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イイね!
2014年08月04日

前後荷重移動とブレーキング

前後荷重移動とブレーキング 基礎編ばっかでつまんないと思いますがね。



続けますw




ブレーキチューンを考慮するに当たって、もうひとつ重大なファクターがあります。



それは、荷重移動。

ブレーキング時にはかならず前後の荷重移動が起こります。
ブレーキの前後バランスを決定するに当たっては、この荷重移動分を必ず考慮しなければなりません。


今回は、制動時の荷重移動量の計算について説明したいと思います。




ちなみに、ブレーキング時の挙動は、サスペンションセッティングや、ロール剛性の影響をもろに受けます。
いくらアンダーが強い車でも、リアに極端に硬いバネを入れたり、リアタイヤをいわゆるドリケツタイヤにすれば、簡単にケツが出ますし、すーぱーテールハッピーな楽しい車が出来上がります。

しかし、タイムアタック車両として考えた場合、リアのハイレート化やタイヤの変更は思いっきりトラクションを下げる方向になってしまいます。

考え方としては、ブレーキを適正なバランスまで合わせ、それからサスセッティングを詰めることで、立ち上がりでのトラクションを犠牲にすることなく、進入(ブレーキング)で向きが変えられる車が作れるんじゃないかとかそんな感じで考えています。





えーとまずー。

S13シルビアで説明します!


S13シルビア
車重:1140kg
前軸重:610kg
後軸重:530kg
車両重心高(推定):500mm
ホイールベース:2475mm

13軽いなー



制動時の荷重移動量は、ブレーキバランスに関係なく、制動Gと、重心高、車重およびホイールベースから求められます。


制動Gは、その限界が路面とタイヤの摩擦係数に依存しますが、普通の路面で新品ハイグリップラジアルを使ったとき、最大で1Gくらいと思ってください。はっきり調べてないのでアレですが、多分1Gくらいは出るんでしょう。


まあまあ強めのブレーキングで0.5Gくらい。
普通の町乗りのブレーキで0.2とか0.3G

ウェットなら、ロックする限界で0.5Gとか。
スノーなら、同じくロックする限界でも0.3Gとか。





さて、改めて荷重移動量。

制動時にリアからフロントへ移動する荷重は、

(車重W×重心高H÷ホイールベースL)×加速度G
で求められます。

式前半は、車両サイズによって(だいたい)固定の値で、S13の場合は、

1140kg*0.5m/2.48m
=229.8kg/G(単位がはっきりしないので適当w)

になります。



これに、Gを掛けると、


ドライ路面のフルブレーキングで、

229.8*1.0G=229.8kg



ウェット路面でのロック寸前で、

229.8*0.5G=114.9kg

この重さ分が、前後に移動します。







ドライのフルブレーキングの場合の前後荷重は、

フロント荷重
=610kg+229.8kg=839.8kg

リア荷重
=530kg-229.8kg=300.2kg


ってことですね。



制動Gを横軸、移動する荷重量を縦軸にしてグラフにすると、



こうなります。







で、制動Gとその加速度を発生させるための制動力との関係を式にすると、

制動力F = 制動G * 車重W

となり、グラフに起こすと、



こうなります。

1140kgの車体を1Gで止めるには、1140kgfの力が要るってことですね。

合ってるかな?単位系は若干あやういww






で、その総制動力をフロントとリアに理想的に振り分けてグラフにすると、



こんなかんじ。



つまり、ブレーキングによる荷重移動に合わせて、フロントのブレーキはより強く、リアのブレーキはより弱く変化させることが出来れば、理想的ということ。

あくまでも理想は。ですけどね。




さー盛り上がってきたところで続きは次回ー!


ワクワク。
ブログ一覧 | 駆動ブレーキ足回り | 日記
Posted at 2014/08/05 23:05:06

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この記事へのコメント

2014年8月9日 2:53
こんばんは~、興味深く拝見させてもらっています。。(#^.^#)

前後理想制動力のグラフについて質問があります。。
前後荷重配分についてはいずれも線形式になると思いますが、この配分グラフが非線形になってるのはトライズさんが何か意図的に式を当てはめているんですか?あるいは基礎式みたいなのがありますか?

