コロナ自主隔離中以来の書き込み。
毎日書くぞー!と言っていたものの、政府通達で期間が短縮され事後処理やらで忙しく、五輪とかロシア関連とか書きたいことはいろいろあったものの時期を逃してしまった。
今回はサッカーの話。
開幕から連続引き分けの挙げ句、前節は鳥栖にコテンパンにやられたところで、コンサドーレに対して以前から思っていたことを書く。1/30に書いたブログと内容が重なる点がある点はご容赦を。
今季ここまでの戦いぶりについて
開幕の清水戦で、
前線でフォアチェックを受けるとビルドアップ出来なくなることが露呈。以後、全ての対戦相手が前半からフォアチェックしてくることに。ビルドアップから良い形で前線にボールが入らないから、
サイドのルーカス・菅・金子らが切れ込むことでしか好機を作れない。それが得点出来ない、とりわけFWが点を取れない最大の理由。
鳥栖戦で露呈したのは
90分間フルにオールコートプレスを受けた結果、最終ラインでのボール回しにも四苦八苦、苦し紛れにサイドに流したボールもカットされる。
敵将の川井監督が大量リードにも『ゆるめるな!』と指示したのも、今までの
札幌の対戦相手が『90分のプレスが出来ない』『そのプレスも前線のみ』『結果、後半に札幌の猛攻を受けることになる』ことへの対策だったのだろう。
鳥栖に根付いているサッカーは相手に走り負けないサッカーと考える。本来、
札幌は人もボールも動くサッカーを志向しているハズだが、いくら動いても
フリーでボールをもらえないために、早々に手詰まりになった。
結果、1トップ2シャドーの3人が下がってボールを受けるのだが、それをすることによって鳥栖の最終ラインが上がり広大な裏のスペースはGK朴一圭が埋める『理想の形』。
鳥栖から見れば、負ける要素がほぼなかった。
チャンスならざるシーンで先制点を許したのも印象的だった。元々純然たるDFを置かず『攻撃こそ最大の防御』『守備は相手に自由にさえさせなければOK』という、いわゆる
ミシャ式の欠点が如実に表れたシーンだった。
福森は『切れ込ませずクロスを上げさせた』。中の人数は揃っていた。でも競り合いの中で前に入られた。
誰も間違った動きはしていないのに失点するというのは、ひとえにシステムの欠陥でしかない。
前に入られる前にその選手をチェックしなければならない、人数が揃ってるならそこで勝てないDFとは?それ以前に福森の位置でクロスすら上げさせなければピンチにすらなっていない。
結果論になってしまうが
『自分達のサッカー』にこだわって勝ち点を失うことと、つまらなくても『勝つためのサッカー』で勝ち点を積み上げること、このバランスを今季は考えるべきだし、考えていると私は思い込んでいた。
メンバーを固定することは、相手からすれば対策がたやすいワケで
『相手に対策される苦境を乗り越えて勝利する』試練って、必要ですか?と。

例えば鳥栖戦。ベンチに
中島・ミラン・ドドと持ち味は違えど同系統のFWを3枚も残しておく意味と理由がわからない。この3枚はシステム上同時起用は(ほぼ)あり得ないワケで、実際にミランは出番がなかった。
全体的に前節・浦和戦の長いATの中での激闘の反動からか
動きが重く、とりわけ駒井・宮澤・福森は最悪だったと個人的には思う。
もっと言うなら
『もう駒井のFW起用は×だと去年からわかってる』『いくらバンディエラ(生え抜き)でも看過できない宮澤の走力』『元々福森は守備能力が高くない。コロナの影響残りかも知れないが、ファールでしか止められないならポジションを変えるべき』。
後出しと言われようと、あの試合は『名前や普段のお気に枠で先発に
興梠・駒井起用ではなく中島+ミランorドドを使うべきだった。そうすればボール回しが出来なくても放り込んで競り合うことで鳥栖は極端にラインを上げられず朴もPA外に出づらくなり、結果的にサイドにもスペースを作れたハズ』『0-1の後半開始前に
福森・宮澤を下げ、岡村大八投入+高嶺or菅を左ストッパーに持ってきて相手のフィジカルへの対策をすべきだった。そうすれば少なくとも0-5という無様な試合にはならなかった。プロにはプロの負け方というものがある』。
個人的な思い込みもあるだろうが、浦和戦で
荒野退場でひとり少ない中『勝てるかも?』と思えた理由は、中島と(福森の位置に移った)菅の縦横無尽な動きから。もう前節で答えは出ていた、と考える。とりわけ
『結果を出し続けている』中島を先発起用しない理由が私にはわからない。ミランにしても得点以上にポスト役や守備という見えない貢献度は高いと見る。ドドはロペス在籍時の働きを考えるとシャビエル・ルーカスのブラジル人と組ませてみたい。
そしてもうひとつ、荒野について
どうも彼には『乱暴者』のイメージがついているのか、前節の退場で相手のみならずコンサドーレサポーターからも
『もう要らん』『またコイツのせいで』『なんでこんな奴使うんだよ』、挙げ句には『疫病神が消えたから次(鳥栖戦)は勝てる』とか言う馬鹿も…息してるか?
