
この時間までにわかっている事。
・青葉なる犯人の生活や足取り
・死者33名
・山田尚子監督は無事
・だが、他の監督の安否不明
といったところ。
私は
「動画工房があればいい」という偏った人間。
だから、
けいおん!も
ハルヒも、別に好きではない。
が、
甘ブリや
中二病、
らき☆すたや
メイドラゴンは楽しく視聴していた。他にも
たまこまーけっととか
響け!ユーフォニアムも
名前を挙げたらキリがないほど、良作・名作を生み出した会社、仕事が丁寧な会社だな、という印象。
報道でなされているように、この会社は
「東京にいなくても、良い仕事は出来ることを証明」
「制作全般において、自己完結できる態勢」
「とかくブラックさが揶揄されるアニメーション業界において、数少ない非ブラック企業」
だったと思う。
ジブリが大衆受けを狙ってハイリターンを目指すのに対して、京アニは「アニオタのツボを押さえて、限られたパイの多くを集める」印象。
両者に言えるのは、上に書いたように「アニメーターを多数抱え、納期さえ気にしなければ自社ですべて制作できる態勢」、その体制を支えるためのジブリ美術館であり、京アニショップなのかな、と。
今回の事件で、心も体も満足な状態で復帰できる方は、恐らくごく少数だろう。
そのことで、京アニのみならず業界全体がかなり不安定な状態になると、個人的には考えます。
それは
・上記と矛盾するようだが、京アニでも下請けに仕事を受注はする
・社員の半数が不在、なおかつ本拠地を喪った今、何らかの作品を作るにしても多くは他社同様のシステムで外注化されるだろう
・それをせず、あくまで自社で多くを賄うのであれば、同業他社から多数のスタッフ引き抜きが必要(=クオリティや会社存続のためには、新人を育てる余裕などない)
・と、なれば、優良な国内外の下請けは京アニの仕事を優先するだろうし(=今回の悲劇への支援および、非ブラック故ハイクオリティが求められても実入りが大きい?)、引き抜きがあれば他社の能力も下がる
・そうなれば、現状ですら供給過多・粗製濫造と言われている日本のアニメーション業界において人手不足がさらに悪化
・納期の問題や低レベルな海外スタジオへの受注により「その域に達していない」作品や、そもそも納期すら間に合わない作品すら出てくる可能性(=昨今でも「いもいも」のような作画崩壊、ろんぐらいだぁす!のような「物語序盤ですでに納期に間に合わない」作品があるというのに・・・)
・業界全体の信用低下、業績悪化の可能性(=京アニと一切関係ない制作会社が「連鎖倒産」?放送数を絞る事により質の低下を防ぐ事は可能だが、それは仕事数の減少になる)
こんな話、みんカラに書く必要が?
いや、そうじゃない。
凶器は、ガソリン。
既に一部で報道されていますが、あれだけの火災になった原因は『爆燃』。
灯油や軽油と違い、ガソリンの怖さは「揮発性」。
ガソリンそのものの燃焼より、気化して空気と混合された状態が、一番危険。
あの狭い空間にガソリンをぶちまけた事により気化され、そこに火を入れると・・・エンジン内部で起こっている事と同じ。
そこに来て、スタジオにあったらしい螺旋階段。
階段がチムニーとなって上層階に煙が向かった事は容易に想像できる。
屋上の扉が開いたとしても、何名かは助かったかも知れないし、結局死因がCO中毒から焼死に変わっただけかも知れないので、そこは言わないでおく。
一番の問題は、近所のガソリンスタンドがジェリ缶(携行缶)に40Lも給油した(させた)事実。現在、多くのガソリンスタンドでは『携行缶への給油禁止』とされているのではないか、と思っていたが。
ガス欠ならば4Lもあれば充分、そもそもそれ以前にエア噛みで始動すら出来ない可能性も。発電機に使うにしても20Lあれば余るぐらい。
この事件を受けて、業界の自主規制ではなく、正式に法律で『携行缶への給油禁止』しよう、という話が参院選後に出てくるだろう。
農薬などと同様に、本来ならば携行缶給油の際には身元確認をする、などの対策が必要だったのかも知れない(その対策で今回の事件が防げたかどうかは、また別の話)。
現時点では『スプリンクラー設備、消火・防火設備が法律上必要ない』設備において、このような凶行がなされたならば、多数の死者が出る。それが事実。
例えばバスや鉄道で行われれば、ハメ殺し窓からどうやって脱出できるのか?
例えばレオパレス的なアパマンならどうか?
例えばいまだに地下迷宮のような作りのカラオケボックスやネカフェ的な施設は?
もし、京アニのような「事務所」や、上記のような「集合住宅」「営業施設」に、スプリンクラーや防火扉設置などの対策が必要になれば、日本経済は大変な事になる。
対策をしないならば、今回のような凶行がまた繰り返される可能性もある。
単にアニオタが悲嘆しているだけの話、コップの中の嵐、ではない。
無駄に年取っちゃった、ただのアニオタおじさんでしかない私に、京都アニメーションのために何が出来るのか、現時点では全く思い浮かばない。
ある程度現場が落ち着いて何らかのアクションが起こされ、それにファンがレスポンスする状況になったら、改めて考えたい。
大ヒット作品・一大ムーブメントを起こした作品があれど、決して大もうけしてきた会社じゃない。ここで足踏みすることで経営に問題も出てくるだろう。ましてや自社ビルが焼失しスタッフも喪い、彼・彼女らへの補償も必要なのかも知れないし。
短期的にはファンの財布が買い支える事は可能でも中長期となると・・・どうか、『京都コネクション』の皆さまには、バックアップをお願いしたい、と、切に願う。
※京都コネクション=KYOTO CONNECTION、ではありません。
京セラ・任天堂・ワコールなどの京都の大企業群のこと。かつて童夢(=アニメ会社の、ではなく全日本F3000などに参戦していた企業)の林みのるさんが、そう称していたので
最後に・・・お亡くなりになられたスタッフ・家族の皆さまへの哀悼の意を表すとともに、今も治療を受けている方々の一日も早い回復をご祈念して、この項を終わります。
追記/書くかどうか迷ったけど・・・この事件のヤバさは、頭のオカシイ人が事件を起こしたこと、ではなく、例えば『会社に、あるいは人に不満があり、道連れにしてやろう・殺してやろう』と普通の人が思い立ったときに、ガソリンを使えば簡単に再現できてしまう事だと思う。
正直、私も今日の仕事で非常に嫌な事があり、以前の『病んでる状況』であれば、燃やして全部リセットしようと考えたかも知れない。
もちろん今だって、模倣的にそうした事を考える人もいるかも知れない、という事。そして、それを防ぐ手立てがない、という事。
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Posted at
2019/07/19 18:52:29