もう一つは、理想はフロントの配分が逓増、リヤが逓減となってるんですが、タイヤってある程度荷重が載りすぎるとそれにグリップが比例してこなくなると思います。なのでフロントが逓増してしまうとロックしてしまう気がするんです・・

なので理想のブレーキバランスを考えるにあたってはGもさる事ながらもうワンクッション、タイヤの荷重とグリップ能力の関係に従属するんでないかと思ってみましたが如何ですかね??(=^ω^=)

おそらくトータル制動力に極大値みたいなのが存在するんじゃないか?と妄想してるのですが・・
コメントへの返答
2014年8月9日 19:22
コメントありがとうございます。

理想制動力のグラフについては、他の公式を元にだいぶ悩みながら計算したのですが、手抜かりもあるかもしれません^^;

グラフの計算式は次のとおりです。


・制動G毎の前後理想制動力について。

フロント側の理想制動力は次式より求めました。

Bf=フロント理想制動力
α=制動G
Wfs=静止フロント荷重
Wf=動的フロント荷重
ΔW=前後移動荷重

フロント理想制動力=
Bf=α*Wf ・・式1
=α*(Wfs+ΔW) ・・式2

W=車重
H=重心高
L=ホイールベース

前後移動荷重=
ΔW=α*W*H/L ・・式3

式2に式3を代入すると、
Bf=α*(Wfs+(α*W*H/L))

となります。
荷重移動分ΔWも、理想制動力Bfも、制動G(α)が係数になっているので、グラフにすると非線形になるのだと思います。



式1を他のアプローチから証明するとすれば、

Wf=動的フロント荷重
Wr=動的リア荷重
Rf=動的フロント荷重比

動的な前後軸重Wf:Wrを比率に直して、
動的フロント荷重比Rf=Wf/W ・・式4

ある制動Gを発生するために必要な制動力=
B=α*W ・・式5

フロント理想制動力=
Bf=B*Rf ・・式6

式6に式5、式4を代入して、
Bf=α*W*Wf/W
=α*Wf ・・式1に等しい。


といった感じで合ってますかね(汗


フロントの荷重増加とブレーキの逓増については、確かにタイヤのグリップ等をもうすこし考慮するべきなんですよね。
それらの要素を含めればより実物に近い状態を再現できるのですが、かなり式が複雑になりそうでして、、、、
この点は今まさに裏で頭を悩ませているところです。

トータル制動力の極大値については、解釈があっているか分かりませんが、たとえば、4輪で理想的に制動すれば1Gの加速度を得られるのに、フロントタイヤが先にロックしてしまって0.8Gまでしか出ない。といった現象は計算式にすることが出来ます。

そのあたりも後ほどグラフにしてみます。
2014年8月10日 16:50
こんばんは、コメント遅くなりました。式等・・開示ありがとうございます。(=^ω^=)/
只今やってみたんですが・・式の計算は合ってると思います。問題(違和感?)は、初めにおいた理想制動力が・・

"Bf=α*Wf ・・式1"

で書けるってことだと思うます。同義でリアは、Br=α*Wr ・・式1' となると思います。
この意味は何かな?って考えると、フロント・リアの制動力は各動的荷重を、減速Gの割合だけ制動力に使おうってことですよね。例えば0.5Gなら各動的荷重の半分を制動力に・・
1Gなら各々全部・・・てな感じかと思います。

僕もグラフ書いてみました。。
https://lh5.googleusercontent.com/-CNgqLB2z_9k/U-cYuxpiUFI/AAAAAAAAOhk/iLJ13HF5ERY/s640/BrakeBlance.jpg

減速Gに基づいて荷重を超えない範囲でフロントリアからそれぞれ制動力を出し合ってるんですよね。ここで、挙げられたS13の諸元を元に計算してみると・・

例えば0.5Gのときに・・
要求制動力: 570kgf
前輪動的荷重: 725kgf
後輪動的荷重: 415kgf
理想フロント制動力?: 363kgf
理想リア制動力?: 207kgf

ってことになるんだと思います。。
さてここで、要求制動力を得るためにこれだけしかないか?といえば・・

フロント: 400
リア: 170 でもいいですし・・

フロント: 200
リア: 370 でも・・

でもよくないですか?前を利かしても後ろを利かしても、タイヤがロックせずに同じだけの制動力させ得られれば良い気がしてならないです。かつ単純な車両モデルであれば減速に関しては、どのケースもなんら変わらないのではないかと思います。。
なので理想曲線とそうでない場合・・なにか変わりますかね?車両が同じように止まる・・ただそれだけのことだと思うんですよね。。(^_^A;

なので、"理想"というより簡便に必要条件を満たすように作為的に作ったモデル式ではないかと思うんです。。>、<

一応作ったシートをココに上げておきます。(-^□^-)/
http://firestorage.jp/download/8c79a205512071969edb70b43744678c30190fa8

コメントへの返答
2014年8月10日 23:04
返信ありがとうございます(`・ω・´)

