こんにちは。しんぼぽんこです。今回はフェラーリ612スカリエッティ2018年の話です。
前回は中古車屋さんのショールームで内外装を見て、試乗のためショールームから出していただくところまででした。
ショールームの外で暖機が終わった612をバックで出してきてくれるのをじっと見守ります。この時何枚か写真をとったのですが、612は写真より実車の方がはるかに流麗です。
F133Fユニットのアイドリング音は重低音の中にもどこか回転の軽さを感じる音です。響き渡る「ファーーーー♪」という音はフェラーリV12エンジン独特の音です。よく耳を澄まして聞いてみると小刻みに「タンタンタン♪」という音が混じっており、550マラネロと同じようなアイドリング音だなと思ったら、それも当然で同じF133系のエンジンなのでした。
営業マンの運転でショールームを後にし一般道から高速道路のパーキングエリアまで助手席試乗。
まず感じたのは、足回りの柔らかさ。締め上げている印象はなく、路面の凹凸をスプリング&ダンパーを介して受け止め最終的にアルミスペースフレーム全体で吸収している、そんな感じです。変わった乗り心地です。
低回転でスルスル走らせていたこともあり、エンジンは眠っているように大人しいです。ただ、F1マチック(シングルクラッチ自動MT)のAUTOモードでの動きは変速するときに必ずひと息つくので非常に癖があります。(ボートを漕いでいるような感じ)
自分が想像していた以上にGT然としており、スポーツというようはラグジュアリーな乗り味、走行リズムだなと強く感じます。
高速道路に入り間もなくパーキングエリア到着、私がハンドルを握ることになります。たっぷりとしたデイトナシートに収まりポジションを合わせエンジンを再始動します。右パドルを引き、N→1に入れてサイドブレーキを下ろして発進なのですが、、とにかくF1マチックにびびってしまい、再度レクチャーを受けますが、要はクラッチが繋がるまでアクセルを深く踏まなければ半クラッチ状態は回避されクラッチの極度な摩耗は避けられるとアドバイスをうけます。
MT車に乗る時より爪先に神経を尖らせながらアクセルをジワリと踏み込みます。助手席では分かりませんでしたが、運転席で自分で操作すると右足の裏からクラッチが繋がっている感覚が容易に把握できました。
早速パーキングエリアを出て本線に合流します。例の本にフェラーリ612のF1マチックオートモード制御は素晴らしいと書いていたのでパドル操作はせずにオートモードで加速をしていきます。自分の意図しないところで、ボート漕ぎのように🚣♂️シフトアップするのはご愛嬌ですが、こちらがクルマに合わせれば良いだけのこと。612の走行リズムに身を委ねます。言葉にするのは難しいのですが、この612の走行リズムが素晴らしい。V12のエンジン音、車体の揺れ具合、そしてゆったりとしたシフトリズムが見事に調和している、「ゆっくり走っていてもフェラーリ」、まさしくそんな感じです。
3000回転までで走っている分にはおとなしくF133ユニットをほぼ沈黙させていますが、営業マンが「慣れてこられましたね。パドルでダウンシフトして踏んでみてください。」と許可を頂いたので、パドルで6→5→4とダウンシフトして加速モードに入ります。
ダウンシフトはアップシフトより素早く、まるで獲物を見つけて追跡開始するかのようです。そして4速3000回転からアクセルオンします。
ギュぃぃーーーんとなんとも言えないやや高音の独特のエンジン音を発しながらモーターのようにスムーズに加速していきます。612はギヤ比がロングですので車速はかなり伸びます。(4速ではプラス1000回転毎に30キロ弱伸びる)
全く頭打ちを感じないエンジン!
これがフェラーリのV12エンジンか!!
速度が上がれば上がるほど、足回りが引き締められていくような感覚と共に車体が一回り小さくなったような錯覚を覚えます。
ただ、だからといって急の付くような操舵やブレーキングはご法度です。必ず最初にきっかけ(初動操作)をつくってあげてから操作しないと「落馬」しそうになります。うまく機嫌を伺いながら馬を手懐けないといけない。まさに「乗馬」。そんな印象です。
アルピナやポルシェのような正確無比な操舵感覚やブレーキ制動を期待することはやや困難な印象です。(特にブレーキ)
一瞬のうちに高速道路試乗は終わり、色々考えながら(戸惑いのほうが大きい)、高速道路を降り一般道へ戻ります。
パドルは使わず信号で停止しようと緩くブレーキングしていくと、F1マチックオートモードが自動的に3→2にシフトダウンさせました。回転数は2000前半→2500ほどに動いただけなのですが、そのシフトダウンの際のごく僅かなエンジン吹け上がり音の良さが素晴らしく、さらに2500回転からアイドリングの1000回転まで回転が下がっていくときのエンジン音の遷移がたまらなく自身のツボにはまります。(フェラーリはこういうところまで演出しているのかと深く感動)
フェラーリは先ずエンジンと言われますが、大いに納得した次第です。それ以外の部分はことポルシェなどと比較するとお世辞にも完璧とは言えないかもしれませんが、この「きちんと手懐けなければ落馬しそうな走行感覚」が今回の購入の決め手になりました。
試乗を終え見積を頂き、数日後、購入する旨を営業マンに伝えました。ある程度の納車整備をこの機会なのでお願いしたのですが、そのあたりは次回にします。
読んでいただきありがとうございました。
ブログ一覧 |
Ferrari612scaglietti | クルマ
Posted at
2020/11/19 17:19:09