ルームミラー 鏡面部移植手術
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エイトの車検代車のデミオを返却の際、デミオ用ルームミラー×1をすぐオーダー。
今まで新旧いろいろな車のルームミラー見てきましたが、この鏡面部がコスモスポーツに移植できるのではと判断したからです。中古の単体ミラーだけはどういうヒストリーを経て存在しているのか不気味なので新品調達としました。
自分のコスモの鏡面部は製造後48年の歳月で、古い銭湯や旅館洗面所でよく見る、シミがでた古鏡のようになっているからです。
普段は四角い被せミラーつけて乗っていました。
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実際実車で型紙あてて、デミオ用の上下を削ればOK、いけると・・・。
ミラー自体の上下厚み幅も一緒、ということは防眩切り替え機構もそそのまま生きる・・・・ここまでは思惑どおり。ニンマリしていましたが、
いざ解体したミラー単体(鏡面部単体)に型紙をあてるとワイドがわずかに足らないではないか・・・。ケース固定用「耳しろ」下のかくれ分がプラス数ミリあるはず、と読んでいたのが、両端下部だけはほとんど無しというのがはっきりする。ただデミオの新品ミラー1個壊しただけ?・・・ここからは対処を考えながら意地で続行する。
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そもそも鏡は削ってうまく加工できるものなのか?ガラスである。グラインダーとダイヤモンドリューターで臨んだが両方とも回転数、歯の回転向き、あて方が難しい。
裏面の蒸着部が剥がれる、ピシッと縁が欠ける。素材の摩擦温度管理(対ガラス)もある。うまくコツを記述できませんが、奮闘しているうちに思い通りに加工できるようになってきました。夏場はモーターが過熱状態になるのが早いですね。自分は電動ハンドリューターの方は2つ持っているので交換しながら連続で作業できます。
クラックが入って欠けないようにするため回転下げてるのでなかなか削れません。ここまで材料が小さく、切り幅も小さいと「ガラス切り」も失敗が目にみえてるので使えません。
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2.5時間かけてやっとあともう一息のところまでくる。粉塵マスクはつけているが、手につくガラス粉が時々痛い。何回か休憩してこれで最後の研磨にしようとするときに、気持ちが緩んだのか、ピシッと大事な部分がクラックがはいり、欠ける。これは耳シロからはみ出なくてもエッジに欠けた像が映り込む。ミラー位置は目線の上方に配置だから、斜め下から実際見るので、もろ見えは間違い無い。鏡のガラス部の断面エッジ成形は命なのです。
UV硬化ウインドウリペアキットでエッジ盛り付けを試みるが無理。苦し紛れに全周研磨断面に薄くぬってシールド代わりとする。(鏡の撮影は難しいですね。いいアングルはすぐ自分の顔も入る。カットが判りづらいのはそのせいです。
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型紙どおり高さにカットしてコスモのケースにバチンと入った。やはり両端下部エンドに隙間があく。先ほどしくじった上部の欠けも上部耳しろを1.8mmほど拡張して鏡部を覆わないと隠れない。失敗モードに入ってきましたがまだあきらめない。
隙間充填と耳しろ側の加工にでる。セメダイン366でまず隙間を充填。乾燥後もゲル状態となるこれは、もともとウェザーストリップゴム防水接着用。盛り付け縁取り成形には向かないものだがあえて使う。
耳しろ部、拡張、何故か横スライドはきれいにできたが縦スライドは先端が途中で引っかかり失敗。ルックスは不器用な子供のプラモデル接着部の様相。誰もが経験するヘラがくっつき、成形盛り付け不能のスパイラル状態。絶望感120%ですが、ここからはウラ技を使う。
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要は成形ヘラにくっつかないようにする。乾燥後もべたつく366の表面層だけを変質させる。ソフト99ブラック(何故かこれが相性いい)を表面に塗り、ドライヤーで塗装面を換装硬化させる。中の366はドライヤー攻撃ではもともとびくともしない(ゲルのまま)。 成形ヘラ(今回も歯石とり)で軽く押して成形していく。ちょっと強く押しすぎるとピチッと割れて366が下からでますが、そうしたらまた99ブラック塗って、ドライヤー・・・と繰り返す。3回も重ねると表面層は99ブラックと366が適度に混ざった乾燥被膜ができます。ミラー部についた366は極力耳しろエッジ方向にヘラでかき集めます。ミラー部コーナーについた366を綺麗にとりながら成形するのが骨折れます。成形後、最後に4回目重ね塗りとしてフラットブラックを小筆で塗り、テカテカのツヤを消すのと、表面の凸凹感を見えづらくさせます。
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元の「射出成型の耳しろ」対「フリーハンド拡張耳しろ」ですから同レベルのフニッシュ仕上げにはできません。
いかに近づけるかです。
1枚目の画像だけは、まだ最終塗りのフラットブラックを塗っていない。ウェザーストリップ感が強いのはそういう素地を使っているから。
人間の目より高解像度のデジカメズームで見ると自身の老眼をくぐり抜けたアラ箇所が目立ちますが、通常使用時の肉眼距離では気にならないレベルです?。
耳しろが前記の2つの理由で太縁にされているのが2枚目のBEFOREとの比較画像でやっと初めて判る。
2つの理由がなければ完全パーフェクトだったのが惜しまれる。でもこれでも十分です。
上部の欠け対策で上縁も拡張したことが逆に全体のバランスがよくなりオリジナルとの違和感はない。
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同時に防眩切り替えレバー部を綺麗にしました。マークのスミ入れはかつての模型少年時代を思い出し懐かしかったです。
普通のコスモスポーツの純正ルームミラー新品鏡面状態が蘇りました。
2016年製「デミオの鏡」が後方世界を写す任務に就きました。
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