未来を拓く(アシタヲヒラク)


この八束水臣津野命の国引オブジェが好きです。
前回のブログ、出雲大社へ参拝するために稲佐の浜で身を清めまして、その続きです。


ではさっそく、しきたりどおり「神門通り」から参りましょうか。

あの旧大社駅から見えた、
宇迦橋の一の鳥居である大鳥居です。
日本一ではないけれど最大級の鳥居だそうです。大正時のもので、鉄筋コンクリート製。
大きいねー。
巨像恐怖症の私にはかなりハードルの高い被写体。ぞわぞわぞくぞくしてきます (笑)


少し歩くと、
LAUT(ラウ)大社神門通り店が見えます。


大社へ乗り込む前にここで腹ごしらえ、遅~いランチです。
大社界隈、とくに神門通りのお店はどこも行列ができてます。名前を書いておいて広場の日陰で順番待ちしている人たちでいっぱいでした。
このお店は一見するとふつうのカフェ。だけど、実は面白いんです。
よくご覧になってみて。見えるかな。

説明しますと、一畑電車の終点出雲大社前駅の建物が隣接していて、全面ガラスの壁からすぐ横に線路、黄色の電車が入ってくるのが見えるんです。

こちらが出雲大社前駅
旧大社駅とはうってかわって洋風建築。国の登録有形文化財であり、近代化産業遺産にも認定されています。
内観も窓がすべてステンドグラスになっていてとても素敵なのですが、人大杉で(笑)撮ってません。

一畑電気鉄道デハニ50型電車の展示スペース
食事しながらも外の電車が気になったりして、いい大人がはしゃぎそうになります。子どもは喜ぶね。
大社界隈のグルメはもはや蕎麦一択なのか?
それくらい蕎麦屋のみで埋め尽くされています。どんだけ蕎麦好きよ。
蕎麦アレルギーの人には地獄のような場所だね。
そういう意味ではこのLAUTは蕎麦がない数少ないお店。一人でも入りやすいです。
しばしの休憩のあと、再びroad to出雲大社に戻ります。


いやしかし、神門通りもおしゃれになったもんだ。なんだか変わっちゃったな。
けっこう歩いたつもりですが、まだまだ先は長いです。


ちょうどそのとき、けたたましくサイレンが響きました。


緊急車両が車と人の群れを縫うように走ってきます。当たり前ですけど、こんなところまで来るんですね。ご苦労様です。
さてようやく
二の鳥居、勢溜(せいどまり)の鳥居が見えてきました。

振り返ると、はるか遠くに一の鳥居が。ゆるやかに上り坂なのです。


このあたりは昔から大変にぎわっていて、人々の流れがここで留まってしまうから、勢溜というらしいです。確かに、流れが留まってにぎわってます。
ここから拝殿まで約500mもあり、鳥居はあと二つあります。この距離からも大社のスケールと権力がいかに巨大だったかというのは、まさに推して知るべしです。

三の鳥居
大社のまわりはやたらと立派な松が見受けられますが、樹齢3、400年のものなんです。
縁起物っていうのもあるけれど、歩きながら気づいたことは、この大きな松のおかげで参道にひんやり涼しい日陰ができるんですね。強い日差しから私たちを守ってくれているんだなと。
といっても、この出雲の神話から考えるとたかだか400年なんでしょうけれど。ありがたいものです。
四の鳥居を抜けると、やっと来ました。
拝殿です。

工事中で残念なお姿

こんなところにもあのゆるキャラが。大社を被ってるからね。

八足門が近づいてきました。

「二礼四拍手一礼」の方式は独特で有名。鳥居は左右の端を一礼してからくぐるとか、まあ他にもいろいろ作法があるんですけど、大事なのは気持ちですから。地元の神社でもいいのに、わざわざ大社へ足を運んで、気持ちを鎮めながら手を合わせて拝むことがデキる人は、きっとこの先の生き方は自然と変わっていけるはずです。そんな自分を信じていきたいですね。
さあ、ようやく
本殿です。


向きが逆ですが、こちら側のほうが人もいなくてきれいに撮れたので。
美しいという言葉では表わし尽くせぬ、あまりに神々しい社、息を飲みます。
八足門の奥にあるこの本殿には、皇室のお方とて足を踏み入れることが許されていない神聖な場所となっています。ちょっとその辺りが珍しいですよね。一般人が乗り越えると逮捕されますので気をつけましょう (笑)

実は大国主大神は塀の奥では南側の八足門ではなく、こちら側の西向きに鎮座されていますので、そちらが正面になるんです。
正式の方角に小さな拝礼場所があります。見逃してしまいそうですが、ガチで本気でお詣りに来られた方はこちらのほうが効力は絶大です。

写真を撮りたかったんですが、並ぶ列でものすごい人だかりになっていて、あまりにみなさん真剣に拝んでいらっしゃるので呆気にとられまして。みなさんマジで真剣なんだな(°Д°)と遠巻きに通り過ぎた私です。


神楽殿です。
国旗掲揚台の大きさに驚きますけど、本当に全部がでかい!!
出雲大社にやってきて、みなさん口々に「でっかいな!」っておっしゃっていました。本当にね。
もともと出雲大社の本殿はここに写っている国旗掲揚台くらいの高さがあったといいますから、にわかには信じられないですね。でも本当なんですよ。

出雲大社といえばこの大注連縄ですが、他の神社の注連縄とは違い「大国締め」という左から巻かれる珍しい巻き方です。そして大国主大神は西向きに配されている。この不可思議で異質な事実に、壮大な神話の真実が隠されている気がしてならないのです。


そもそもどうしてこんな馬鹿デカいものを造る必要があったのか。どうして今でもなお他の神社とはあきらかに違う方式をとっているのか。そして本殿のすぐそばに厳重に諸神を配置させていることも、普通ではない気がしてきます。
天皇家が出てくるまではこれが主流だったのか、それとも大国主大神の恐ろしい怨念を封じるためなのか。
きっと大国主大神の無念の大きさと関係しているのでしょうね。
国譲りの神話は知っていますが、出雲大社に来るたびに、何か物憂げな複雑な気持ちになるのは私だけなんだろうか。
名残惜しいですが、そろそろ大社をあとにします。

さて、日の入りの時刻が近づいてきました。
再びあの
「稲佐の浜」へ戻ります。

ここは海も空も綺麗ですけど、砂もきれいだと思うのです。


あとですね、夕陽を撮影しにたくさんの方がいらっしゃると思います。気が効いてるのか何なのか、日の入りの時刻が迫ってくると(10分前くらい)にサイレンが鳴ります。
これを目安に浜に向かうといいかもしれないです。
地元の人や観光客たちが続々と集まってきます。


少しずつ、少しずつ、沈んでいく夕陽。


美しすぎて、文句のつけようがない。八百万の神々もこの夕陽に向かって各地へお帰りになるんでしょう。ロマンチックですね。


ゆっくりに見える地球の自転なのに、水平線に太陽がかかるとあっという間ですね。ほんの何秒のドラマ。最後の一瞬の赤い光線を見られてよかった。
快晴でうれしかったです。よく雨に降られるので雨女決定だと思っていた私も、不思議と出雲に来て降られたことがないんですよね。

こんなにゆっくりじっくりと、パワースポットを見つめながら過ごしたのは初めてでした。
確かに強い強いパワーを感じました。いい連休だったなあ。
と、長々と二度に渡って綴ったブログ、最後まで読んでくださった方に感謝。ありがとう。
撮影機材
Nikon D610
Tokina AT-X 124 AF PRO DX (AF 12-24mm f/4)
AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G ED