懐かしい友人と

ある偶然から、
ある懐かしい人と会うことに。

きっかけは昨年の夏だったと思う。
ある先輩から彼の事を聞き、
「彼と久しぶりに会って一緒に呑まない？」　と声をかけられた。
彼を見つけた先輩が仲介をかって出てくれたのだ。

その偶然は、まさかと思えるくらいに僕を驚かせ、
久しぶりに会える喜びで僕を興奮させた。

その懐かしい人は、二十代初めのころ僕と職場を同じくし、
共に仕事で苦労した仲だった。
（その頃はバブルで、仕事はいくらでもあり、徹夜を週に一度はしていたくらい。僕らは安い給料でこき使われていた。社会人としては未熟で無知な私にとって、ただ会社の都合でいいように働かせられていただけで、収入はとても低く、だからバブルなんていい想い出は全く無いのである）

彼は職場を僕と同じ日に辞めた。彼が辞めたのは、僕が辞めた事も少なからず彼に影響を与えていただろうと思う。僕が退職を申し出た一時間後には彼も退職を申請していた。
辞めた日に彼と二人で一緒に呑みに行ったことを今でも憶えている。

しかしそれ以来、彼とは会ってない。お互い仕事は別々のところへ。

それから１～２年経って、僕はある行きつけのお店で偶然から彼の名前を聞き、そのせいで彼に無性に会いたくなり、連絡を取ろうとした。
しかし連絡先までつきとめたのに、彼のある事情を知り連絡を取るのを諦めた。

彼の事を少し紹介…。
彼は僕より一つか二つ下の歳だった。
ものまねが上手で、シモネタが好きで、背が高くて、可愛い彼女がいて…
いつも周りを笑わす事を考えていた。もし彼が居なかったら、僕らはまるで死人のように黙って仕事をしていたのだろうと思う。だから彼の事はその職場を辞めてからもずっと忘れられなかった。


世間は狭い。　　というより、この業界は狭い。
何年も経っているのに、彼は同じ業界にいた。
そのおかげで、彼との再会のきっかけを得られた。



1/19（土）、彼と再会。

なんと１７年ぶり。


積もる話で呑み屋で４時間以上。






あの頃と変わらぬ彼と出会い、嬉しかった。

時は１７年前にさかのぼり、

僕を２０代にしてくれた。