大型トラックには90km以上加速できないリミッタ装着が法令で義務付けられていたんですね。で、8月末で移行措置期間も終了し、いまやすべての大型トラックが90km以上は出ないはず。
ニュースはこうも伝えている。確かにスピード超過による事故は減少傾向だが、輸送時間が長くなったことによる運転手の過労による事故や、大型トラックが走行車線を走る場合が多くなったことによる、インターチェンジ合流点での接触事故は増加傾向にある。
・・・なるほど、確かに何事にもメリット・デメリットがある訳ですね。
しかし、時速90km以上で飛行するUFOに追いかけられたら逃げ切れないじゃないか~!!
■□■エッセイ・高速道路を自分の足で走った私■□■
以前、クルマで外回りをする仕事をしていた時の話。確かにその頃は、高速道路の追い越し車線を150km以上で疾走する大型トラックが多く、何度も怖い思いをした記憶がある。
追い越し車線を走っていると、いつの間にかルームミラーに大型トラックのラジエーターグリルが大写しになっている。まるで振り向いたらグリズリーが居たような想像を絶する恐怖!!!
しかし、当時でも大手のY運輸は速度順守の場合が多かった。それでもこちらも仕事での移動であるから、高速道路を走行中に彼らの隊列に出くわすと、その後ろに付いていたのでは予定時刻に目的地に着くことができない。
そこで思い切って追い越し車線に出る。しかし、ぼろいディーゼルエンジンの営業車はアクセルをベタ踏みでもなかなか加速しない。Y運輸の長距離輸送車を1台追い越した。走行車線に早く戻りたい。しかし、気付くと同じトラックがあと4~5台は前に痞えている。
追い越し車線でさらに加速を試みるが加速しない。ふと気付くと大型トラックが迫ってきた。もうすぐ後だ。ルームミラー越しにラジエーターグリルの隙間のゴミ屑までよく見えるような距離まで付かれた。
何度もパッシングをしてくる。しかし、走行車線にはY運輸のトラックがまだあと3台。時間が止まってしまったかのようなものすごく長い時間をかけて1台ずつ、少しずつ後へ下がっていく。
ディーセルエンジンの営業車は古い年式だから、100キロ超えを示す警告音が鳴り続けている。黄色い警告音は私のこころを一層ざわつかせる。ベタ踏みの足がもう疲れた。
もうだめだ、そう思いかけたとき、やっとすべてのY運輸のトラックを追い抜いた。急ハンドルで走行車線に戻る。その時私は、まるで自分の足で高速道路を全力疾走したように、息が切れ切れになっているのであった・・・。
運輸会社にもいろいろある。それは運輸会社の営業所止めで送られてくる自社商品を引取りに行く時におおよその察しが付く。
Y運輸やD貨物のように自社持ちの長距離輸送用の10tトラックが停まっている会社がある。彼らの自社持ちの長距離トラックは、高速道路でも概ね制限速度を守っていたと思う。
一方、●○△便のように、営業所に行っても自社持ちの長距離輸送用トラックをほとんど見かけない会社もある。彼らはきっと中小の運送屋さんにタイトなタイムスケジュールで外注しており、それら業務を委託された中小の運送屋さんが、必死の思いで追い越し車線を疾走していたのではないだろうか。
そんなふうに当時が思い出された今日であった。
Posted at 2006/09/05 00:37:10 | |
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