
行政からの外出自粛要請が続く中、皆さまどのようにお過ごしでしょうか。
幸いにも、今のところ私の周りでウィルス感染が確認された方はおりませんが、連日の報道にもあるとおり、ひとたび発病すれば、本人ばかりか周囲の方の人生まで大きく変えてしまう恐ろしい病気であるといえます。
この世界的なパンデミックがなければ、ゴールデンウィークを前にして台湾で楽しい時間を過ごしているはずでした。
ところが、その予定を早々にキャンセルしたばかりか、今や外出もままならない状況にあります。
そこで思いついたのが、普段より時間があるので、手間のかかりそうなテーマでブログを作ってみよう、と。
ここ十数年、年に1回は海外旅行をしているので、行き先で見つけたクルマの写真を集めることにしました。
ただし、旅行中にクルマを意識的に撮るようになったのは最近になってからであり、デジカメが壊れてPCに取り込めないものもあるので、年数が飛び飛びになることをお許しください。
時間潰しにでも楽しんで頂けると幸甚です。
タイトル画像は、14年前に中欧4か国を周ったときにブダペスト市内で見かけたクルマです。旧ソビエト連邦のアフトヴァース社が、フィアットからライセンスを受けて販売したラーダ1200のようです。
自動車に詳しい方ならフィアット124というかもしれません。
見分けるとしたら、グリルに付けられたエンブレムでしょうか。
フロントグリルに赤いエンブレムが付いているのでフィアットだと言いたいところですが、ラーダというヴァイキングが乗っていた帆船を図案化したものがモチーフとして描かれています。
ちなみに、当時のフィアット社は「FIAT」と黒文字で横書きされたものを使っています。
ブダペスト市内の散策を続けていると、ちょっと草臥れた感じのトラバントP601が止められているのを見つけました。
ドイツ製といっても旧共産圏の東ドイツが製造したこのクルマは何とも洒落っ気のないデザインです。
ハンガリーは、隣国のスロバキアなどとは比べ物にならないほど経済的に発展していましたが、こういうクルマが日常に使われていると思うと何とも切なくなります。
一方、無駄がないという意味では、このボディサイズにしては室内やトランクが広く使える実用性を兼ね備えているように見えます。
次は、10年前に英国旅行でエジンバラを歩いているときに見かけたタスカン。
日本で見かけるTVRは目立ちにくい無彩色が多いという印象がありますが、本国で綺麗なブルーの1台に出逢えてテンションが上がりました。
グリーンシグナルの点灯とともに緩いスロープを低いエキゾーストを轟かせながら駆け上がっていったという記憶があります。
当時のデジカメだけあって画質はかなり粗いですが、偶然に撮った1枚としては、背景・構図とも上出来だと思います。
ロンドンで宿泊したホテル近くにある広場に止められていたモーガン。
英国だとこういうクルマも自然に見えます。
ピカピカに磨かれているのではなく、適度な汚れや使用感があって少しやれた感じが、このクルマを引き立てている気がします。
9年前には初めてのイタリア旅行。
北イタリアの大都市を中心に周遊しました。
日本車を見ることはほとんどありませんでしたが、フィレンツェで見つけたのがトヨタプリウス。
当時、日本でもプリウスのタクシーは珍しかった記憶があります。
いま見るとあまり違和感がないかもしれませんが、私にとっては貴重な1枚です。
その翌年は、シチリア島と南イタリアへ向かいました。
マテーラの洞窟住居を観光中に見かけたスマートクーペ。
ここは世界遺産に指定されている旧市街地なので、今や洞窟を作ることは禁止されていると思います。
ということは、このクルマにとって、暑さ対策に十分な駐車場が用意されていたということでしょう。
マテーラの旧市街地を背景にシトロエンC4ピカソで1枚。
本国ではC4ピカソは2列シート、グランドC4ピカソが3列シートのものをいうようですが、日本ではグランドC4ピカソをC4ピカソとして販売していたというからややこしい。
さて、ここは公開が延期された007 ノー・タイム・トゥ・ダイのロケ地になっています。
この南イタリアの貧困の象徴ともいわれる場所が舞台に選ばれたのは、今度こそジェームズ・ボンド役として最後といわれるダニエル・クレイグと何か関連があるのでしょうか。
7年前にはオーロラ鑑賞のためスウェーデンのサーリセルカに。
ホテル前の駐車場にBMWF30が2台止まっています。
冬は雪道を走ることになるので、私ならBMWより4WDかFFのアウディになびくと思うのですが、ドリフトさせながら駆け抜ける歓びを楽しむのもありなのかもしれません。
ヘルシンキで見かけたのは真っ白のポルシェ911。
この頃、type991はまだ珍しかったと思います。
幌と内装に赤系を選択してオシャレにまとめていました。
慣れない日本人には歩きにくいですが、街中でも石畳というのが良いです。
6年前には黄熱病の予防接種をしてブラジルへ。
