Kenwood MDV-727DTナビにロータリーコマンダー

前のDVDナビ使用時にはヘッドユニットとしてKenwoodのCDレシーバー U717を使い、主にUSBメモリースティック内のMP3再生でオーディオを楽しんでいたが、その時はこのKCA-SR700のステアリングリモコン（赤外線式）をセンターコンソール前側に貼り付けて使っていた。左手のひじをセンターコンソールについて運転していると丁度左手の指がこのリモコンに触れられて、音量調整、トラック変更、フォルダー変更、ソース切替え等が非常に楽に行えていたのでとても気に入っていた。

ところがナビのアップグレードでKenwoodのMDV-727DTに変えたところ、赤外線リモコンが非対応に。。。という事でKCA-SR700が使えなくなってしまった。
運転中にナビ本体のスイッチで音量調整やトラック変更等を行うのはとてもむずかしく危険なため、なんとかならないものかと調査し始める。一応このモデルはメーカーのステアリングリモコンに対応しているという事だが、愛車のセリカにはそんな上等なモノは付いていない。汎用のステアリングリモコンみたいな物も探してみたがなかなかみつからない。そしてたどり着いたのが名物SONYのロータリーコマンダーを使うという方法。オプションのKNA-300EXを付ければロータリーコマンダーと結線する事で使えるという事だったのでさっそくKNA-300EX（の互換品）とロータリーコマンダーをヤフオクでGET。
しかしこの段階では調査不足のため、MDV-727DTではそのままでは使えない事を知らないままワクワクしながら結線・設置作業に入る。

ちなみにロータリーコマンダーはRM-X2Sを買いました。後期型RM-X4Sのほうが人気がある様ですが、中身は同じなので少し安かったこっちのほうを落札。諸先輩の結線情報を参考にすると、途中で線をちょん切って中の3本線に分けてこれをKNA-300EXに結線する様になっていたので、まずは思い切ってカット。しかしながら次のステップで諸先輩はこの線にキボシを付けてKNA-300EXと結線していたが、この線あまりにも細すぎて私にはキボシコネクターを付ける事が出来ないので断念。

代わりにオーディオジャックのメスコネクターを使ってKNA-300EXと結線し、ロータリーコマンダー側の線は再度つなぎ直してジャック側でメスコネクターにはめる事で対応した。これならロータリーコマンダーの線を切らなければ良かったなあと少し後悔。

ミニプラグコネクターの結線ですが、グラウンドがKNA-300EXのKEY④、写真の紫色線がKEY①、一番上の灰色線がKEY②と接続します。
これでよし、さあ使ってみるか。ナビのステアリングリモコンの設定を見るとメーカーを選ぶ様になっているので、まずはトヨタを選択。ソースはSDメモリーのMP3オーディオ再生にして、さてまずは音量調整。。。ん？まったく反応せず。いろいろ他のスイッチを触ってみると音量つまみをプッシュインするとソースが切り替わる。あとは幾つかのボタンで音量が下がるだけで、他は一切無反応。これでは使い物になりましぇん。
ナビ側のステアリングリモコン設定で他のメーカーにしてみたが、やはりほとんど使えず。。。やはり世の中そんなに甘くないんだな。。。

仕方なくもっと調査してみると、世の中のステアリングリモコンは単純にボタン別に抵抗値が違うだけで、ロータリーコマンダー内の抵抗値はまったく各メーカーの値に対応していなかったのである。
そして辛いのがMDV-737DT以降のナビであれば、学習機能によって自由に各機能を割り付けする事でロータリーコマンダーも上記の結線さえやれば後は問題なく使えたのだが、今さらまた後期モデルのナビを買い直すのはあまりにも手間もお金もかかる。
という事でロータリーコマンダーを改造してメーカーが使っている抵抗値に変えてやって使う事を決心。しかしながら各メーカーのステアリングスイッチの抵抗値についてはネットでも散々探したが見つからず、仕方ないので自分で可変抵抗ボリューム（～1KΩ、～10KΩ、～50KΩ）を買ってきて、どの値でナビがどの様に反応するのかを調査するという涙ぐましい努力を行った。以下が調査結果です。（あくまでも私の調査結果ですので正確な値ではありません）リモコンを自作される方がいたらご参考にどうでしょう？時間がかかるのでトヨタ、三菱、スバルだけ調べた結果；

