
はいどーもー。
先日のニューブレーキセットの実走テストは、イマイチな結果に終わりました。
結構気合入れて前後のキャリパーを決定したのに、リアが強すぎて先にロックしてしまう!なぜだ!
勘の鋭い方は既にお気づきかと思いますが原因は、そう、Pバルブです。
Pバルブの解説についてはこのあたりからどうぞ↓
Pバルブについて1
F50キャリパーの流用を計画した当時、ブレーキは前後バランスの改善が最優先事項と考えていたため、とにかくキャリパ前後バランスそのもの(Pバルブが作動しない領域の前後バランス)を理想に近づけることに執心しておりました。
ですが、スプリットポイントの作動点にはあまり関心が払われず、どうせ純正状態とそんなにかわらないだろうと考えていました。前後バランスはあくまでも比率なのだから、純正で0.6G付近でPバルブが働き出すなら、バランス変えても0.6G付近がスプリットポイントになるだろうという甘い考えがあったわけです。
しかしここに落とし穴がありました。
Pバルブの作動点(スプリットポイント)はあくまでもブレーキシステムの油圧なわけです。
車体を軽くしたり、ローターをでかくしたりすれば、当然小さい油圧でも車を止められるようになるので、かける油圧が同じであっても、減速度(発生G)は大きくなります。
そこで、スプリットポイントをどこに持ってくるか(通常は、0.4G~0.7G制動が行える付近に設定し、それよりも高い制動Gが発生する領域=前後荷重移動が過大な領域でリアの制動力を下げるのが効果的)は、車重と、ブレーキシステムそのものが発生しうる制動力から油圧を逆算して計算しなければいけません。
改めて、S15のブレーキバランスを油圧でグラフにすると、こんな感じになります。
この条件では、フロント油圧(マスターシリンダ油圧)が75kg/cm2付近で1G制動を行える計算になります。
スプリットポイントの油圧は40kg/cm2で、この圧力を前後ブレーキにかけて得られる制動力を加速度として表すと、発生Gは0.6G付近です。
油圧配管ならびにブレーキホースの耐圧には限界があるため、1G制動時(タイヤを目いっぱい使ってブレーキングする時)のブレーキシステム油圧は大体どの車両も似たような値になるように設計されているはずですなんですがー。
チューニングカーのような軽量化かつブレーキの強化された車では話が変わってきます。
改めて、VEシルビアの油圧を計算して見ると・・・・
車重がドライバー含めて約1150kg
Fブレーキ、Rブレーキ共に大型のものに変更されている・・・・
Pバルブは純正と同じSP40kg/cm2、RR0.4
1G制動時のマスターシリンダ油圧は、
53kg/cm2 !
だいぶ低いです。
スプリットポイントが40kg/cm2だと、計算上は0.8G以上でないとPバルブは働きませんw
もともと0.5G付近でPバルブを作動させるつもりで前後のキャリパーを決めたので、下手をするとPバルブが開く前にリアタイヤのロック限界を超えているかもしれません、、
※ブレーキセット案2のグラフとも比較してください。
S15ブレーキセット案2
いやーこりゃだめだわwww
ブレーキの大型化で、ブレーキシステムの油圧そのものがこれほど変化するというのは盲点でした。
システムの耐久性から言えば、油圧が下がるのは大歓迎なのですが、ちゃんと計算するのは大事って事ですな。
計算ミス反省。
さて、そんなこんなで白羽の矢が立ったのが、Y32セドリックのマスターシリンダ。
いくつか種類がありますが、TOKICO製、16/16インチ、PバルブはSP30kgRR0.4のものを選択。
シルビアのPバルブと比べると、レデューシングレシオは同じで、スプリットポイントだけ低くなります。
ついでにマスターシリンダ径も1サイズ大きくなり、これでブレーキのONOFF感が少しでも減らないかなーというもくろみ。
リザーバータンクはシルビアのものと形状が違うので、引っこ抜いて移植します。
左がY32、右がS15用。
フルード残量センサーのコネクタ向きも違う。
ちなみに、前回テストした時(S14マスター)のブレーキバランスと、Y32のマスターシリンダに変更後のバランスグラフがこちら。
フロントブレーキ:ECR33
リアブレーキ:F50
パッド:ENDLESS TypeR
車重:1150kg
いやーひどいwww
さー改めてテストテストー!!
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駆動ブレーキ足回り | 日記
Posted at
2014/11/17 22:26:03