旅行の目玉であるイグアスの滝を見るため、アルゼンチン側の入場口に向かっているときに撮影したルノーセニック。
丸みを感じるデザインそのものでも分かりますが、サイドモールの樹脂でボディを飾っているのがフランス車らしいところです。
ちなみに、予防接種は10年有効とのことなので、これから4年以内であればコスト削減ができます。
旅行のもう一つの目玉であった
レンソイス白砂漠観光の拠点となるバヘイリーニャスで宿泊したホテル前に停まっていたフィアットパリオ。
車種を特定するまで苦労したのですが、調べるとフィアットの発展途上国向けの世界戦略車であり、日本に正規輸入されていないようです。
赤紫色の花を咲かせている木はイペ・ロショという名の広葉樹で、ブラジルの国花になっているイペ・アマレーロと同樹種です。
さて、ここバヘイリーニャスから日本に帰るには、最寄りのサンルイス空港までバスで4時間かかり、そこからリオディジャネイロまで飛んでアメリカ経由で戻ることになります。
日本の裏側からなので仕方がないのですが、現地から家までちょうど48時間かかり、私が旅行した中では現時点で最長記録です。
5年前には2度目の台湾。
宿泊するホテルに荷物を置いて台北市内を歩き始めるとランエボの痛車が目に入り、思わずシャッターを切ります。
痛車なんて日本だけの文化なのかと思えば、台湾でも浸透しているのですね。
調べてみると、アニメ「ニセコイ」の少女「桐崎 千棘」が描かれていて、「zyjacya in love」は“〜永遠の愛〜”というタイトルのようです。
台北松山空港近くのポルシェセンターに展示されていた911 Turbo S。
911シリーズの中でtype997ファンが結構いらっしゃると思いますが、私はより流れるような滑らかなデザインのtype991が好きです。
デモカーというより展示車に見えるのは、日本のショールームと雰囲気が違うからでしょうか。
美味しい小籠包が食べられると有名な「名月湯包」という店を探して地図を片手に歩いていたときに、読み違えて入り込んでしまった住宅街で見かけたサーブ9-5。
今や消滅してしまいましたが、とても気になるブランドです。
というのも、両親がいすゞ117クーペの次に選んだクルマがサーブ900Turbo S。
当時の実家は車庫が狭く、ミディアムクラスを駐車するので精一杯。
他にも、候補としてBMW5シリーズとメルセデス・ベンツEクラスが収納できるか実家の車庫までやってきましたが、正直なところ、不格好に見えるサーブだけはやめて欲しいと思っていました!
せめて900ではなく、9000だったら馴染めるのに、と。
9000はボディサイズが一回り大きくなるので、我が家の車庫には厳しいというのが父親の答えでした。
サーブがやってきて、3年くらいは好きになれませんでしたが、今では独特なシルエットにもすっかり慣れて、かなり格好良いなあ、と。
エンジン音はマフラーからボロボロと独特のエキゾーストを奏でて、フルスロットルにすると1,800rpmあたりからキュイーンと飛行機が離陸するときのような音を響かせ、ターボの力でドカンと加速します・・・
想い出になると長くなるので次にいきましょう。
4年前には2度目のスロベニア・クロアチアへ。
スロベニアの首都ザグレブで見つけたBMW E60。
現行モデルであった当時、5シリーズとして受け止められなかったデザインですが、後継モデルとして正統的なデザインに戻ったF10が走り始めた頃からクリス・バングルがデザインしたといわれるこのクルマの良さに気がつき始めました。
欧州では、メルセデス・ベンツのEクラスやアウディのA6がタクシーになっていたりします。
日本国内でもE60がタクシーとして走っていたら乗せてもらいたくなります。
この日はクロアチアで「民族および国民の少数の感謝祭の日」というお祝いの日だったので、ザグレブの旧市街地は賑やかな雰囲気でした。その中心広場の道路向かいの端にシトロエンDSが止められていました。
何だかお座りしてご主人様を待っているお行儀の良い犬みたいで、可愛らしさを感じました。
宿泊したホテルの裏の駐車場に停まっていたメルセデス・ベンツW123。
リアシートに荷物をたくさん積載していて室内は整理されていませんでしたが、外装はかなり綺麗です。
外装色は純正カラーのカレドニアグリーンでしょうか。
最近のメルセデス・ベンツには似合わないと思いますが、80年代という時代背景によるものなのか、同じメーカーでもこの時代に製造されたクルマにはマッチするという不思議な色だと思います。
プリトヴィツェ湖群国立公園からアドリア海に向かってハイウェイを走行中に立ち寄ったパーキングエリアに停まっていたアルファロメオ159。トランクリッドに「2.4」と記されたオーナメントが奢られていたので、日本未導入の直列5気筒2.4ℓディーゼルエンジンを搭載したモデルでしょうか。
ちょっと厳つい顔付きは慣れるまで時間がかかりましたが、今となっては味のあると思えるデザインにさすがは巨匠ジウジアーロが参画したデザインだけのことはあるな、と。
