まずは荷室についてですが、4,475mmという比較的コンパクトな全長から受けるイメージより、かなり広く感じます。
我が家ではロードバイク2台を積んでサイクルイベントなどに参加することがあるのですが、MY2014のXC60と変わらぬ運用が出来ています。
具体的な数値で比較すると、旧XC60のリアシートを倒した時の荷室長は1,789mm、一方のXC40は1670mmでその差12cmですが、実際に使った感覚では全長が約17cmも長い旧型XC60(4,644mm)とほとんどかわらず、これについては数値以上に差が小さいと感じます。
コンパクトなのにワンクラス上のモデルと同じ使い方ができるのは嬉しい誤算でした。
荷室のフロアを持ち上げるとその下には大まかに前後に分かれた床下収納部分があります。
マイルドハイブリッドになってからバッテリ搭載の影響で床下収納部は浅くなりましたが、それでも浅い方(リアから見て手前側)でも13cmほどの深さがありそれなりに面積もあるので、私が車内に常備しておきたい小物はほとんどここに収納できてしまいます。
一例ですが、2リットル入りのウインドウォッシャー液が入ったポリ容器を寝かせて収納できます。スキードライブの際には凍結しない厳冬期用のウォッシャー液の予備を多めに用意しておきたい派なのですが、荷室内にウォッシャー液のボトルがゴロゴロしているとただでさえ用品や荷物が多いスキードライブだと邪魔になりますし第一見栄えも悪い。XC40ではそれらはすべて床下に隠して置けました。個人的に非常に重宝するスペースです。
フロアカバーを立てると荷室を前後に分けるパーティションになるのもVOLVOワゴン系伝統の装備です。これを気に入っているオーナーは多いのではないでしょうか。
同様にこれもVOLVOのワゴン系伝統の装備ですが、立てたフロアカバーには小さめのバッグなどを引っ掛けて置けるフックも装備されています。
ちなみに、フロアカバーを立てない場合でも使えるバッグ用フックは、荷室の左右に別途設けられています。
XC40ならではの収納といえば、センターコンソールのアームレスト下にある広大な収納スペースが挙げられます。フルサイズのテシュー・ボックスがまるごと入って、その状態でもさらに空間的な余裕があります。
またその前方には脱着可能な蓋付きの独立した収納ボックスが備え付けられており(サイド部分にはご丁寧にネットポケット付き)、ゴミ箱として使う事が想定されているようです。おそらくこれにより多くのXC40の車内美化が実現していることでしょう。
フロントのドライバーズシートの下側にはトレイ式の小物入れが装備されています。
以前のVOLVO車にはフロントシート下に「カンガルーポケット」という「ケータイ電話」を入れておくのに丁度いいポケットが装備されおり、素晴らしいアイディアだと思っていたのですが、残念ながら一旦それは途絶えてしまいました。
しかし世代を経て今度はトレイとして復活しました。
もっともこのトレイ、薄いのです。昔の「ケータイ電話」だと入らないモデルが多いのではないでしょうか。それくらい薄いです。
しかし、時代はもはやスマートフォン。要するにスマートフォンなら充分入る厚みがあります。
しかしスマートフォンを収納するにしてはムダに広い。これだと「カンガルーポケットのほうが良かった」と思わなくもないのですが、実はモダンなスマートフォン世代のクルマの多くはセンターコンソールの中央奥に「置くだけ充電トレイ(Qi充電台)」が装備されています。XC40も例外ではありません。さらにXC40の場合はQi充電台の手前に一部の自動車評論家が「灰皿?」と誤認するつくりのスマートフォン専用スタンドも装備されています。すなわちシート下トレイは別の用途に使うのが吉と言えそうです。
ちなみに車検証入れは入りません(車検証だけなら折りたためば入ります)。
私はここに携帯トイレを入れてみました(車内に携帯トイレを常備するようになって20年以上経ちますが、今まで一度も使ったことはありません)。
ドアポケットも広めで、1リットルクラスのペットボトルなら余裕で放り込んでおけます。
(メーカーの説明をオウム返しに紹介する系のモータージャーナリストがここにノートPCを入れてみせたりして「充分使えますねえ」なんて言ってる動画を散見しますが「そんなところにノートPCとか入れねーよ」と思うのは私だけでしょうか?)
ドアポケットがここまで大きいのは、通常ドアに埋め込まれているサブウーファー(スピーカー)をフロントのバルクヘッド上部に移動させたことで生まれたスペースを収納に割り当てた為です。
もともとサブウーファーには指向性が求められませんので本来左右ドアに埋め込む必然性はありません。メーカーは「ユーザーの目に大きなスピーカーがドンと左右に埋め込まれているのを見せて「このクルマには高級なオーディオが入っている」という満足感を与えているだけなのです。「ドアにでっかいサブウーファーがなくてショボい」と思う人が一定数いるであろうことを理解しつつも「見た目より実利」とばかりにここにスペースを確保したのはVOLVOの英断といえるのではないでしょうか。このあたりも保守的な高級感を求めるユーザー層が多い上位モデルと違い、カジュアル路線のXC40だからこそチャレンジできたのかもしれません。
ちなみに私はノートPCは当然として、そもそもドアポケットにあまり物は入れないので(VOLVOのデザイナーには悪いですが)あまり有り難みはわかりません……が、狭いより広いほうがいいのは間違いないところでしょう。
ドリンクホルダーの壁にある爪、つまりスプリングによる「抑えパーツ」の間隔は、実はキーを差し込んで置くのに丁度いい、というのはディーラーのエントランスでスタッフにクルマを預けるときを除くとあまり役に立たないXC40のtipsです。^^;
それから、運用には慎重さが求められますが前後ドアとも内側のドアハンドル部分は貫通していません……ので、ここに小物を置くことも可能です。
スマートフォンとか!
ただし。
繰り返し警告しますがドアの開閉時に落下する恐れがありますし、入り込んで視覚から消え去るとそのまま忘れて放置される可能性も低くありませんので、このドアハンドル部分の収納スペース?の運用については細心の注意が必要です。
リアシートはそれ以外にもシート下のドアよりにちょっとした小物をおいて置けるトレイがあります。
ここもドアの開閉時や乗降時に転げ落ちたり、あるいは風で吹き飛ばされる心配がありますので、同様に運用には注意が必要です。