理想配分を"理想"と呼ぶのは、少し語弊があるかもしれませんね。


トライズ的理想値と呼ぶべきでしょうか。あくまでも、個人的な理論に基づいてこうだったら良いなー程度のものですし。

でも、別に僕が編み出したと言えるような真新しい理論では到底無いので、名前が付いちゃうのはいささか抵抗が(汗


"基本"制動配分
とか
"目標"制動配分
とか

そんな言い方のほうがしっくり来るでしょうか(^^;)




さて、なぜ理想制動力配分を"理想"とするかには2つの理由があると考えています。



一つには、低μ路の制動において制動力を最大限に生かせるからです。
当然のことですが、ブレーキの物理的な前後バランスは路面μには左右されないので、一度決めてしまえば、どんな状況でも、同じブレーキバランスで走ることになります。

今回の目的は、サーキットでのタイムアタック車両のブレーキバランスを考察することですから、ドライ路面に限定したセッティングでも構わないわけですが、ちょっと欲張ってローグリップタイヤやウェット路面でも同じように走りたいと考えています。


車両の制動時に発生する最大制動Gは、空力的な要素を全く考慮しなければ、タイヤ-路面間の摩擦係数を超えることはありません。

つまり、路面μが0.5のウェット路面では、4輪の制動力をフルに発揮しても0.5Gは超えられないという計算になります。


少しデータをお借りしますが、
路面μ=0,5の時

0.5G時の動的フロント荷重=
Wf=725kg

フロント側で発生しうる最大制動力=
Bfmax=Wf*μ
=363kgf

として、この場合に例えば、

フロントに400kgf
リアに170kgfの制動力を与えようとすると、

フロント側は、最大制動力<要求制動力となってしまい、タイヤはロックしてしまいます。

ロックしないぎりぎりの、363kgfをフロント側に与えた場合、リアのブレーキ力は、

Rf=前側ブレーキ比=400/(400+170)=0.70
Rr=後側ブレーキ比=1-Rf=0.30
Bf=フロントブレーキ力
Br=リアブレーキ力

Bf=363kgf

Br=Bf/Rf*Rr
=156kgf

となり、

総制動力=
B=519kgf
となります。

これを、車重W=1140kgで割ると、
制動G=B/W
490/1140
=0.46

0.46Gを最大として、フロントタイヤがロックしてそれ以上の加速度では減速できないことになります。


(注:制動Gが下がる分、前後荷重移動量も減りますが、ここでは考慮されていません)


よって、各路面μで最大限の制動力を発揮するためには、理想制動配分グラフで示されるような、動的荷重比に沿ったブレーキバランスが理想ということになります。





もう一つの理由は、減速時におけるコーナリングフォースの前後比が均等になるからです。

前提として、コーナリングフォースの前後比はサスペンションセッティングによって大きく変わるので、ブレーキバランスはあくまでも暫定でしかありませんが。


それと、このコーナリングフォースうんぬんは、しっかり式を立てて解析しているわけではないのでかなり概念的になりますが・・・


μ=1.0の路面で0.5G制動をする場合、もし、各動的荷重に沿った前後バランスでブレーキを作用できるとすれば、グリップ力的な余裕は前輪後輪共に、等しく50%残っているはずです。

それらグリップの残り分を完全に横Gに振り分ければ、車両はアンダーもオーバーも出ることなく、ニュートラルな旋回ができるはずです。

こうした状況が、タイムアタック車両において、高速コーナーでの安定性に貢献するんじゃないかと思うわけです。




なお、旋回制動においても車両特性はニュートラルが良いのではないかというのは、あくまでもトライズ(が好きな)理論です。

実際には、横Gがかかった状態でブレーキを踏むのは旋回半径が大きすぎる場合(曲がりきれないと判断したとき)なわけですから、ブレーキを踏んで多少巻いてくれたほうが(オーバー側にヨーが発生してくれたほうが)良いんじゃないかとも思いますけどね。

そのへんはドライバー好みにあわせた微妙なセッティングということで、最初の目標値は理想制動配分曲線に沿わせればいいんじゃないかなーと思うわけです。



とりとめのない回答で申し訳ないですが、ぜひまたコメント入れてください。
お待ちしております。
2014年8月11日 15:14
トライズさん・・なるほど、そうすると理想制動曲線は不確定な路面μに対して最大限の制動力を得られる配分ということですね。

実走行においては4輪ロックを目安に確かめれば良い感じですかね?(=^ω^=)/
コメントへの返答
2014年8月12日 22:50
そんなかんじですね。

もし計算通りのバランスでブレーキを組めたとすれば、4輪は同時にロックする筈です。

実際に組んで走った感じではやはり誤差があるなーと言った感じですが、割といいセン行ってましたよ!

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