一体どこを見ているのか?
まずあのファールは、もちろん故意ではない(する理由がない)。
荒野の長所と短所を考えれば良い。
長所…90分間走り回れるスタミナ。どこでも使えるポリバレント性。ピッチを俯瞰してポジション取りが出来る。
短所…元々FWの割にはパス・シュート精度が低い、とりわけパスに関してはピッチを俯瞰出来ているけれど独りよがりなパスだったり精度が低かったりするせいで、しばしばボールロストする。元々FWだったゆえ、守備はさほど上手くない。パスコースを切るのは上手いが、デュエルでは手足を使ったダーティーなやり方でしか止められない。
こう書けば、何故ミシャが積極的に起用する一方、カードコレクターになってしまうのかがわかると思う。
サッカーIQは高いけれど技術は低い、要は下手ってこと。頑張って練習して上手くなってくれ、ただそれだけ。アンガーマネジメント云々の問題ではないよ。
サッカーは、生き物(もしくはナマモノ)である
野球であれば長いスパンでチームを作ったり組み替えたりするものだが、サッカーではそうはいかない。3年スパンで考えた結果J1からJFLに落ちることもあり得る。もちろんそんなマヌケは居ないから、長期・短期両方考えで運営している(ハズ)。
ペトロヴィッチ体制も早5年目。
本来の目標を考えれば、既に☆のひとつやふたつ持っているべき時期。それなのに未だにミシャ式の浸透云々、成長云々と言っているのは如何なものか?もちろん、ペトロヴィッチ体制でなければ加入していない選手もいるし、
高みも見せてもらった、そもそも定着と言える期間J1にいられなかったかも知れない。
だとしても。
サグラダファミリアのように
『未完成だが美しい作品』を見続けらる寿命は私にはないし、もちろんペトロヴィッチ本人にもない。
以前から書いているように、私はイタリアの
カテナチオ戦術だったり、02年W杯の
アイルランド代表や15年E1の
北朝鮮代表のような
『長身FWに放り込んで押し上げるカウンターサッカー』が大好物の変態である。

だから正直、守備を軽視するペトロヴィッチのサッカーは好きではない。好きではないが短絡的に『もうおやめなさい』などと言うつもりもない。
しかし一方、年齢のことを考えても今後10年以上体制を維持出来るハズもなく、別れの時は遠くない未来にある。本来であれば、
既にタイトルを獲得して今年あたりに四方田修平が指揮を執っていたハズなんだ(まぁ『とらたぬ』だが)。それであれば、今季は間違いなく『タイトルを取りに行かなければならないシーズン』だった。
毎年FWが居なくなるものの、それ以外の選手には戦術が浸透する一方、先述の駒井・宮澤・福森ら札幌の屋台骨を支えた選手たちを筆頭に高齢化の問題が出てきた。大卒トリオの去就問題もあり、更にはヨモさんやノノさんまで消えた。間違いなく来季はそれらの影響を受ける。だから今年が現体制下では最大かつ最後のチャンスだったように感じている。
都倉・武蔵・ロペスが消えても新たな手法・新たな選手で対応出来た。今年はそうした引き抜きがないにも関わらず低迷している。
恐ろしい考えだが、もしかして
札幌の躍進を支えていたのは、ミシャ式ではなくジェイ・ボスロイド個人だったのではないか?もしそうだとしたならば…。
※チャナティップ・ソングラシンの移籍は、出場機会やスタイルの点で、そこまでの影響はないと考えている
いや、それは考えないことにしよう。
いずれにせよ『世代交代』をしなければならない時期には来ている。歌の歌詞じゃないが、一旦
積み上げたものをぶっ壊して身につけたもの取っ払っていかないと先に進めないのではないだろうか?
具体的に言えば
今までは『ある程度育った素材』を活かしてきたFW陣だが今季以降を考えれば
『今ある素材を育てなければならない』。前者の方法論で言えば、FWは興梠・シャビエル(荒野)・金子の固定となる。これでは先がない。先を見据えるならミラン・中島あるいはシャビエル・ドド・青木の同時起用をプランとして持つべき。興梠の起用がファーストチョイスであるならば、興梠を点取りに専念させるためにシャドーは荒野・金子・菅ら走れる選手を置くべきだが、その結果が現状であるだけに、私はどうかと思う。
結果論ではあるが、少なくともあの鳥栖戦で勝利するためには
『相手に走り負けない、のは無理としても、相手を走らせないために放り込み戦術の肉弾戦をする』しかなかった。それをするのにうってつけの3人のFW、とりわけサポーターの希望になっている
中島をピッチではなくベンチに置くことは、信頼度云々の話ではなく消極的・保守的な考えと言えるのではないか?