旧市街地が世界遺産に登録されている
トロギールではBMWE34を見かけました。
5シリーズでは最後の丸目4灯のモデルです。
やはりBMWらしさが際立つデザインです。
それにしても前後をこんなに詰められてしまったら無傷で出ることができないのではと心配しましたが、ランチ後に再び同じ場所を通ると後ろに停まっていた赤いフォードフォーカスがいなくなっていたのでほっとしました。
スロベニア・クロアチアに初めて行った14年前はどの旅行会社のツアーも一緒に組まれていなかったボスニア・ヘルツェゴビナの
モスタル。
現地の旅行会社との商品開発が進んだからなのか、このツアーは一緒に組まれていました。
もちろん、目玉は世界遺産の
スタリ・モストです。
自由時間に橋から少し離れて歩いていると、ちょっと傷んでいるBMWE30を見つけます。
このクルマのリア側の背後に写る建物の壁面が虫食いみたいに見えますが、これはユーゴスラビア内紛の時代に砲弾が当たってできた痕です。
スタリ・モストからバスの乗り場まで歩いている途中で見かけたメルセデス・ベンツW123。
こちらもかなり傷んでいますが、頑強なメルセデス・ベンツにあってはこれくらい何てことはないでしょうか。
トランクリッドに「200D」という見たことがないオーナメントが奢られていたので、調べてみると日本には正規輸入されなかった直列4気筒2ℓのディーゼルエンジン搭載モデルのようです。
クロアチアの
ドブロクニクから南イタリアのバリーまで移動する夜行のフェリーで見つけたスマートクーペ。
ナンバープレートの登録はドイツなので、南イタリアからドイツまで走破するのでしょうか。
話は逸れますが、ドブロクニクに訪れた14年前は、地雷の撤去作業が未了のため背後に聳える
スルジ山の中腹から先は立入が禁止されていました。
ところが、8年経って訪れてみると、山頂までロープウェーが設置され、展望台から旧市街地の景観を楽しむことができるように変わっていました。
クロアチアでは地雷注意の立て看板を見かけることもほとんどなく、安心して観光できるようになりましたが、ボスニア・ヘルツェゴビナでは内戦により放棄され廃墟となった建物も所々に残っており、その傷跡がまだ残っている印象があります。
南イタリアの
アルベロベッロでは、観光客をかき分けるように走ってきた
トゥルッリみたいに可愛いルノー4を見かけました。
華やかな北イタリアの大都市に比べると、経済的な格差を感じるアルベロベッロ。
傷みの目立つこのクルマがその象徴のようにも感じました。
帰りはナポリ・カポディキーノ国際空港からローマ経由で帰国しましたが、空港に展示されていた718ケイマンS。
発表から10か月ほどとそれほど時間が経過しておらず、このとき初めて実車を見ました。
このPDKモデルの車両価格は€67,102と表示されていたので、日本での販売価格865.4万円との換算で計算すると€1=129円と当時のレートで考えるとそれほどマージンは考えていないようです。
3年前のゴールデンウィークには北インドへ。
小型三輪タクシー「オート・リキシャ」はニューデリー市内で大活躍です。
大型観光バスなど物ともせずに合間を縫って前に前に走っていきます。
時速40km/hくらいであれば並走できるので、なかなかの性能ではないでしょうか。
市内に通じる信号のない5車線道路は、中心地が近づくにつれて混雑が酷くなります。
この写真は、小型車が幅を利かせている北インドでスズキ車がたくさん走っている中で、希少なトヨタ車を見つけました、というものではありません。
乗車している観光バスは第1走行帯と第2走行帯を跨ぐように走っています。
道路に引かれた白線を見ていただくと分かるのですが、バスの右側の3車線半に5列できています。
写真では分かりませんが、バスの左側では1列走っています。
つまり、5車線をシェアしながら7列で走っているということ。
車速は50km/hくらいまで上がる瞬間もありますが、それぞれが狭い道路幅の中で接触もせずに実に上手く走っています。
後ろにクルマが並んでいない列があると思って眺めていると、後方から結構な勢いでクルマが飛び込んでくるのでびっくりします。
2年半前に行った欧州の小国巡りでは、トランジットで使ったドーハ国際空港内に2台の高級車が展示されていました。
そのうちの1台がベントレーコンチネンタルGTコンバーチブルです。
白いボディカラーに赤い幌は鉄板です。
ただ、気になったのは、マイナーチェンジでフロントバンパーの形状が変わっていたので、一つ前のモデルだなあ、と。
このクルマはDuty Freeショップがセールスプロモーション用に展示しているものなので、そんな細かいことを指摘してはダメですね。
もう一台はポルシェ911カレラ4S
こちらは当時の最新型であるtype991.2です。
シルバーのボディに赤いキャリパーが決まっています。
毎度のことですが、長くなりそうなので残りは後編とします。