たかが真鍮チェーン、されど真鍮チェーン(ラジエターキャップの真鍮チェーン復活)
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
コスモスポーツの時代はラジエターサブタンクも真鍮プレス+ロウ付けで作られていました。製造元は旧日本ラヂヱーター(株){現在はカルソニック・カンセイ(株)、2005年より日産の連結子会社となっている}実際は黒色塗装されて装着されています。
(真鍮の黄金色の美しさをお見せするために展示鑑賞用のムキ身品で撮影しています。太陽光下で色がよくわかります)
2
今回の主役は従物であるラジエターキャップの、さらに従物である(従物だったという表記が正しい)「真鍮チェーン」です。
純正のラジエターキャップは1970年代末頃まではラジエターと繋ぐ「真鍮チェーン」がついていました。今では「真鍮チェーン付き」ラジエターキャップは入手できなくなりました。(全体にシルバー系に見えるのは蛍光灯下のため)
3
長さは8cm、チェーンの形状は特殊。2重リングは線径1mm、内径10mm、鉄製が使用されています。
4
サブタンクのフィラー部。チェーン接合の為の穴が標準で開いている(対角180度の位置にも1つ、計2つ開いている)。
5
装着した様子。未レストアのサブタンクは皆微妙な黒塗装の禿げがどれも同じ位置に散見されるのは、このチェーン使用時代のブラブラによる擦れである。この部位の新車時仕様(工場出荷時)の状態を確認できる写真(カタログ、当時の雑誌の試乗記)等で探したが、残念ながら確認できなかった。 装着してみてもう一つ重要な気づきが・・・一旦装着するとはずすのに2重リングが結構難儀。サブタンクをボディに固定状態ではなおさら・・・後述しますがチェーンが消えた理由がこの時、垣間見えた気がしました。
6
チェーンの拡大画像。いくら探し回ってもこの仕様のチェーンが見つからず長い歳月を費やしていました・・・・・1つしかない「原型サンプル」は使えないまま収蔵していました。
7
ところが、このたび偶然発掘できました。通院の際、向かいの古い建築金物のお店に何気なく入ったら、デッドストックでありました。仕様は類似ではなく材質、寸分とも全く同じでした。1メートル280円でした。不思議なものです。何かに引き寄せられるよう店に入っていったのですから。こんな小さな物でも大きな発見、収穫でした。キャブの例の洗浄剤で漬け洗いしたら、くすんだ色も綺麗に蘇りました。
8
予備持ちとなれば初めて気持ちは楽になります。実車に装着しました。このチェーン、現存の車両はまず失われています。理由としては
①キャップ交換の再にラジエター口側のチェーンをはずす手順が効率の良さから圧倒的に多い、これでまずキャップごとラジエターから分離されてしまう
②キャップの開け閉めに邪魔、無くても問題無しとする人が多かった。
③昭和50年代以降、コストダウンで新品ラジエターキャップにチェーンは付属しないのが主流となり、チェーン単品での市場供給が停止。
④残存していてもブランブランしてラジエターの黒色塗装をはがすのでレストア時に除去、やがてチェーンを紛失する。
長い年月、オーナー、メカニックの手を経て様々なストーリーで、消えていったと推察されます。
たかが真鍮チェーン、されど真鍮チェーン・・・なのです。
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