スバルＡ　　ＫＥＹ①線
----------------------------------
0.00K～0.05KΩ MUTE
0.05K～0.11KΩ VOLUME (+)
0.11K～0.20KΩ VOLUME (-)
0.20K～0.42KΩ SOURCE
0.42K～0.82KΩ TRACK (+) (早送り)
0.82K～ TRACK (-) (巻戻し)


三菱　　ＫＥＹ②線
----------------------------------
0.00K～0.50KΩ SOURCE
0.50K～1.00KΩ TRACK (+) (早送り)
1.00K～1.60KΩ TRACK (-) (巻戻し)
1.60K～2.60KΩ VOLUME (+)
2.60K～3.60KΩ VOLUME (-)


トヨタ 　　ＫＥＹ②線
----------------------------------
0.00K～0.05KΩ SOURCE
トヨタ 　　ＫＥＹ①線
----------------------------------
0.00K～0.15KΩ TRACK (+) (早送り)
0.15K～0.50KΩ TRACK (-) (巻戻し)
0.50K～1.20KΩ VOLUME (+)
1.20K～6.50KΩ VOLUME (-)

本当はスバル設定のほうがMUTEがある分有難いのだが、ロータリーコマンダー側の抵抗の配置がトラックが音量よりも先にあるため、スバルの設定は使えない。よってトヨタ設定を使用する事にした。

ロータリーコマンダーの抵抗は全部で９個。R1～R9の順番で抵抗が配置されているが、基板上でもRxの番号が記載されているので配置場所は確認出来る。
まずは元々付いていた抵抗を外すがここで気を付けなければならないのはニッパで切って外すという事は決してしない事。この方法だとパターンもめくれて無くなってしまうので、新しい抵抗のハンダ付けが出来なくなってしまう。あくまでもハンダこて先で加熱して押し出す方法を取る。そうすればハンダも少し基板上に残り、新しい抵抗をその上にのせてハンダこて先で加熱するだけで定着させる事が出来る。R9から試めしてみるのがよいであろう。R1から始めて失敗してパターンがめくれると全て使えなくなる可能性があるので要注意。
尚使用した抵抗は2012型（2mm×1.25mm）のチップ抵抗。とにかく恐ろしく小さいのでルーペ台を使用して慎重に行う必要がある。（こんなちっちゃな部品をハンダ付けした経験は今までなかったがなんとか出来た。。。）
そして改造後のロータリーコマンダーの抵抗値は以下の通り；

R1::(SOURCE)　ジャンパー
R2:(ATT)　　　　ジャンパー
R3:(LIST)　　　　ジャンパー
R4:(AMS+)　　　ジャンパー
R5:(AMS-)　　　300Ω
R6:(VOL+)　　　600Ω
R7:(VOL-)　　　1.0KΩ
R8:(SOUND)　　オープン
R9:(MODE)　　　オープン

尚、各ボタンでの最終抵抗値はその前の抵抗値の合算となるため、VOL(-)での合計抵抗値は300+600+1000=1.9KΩである。1.9KΩなら、上記のトヨタモードでの調査結果1.20K～6.50KΩの範囲内となるため、VOL(-)として動作するといった具合である。

R1～R4をショートさせているため、幾つかの関係ないボタンでもトラック(+)となるがそこはご愛嬌という事で。

出来上がったロータリーコマンダーを写真の場所に両面テープで固定。これでまた左ひじをコンソールにつけながら運転中に左手がロータリーコマンダー上に自然に来るので楽に操作が出来る様になった。
ステアリングコラム側に付ける方もいらっしゃいますが、我が家では助手席に乗った息子がよく曲を変えたりするので、この位置であれば彼も簡単に操作出来るのでベストである。
残念ながらSDやUSBオーディオのフォルダ変更の操作はリモコンで出来なくなったが、まあとりあえずよしとしよう。