「国産最後のピュアスポーツ!?」
<総評>
走りに不要なものを徹底的に排したパッケージングとスタイリング、それがこの車の全て。
今の時代だったら、量産メーカーの出す車として、ここまで尖った車は商品として成り立たないでしょう。一般人がフツーに買って維持できるスポーツカーとしては、不世出の名車であり、今後もじっくり付き合っていきたいと思います。
<インプレ>
・エンジンは、前車EP3のK20Aと比較すると、常用回転域(1500〜3000rpm付近)でのサウンドはゴキゲンな勇ましさですが、吹けのスムーズネス、パワー感etc.、スポーツエンジンとしての性能は正直言って一歩を譲る気がします。カタログスペック上はこっちの方が27psも上なのですが、少なくともそのアドバンテージは感じない、というのが正直なところです。
・しかし、特に低回転域で厚めのエグゾーストノートを奏でる点と、同じく低回転時に、K型にはない鼓動感のある回り方をする点が特徴で、いかにも「原動機!」という情感、味わいがあります。このような特性は、たとえばオープンにしながら郊外の国道を巡航ギアに入れたまま流す、といったシチュエーションにもぴったりで、後期型のS2000のキャラクターをよく表していると思います。
・とは言え、もちろん、ブチ回したときのフィーリングはホンダの高性能VTECエンジンのそれです。このエンジンはまだ「i-VTEC」になる前のエンジンなので、ハイカムに入った瞬間のトルクの「段付き」がはっきりとあり、よく言われるところの「2段ロケット」的な加速が味わえます。
・6速マニュアルのギアボックスは、「コクコク入る」というより「ガコガコ入る」という感じ。ちょっと男っぽいフィーリングです。クラッチは軽すぎず重すぎず、ですが、繋がりが穏やかなので街乗りで非常に扱いやすい点は○。
・最も舌を巻くのはボディの剛性で、これはハッキリ言ってオープンカーの常識を超えています。たとえば不整路のワインディングロードでは、剛性の低いクルマは路面からの入力も操作に対する反応も曖昧で、安心して走れないものですが、このクルマはオープンカーのくせにそういう曖昧なところが全くなく、ワインディングロードがめちゃくちゃ楽しいです。
・参考までに、平均燃費は4年と4万kmを走って、10.6km/L(2013年10月、4.2万km走行時点)。前車シビックは2.5万km走って11.3km/Lだったのですが、排気量が増えた割に、燃費は健闘していると思います(最近乗り方が大人しくなったせい…?)
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<諸元>
【車名・型式】 ホンダ・ABA-AP2
【製造】 2009年6月、ホンダ鈴鹿製作所
【全長×全幅×全高】 4,135×1,750×1,285mm
【車重】 1,250kg
【駆動方式】 フロントエンジン、縦置きRWD
【エンジン】 F22C型 2,156cc 水冷直列4気筒DOHC
242ps/7,800rpm、22.5kg-m/6,500〜7,500rpm
【トランスミッション】 6速マニュアル
【タイヤ】 F: 215/45R17、R: 245/40R17
Bridgestone Potenza S001(3.8万km時に交換)
【ホイール】 アルミホイール(純正)
【サスペンション】 F・R: ダブルウィッシュボーン/コイル
【ブレーキ】 F: ベンチレーテッド・ディスク、R: ソリッド・ディスク
【ステアリング】 ラック&ピニオン、パワー
【燃料、燃料タンク容量】 無鉛ハイオク、50L
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<azumax号仕様>
・プラチナホワイト・パール(オーダーカラー)/ブルー幌
・レザートリム(FOP)
・三洋ゴリラ(NV-SB540DT)
・DICE iPodインテグレーションキット
・純正フロアマット
・ナビとiPod対応機能のみ付加、あとはオリジナルのまんま。今後もこの仕様でいくつもり(そもそも、アレコレやる金がないんです……)