次世代車の本命は「燃料電池車」か「EV」かという議論は不毛
自動車アナリストの中西孝樹氏に聞く
の中で以下の、発言/記載がありました。
中西:EVが勝ち組になった場合、日本は食べていけるのかという問題があります。EVは組み合わせ型の技術です。一方、燃料電池車は大きな付加価値があって、バリューチェーンが広がる特異な産業です。だから日本の勝てるチャンスは大きい。
というくだりがあった件で、
どうも腑に落ちないために、調べたところ
面白いことが判りました。
ある講演資料の中に、同様な記載があったのです。
「自動車産業は、すり合わせ型産業としては今は強い国際競争力を持っているが、電気自動車の時代が到来すれば、アーキテクチャーがモジュラー型に変化し、急速に没落する危険がある。
(東大 妹尾堅一郎)」

残念ながら、どこからこの資料を発掘したのか?記録を残していなかったので、
再度調べたのですが、再発掘できませんでした。(T_T)
ただ、妹尾堅一郎氏とは?どの様な方か?調べると、
妹尾堅一郎(せのけんいちろう) プロフィール(2014.06.01現在) をご参照ください。
そして、誤解の源を見つけました。\(^_^ )
日本の自動車産業が危機に直面する理由
電気自動車到来の意味を見誤ってはならない(日経ビジネス 2010.10.8)
「電気自動車になれば、摺り合わせなど必要なくなる。
高度ではあるけれど、クルマは単純で独立性が高い部品を標準的な調整だけで簡単に組み合わせて作ることが可能な製品になり、その結果、業界では確実に水平分業が起きる」と妹尾氏は見る。
と仰っていた。(コレが根源だ)
ただ、本当の彼の真の主張はココから
「インドなどの新興国の消費者の大部分にとって必要なのは何百キロも走れる内燃機関のクルマではない。あくまでも運搬手段、移動手段としてクルマだ。そう考えれば、価格さえ手頃になれば最初から電気自動車が一気に普及する可能性は高い」と妹尾氏は指摘する。
-中略-
そして、「何より重要なのは、その新しく大きく成長する可能性のある電気自動車市場で、日本企業がどう持続的に収益を確保できる事業戦略モデルを描くかだ」と強調する。
電気自動車の場合、電池そのものの競争力から電池やプラグの設計に関する標準化はもちろん、電気自動車を核にしたどのようなビジネスモデルを描けば収益を確保し続けられるのか、いわゆる事業モデルの構築そのものが今まで以上に重要なカギを握る。まさに妹尾氏が今回の著書で指摘する日本企業の弱点ともいう部分を、日本の製造業で競争力を誇る最後の砦とも言われる日本の自動車産業が問われているというのだ。
というのが、妹尾堅一郎氏の本当の主張だったりする。
(細かいところでは、沢山ツッコミ所がありますが、大した話しじゃナイので置いておきます)
・・・自動車アナリストの中西孝樹氏は、話しを断片的に聞いていた様です。
・・・でも、記憶力系のテストで高得点を採れても、仕事ができない方の例ですネ。(^^;
・・・まさに、「見誤ってはならない!」
とは言え、妹尾堅一郎氏は、
「電気自動車の時代が到来すれば、急速に没落する危険がある。」とお考えだった時期があり、
また、「電気自動車はアーキテクチャーがモジュラー型」とお考えの様です。(^^;
・・・時間とともに変わったのか?(わかりません)
・・・でも、モーターを変えれば、サスペンション他にも影響がアルでしょうに、擦り合わせないとネ(^^;
・・・問題の本質が、ココでもズレている。(T_T)
・・・もしかすると、単語/名詞を間違えているダケ?かも知れない?
ただ、電気自動車だからモジュール開発で、ガソリン車だから擦り合わせ型だ、などと
ステレオタイプな議論の対象では、そもそもナイ!と考えます。
※ガソリン車だって、エンジンのバリエーションを作って、載せ換えるでしょ!
細かくは他にも変えていますが\(^_^;基本は同じ\(^_^;
一方で、自動車開発の潮流は、「モジュラー化」です。
VWのモジュール化が進んでいる訳
自動車業界で進むモノ造り簡素化(日本経済研究センター)
マツダは、「機能統合型モジュール開発」と呼んでいるらしい。
では、CX-5を他社が容易に作れるか?⇒作れまい!
競争力が、ナイわけナイでしょ!
しかも、SKYACTIVEシリーズの新型車を次々と世の中に出している。
スゴくない?\(^_^ )
要は、「簡素化して、開発を早め、品質を高め、多く販売したい。」のですネ。\(^_^ )
ICTシステムも一緒。
「基幹ITシステムを開発するのに、隅々まで手作りで高品質・高性能にするので、2年ください。」
と言おうものなら、
「一昨年来てください。」と言われる。(^^;
モジュール型だから明日がナイとか、擦り合わせ型であれば良い。
という話しでは、本来ナイ。
私は、本当に必要なのは、「システム・エンジニアリング力」だと思う。
それが、
上手く出来ている例が、アウトランダーPHEVだと、私は勝手に思っている。(^^;

(モジュール型開発ではナイのでしょう、妹尾堅一郎氏の定義から言えば、ですが(^^;)
でも、機能モジュールが存在し、それらが統合制御されている。
(ブロックダイアグラムが書けている)
他社にナイ、容易にマネができない、一つのシステムになっている。!
コレこそが、エンジニアリングの醍醐味ではなかろぉか?(^^;
「EVが勝ち組になった場合、日本は食べていけるのか」
という話しが、こんなに長くなってしまい、ごめんなさい。m(_,_)m
P.S.
ただ、トヨタさんも、「EVはコモディティ化するから本格参入しない。」
とか、似た事を仰っている様です。
「見誤ってはならない!」
Posted at 2014/09/05 12:41:44 | |
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次世代自動車 | 日記