攻撃的な選手を置くことが攻撃サッカーで、守備的な選手を置くことが守備サッカー、ではない。
そこは野球と明らかに違うワケで、激しい守備でボールを奪えばチャンスになるし、圧倒的に攻め込んでもパスミスひとつで失点につながる。
個人的な趣味もあるだろうが、ボランチタイプの選手を最終ラインに配置する危険性がモロに出てしまったのが鳥栖戦だったと思う。サッカー未経験者だからピントズレかも知れないが、ボランチの守備は『相手の動きを限定する、場合によってはファールで止める』一方、DFは『ファールを犯さないのが絶対条件で、相手にシュートさせない・自由にさせない』ことが仕事。ミシャ式では本来
ボランチ(舵取り)の役目を最終ラインが行うのでボランチ型が合う反面、ボランチ型なのに守備の際にはDFの働きが求められる。
それであれば、少なくとも相手攻撃陣に対して高さと速さで負けないことが大前提なのではないか?しばしばキム・ミンテが不必要なファールでレッドカード貰っていたが、それはボランチとしての激しさをそのまま最終ラインに持ち込んでしまったからではないのか?そしてそれはミンテ個人の責任ではなく配置した側の問題で。
何を言いたいか。ハッキリ言えば
福森・宮澤を最終ラインに入れるには、限界があるのではないか?ということ。ファールでしか止められない福森、体を投げ出してボールを止める宮澤。2人の足の遅さは正直際立っている。
前線でフォアチェックを受け最終ラインでスピード勝負を仕掛けられたならば、もう今季は勝てないかも知れない。私はそれぐらい危機感を持っている。
ミシャのサッカーを信じれば勝てる、なんて宗教みたいなことを私は言いたくない。
個人的には展開力の弱さややらかしには目をつぶって、
対人に強い岡村を起用して欲しい。それが叶わないとしても、せめて福森・宮澤を1列上げて最終ラインは田中(駿)・深井・高嶺or菅にして欲しい。
浦和戦を思い出して欲しい。1点ビハインドから追いついた直接の理由は中島が囮になったところでの金子のゴールだが、その前に
外国人ふたりにいいようにやられていた中、そのふたりが交代した上で福森の交代で菅がポジションチェンジしたことで最終ラインでの攻防を少なくとも五分に持ち込めたことも大きかった。
鳥栖戦を見て、私はいわきFCとの一戦を思い出した。技術では明らかに上回っていようが、フィジカルで明らかに上回られた相手にどう対峙するか。そこは一度整理する必要がある。恐らくペトロヴィッチとしては『技術が圧倒的に上ならば勝てる』と踏んだのだろうが、それは思い上がりなのではないのか?相手のフィジカルを無効化出来るほどのチームなど、そうそうない。もっと
技術以外、ありていに言えば『フィジカルを重要視して欲しい』と思うのは、私がフース・ヒディンク時代の韓国代表のせいで目からウロコを落ちてしまったからだろうか?
※ヒディンク→自他共に『テクニックがなくフィジカルでゴリゴリするテコンサッカー』と思われていた韓国代表に対して『お前ら、技術はあるけどフィジカルが全然ダメだなぁ』と正反対のことを言い、そこを鍛えた結果W杯ベスト4という結果を残した(結果に対する議論はまた別の話)

局地戦では、勝てなくても最低限負けないのが大前提だと思うのだが、前線も最終ラインもそこがおざなりになっている感がある。連戦ゆえに抜本的な対策は打てないだろうが、デュエルで負けなければ試合も負けることはないと思うので、そこを意識してもらえないだろうか?と切に願う。
最後に
監督の世代交代、という点では腹案がありまして。多分クラブもそう考えているだろう。
あれだけ結果出したらヨモさんはもう(しばらくは)戻って来ない。ベンチを見ても後継者と考えると?
S級ライセンス保有者名簿を見ると
佐藤尽とか
村主とか
鳥居塚とか
村田(ムラ)とか
時岡とか懐かしい名前の面々。
沖田さんもSライ持ちという点では、恐らく彼が後継者筆頭なのだろうが…ミシャにも共通しえるサッカー観で考えれば、
小野伸二一択ではないだろうか?
早くSライ取ってくれ〜!