VOL.2 加速不良・・探究と修理
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
6時間以内 |
1
加速ポンプ連動リンクをはずした後、上面スクリューをはずし、キャブ上面フタ「チョークチャンバー」を分離したところ、ガスケット、フロート、加速ポンプはチョークチャンバーについた状態ではずれる。
位置関係は左のフロートが車両に対し前方のフロート室用、右のフロートが後方のフロート室用となる。各フロートの上面に見える真鍮の部品がニードルバルブのリテーナー。この奥にバルブがあり、燃料ポンプから送られたガソリンはここを通って各フロート室にためられる。ガソリンがたまるとフロートが浮き上がり、規定の高さになるとリテーナーを押し上げ、ガソリン供給を止める構造。機関運転中はこのニードルバルブによってガソリンの供給、遮断を繰り返し、フロート室のフロートレベルを一定に保ちます。
2
キャブ中段に位置する「フロートチャンバー」とのはまり具合、フロート室へのフロート収容具合はこんな感じ。加速ポンプは撮影のためはずしている。各部がキレイなのはOH後の組み付け時に撮り忘れに気づき、撮影したものを流用しているため。
3
これがOH前の「フロートチャンバー」、キャブの中段にあたる。ジェット、ベンチュリー部の汚れが顕著。
各ジェット、燃料通路、エアー通路、清掃のやりがいがありそうである。
4
加速ポンプがスライドするホールの最下部、フロート室から燃料通路につながる部分には燃料逆流防止弁としてスチールボールが挿入されている。失くしやすいパーツで注意が必要。真球度が高く、欠落させたり、傷つけると加速ポンプ作動時の吐出量が大幅に減ってしまう。スチールボールの受け部も清掃しすぎてクリアランスを広げすぎないように注意。 スチールボールをつかんでいるツールは「宝石つかみ」。ピンセットはパチッとはじけて失くすか、傷つけるリスクがあるので、使わないほうがいいと思います。最悪、指のほうがましです。尚このスチールボールはもう一つ、加速ノズルと加速ポンプの間にも使われています(全部で2コ使われている)。
5
加速ポンプは新品交換のつもりでしたが、めくれも無く、以外に劣化もまだまだなのでそのまま使用する。一見直径が細く、スカスカしないかに見えるが、新品でも組み込んでガソリンに浸るとすぐにこの形状になります。指で押し込むとピストンの感触で判断できます。先端部分はなんと皮製です。白色ですがガソリン浸して使用すると内壁と擦れてガソリンヤニがついて茶色状態になります。ちなみにスプリングは新品に交換しました。
6
ニードルバルブだけはニードル先端部受けに特殊ゴムを使用しているので分解、掃除時注意が必要。他のジェット類は洗浄液に漬け置きして清掃しましたが、ここだけはさらっとガソリンとエアーで済ませました。最深部に円柱、金網状のストレーナーが入っていますがこれは漬け置きしました。画像は組み付け時のニードル。
7
キャブ上面フタ「チョークチャンバー」にはずしたフロートを組み付け、逆さ状態でフロートレベルを調整する。
フロートを指でいっぱいに持ち上げ、ゆっくり下げていき、フロート根元の金具がニードルバルブのリテーナ先端に接触する瞬間のフロート先端下部とチョークチャンバーとのすきま寸法(H寸法というらしい)を基準値15ミリになるようにフロート根元の金具をラジオペンチで曲げて調整する。金具の根元を曲げすぎるとフロートに浸水すきまができるので注意。フロートレベル基準値は点検窓の中央(真ん中)が基準。調整は組み上げ寸前にやったほうが精度が高い。(私は個人的に真ん中よりちょっと上に調整してます)
8
フロートの調整する金具部分(矢印)。ここをラジオペンチ等で調整します。
→VOL3. 加速不良・・探究と修理に続きます
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