマハ曰く、マフラー排気口の位置も計算し、排気音がライダーの耳に届くようになっているらしい。
しかしどちらかというとメカノイズや風切り音のが聞こえてしまう。
せめてマフラーぐらいは変えたくなるが、ノーマルマフラーのデザインは気に入っているので、1年はノーマルで乗ってみようと思う。
ただ全く音がしないわけではなく、この回転域だとちゃんとパルス感は味わえる。
「デュロロロロ…」といった感じ。
けっこう気持ちいい。 なんというか、猛獣のうなり声というか猫のゴロゴロ音というか…(猫だと一気にカワイイイメージになってしまうな)
雑誌の記事で「風圧はスラント形状のヘッドライトとメーターのおかげでだいぶ軽減されている」と読んだ事があるが、車に慣れた身にとっては、この速度でもけっこうな風圧です(笑)
自然と頭を低くした姿勢になる。
色々ポジションを探っていくと、シートバックにケツを押し付ける姿勢が楽と気づく。
自分の体格だと腕が伸びきってしまうような感じになるが、「風圧にもたれかかる」状態で安定する。
ン~、心地いいが、そろそろ回転数上げてみよっかな。
「うりゃ」とアクセルを捻ると、「ギュオーー!!」という排気音とともに、あっという間に制限速度をゴニョゴニョ。
4000回転を狙っていたが、一気に5000回転まで回ってしまった! というか、一瞬5500回転にセットしてあるシフトタイミングインジケーターが光ったような…(笑)
慌ててアクセルを少し緩める。
その後3000回転から4000回転、たまに瞬間的に5000回転まで回して楽しむ。
…
……
………!
ウキャーッ!もう最高! 慣らしでこれかよ!
追い越し時なんかもうアレ、詳しく書けないけど、こんな加速は今まで経験した事ない!
しかも「怒涛の加速」中、車体はビシッと安定している。
こりゃ6000、7000まで回したら…うぅ~、早く慣らし終わらしたい!
いつのまにか「緊張感」はなくなっていた。
これは危険な兆候でもあるのだが、すでに「VMAXの性能への信頼」はできてしまった証。
言い忘れたが、ブレーキの性能も高い。
こんな重い車体を「ピタッ」と止める事ができる。
まだブレーキのアタリなんか出てないのに。
(ABSのテスト作動はYSPでさせてもらった。 かなり反動がくるので最初はびっくりするぐらい。
実際にはまだ一度も作動させてないけど)
いい意味でリラックス状態になった。
ここで腹が減っている事に気づく。
VMAXのダミータンクカバー部上面、「マルチファンクションディスプレー」に目をやり、時間を確認する。
色んな情報を表示できるが、やっぱ時計は普通に便利!(笑)
今はちょうど昼時、考えてみりゃ朝コンビニのおにぎりを一個食べただけだ。
よし、次のSAで休憩しよう。
羽生SAに入る。
休日で駐車場は満杯だ。 ふふふ、今日はバイクなので余裕!
バイク置き場を目指しソロソロと走らせる。
途中、車に戻りたそうな家族連れを発見。 横断歩道の手前で止まる。
するとお父さんが会釈の後歩きながらニヤけつつVMAXを凝視、子供は「すごいバイク!」と叫び指をさす。
お母さんは無関心だ(笑)
「大型バイクは振る舞いも他の模範にならねばならぬ」的な事を限定解除の試験官(警察官)に言われたのを思い出す。
…自然とそうなります。
さて、唐突ですが、めっちゃ疲れた(PC文字入力が)ので、「疾風怒濤の高速道路編」は2部構成にいたします!(笑)
それではまた後編でお会いしましょう!