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　エンジン乗せ前チェックでスターターの空回り気味なのはわかっていたのですが、回せないことは無いしいざとなったら元に付いていた古いスターターに戻せばよい、と思って組み上げました。元はピニオンギヤ引っ込み式スターターでしたが、後付け強化型スターターはピニオン飛び出し式です。リングギヤを裏表間違えてはめ込んだがために、本来は始動後のピニオンギヤ抜けを良くするためのギヤ山縁面取り側がピニオン駆動引っ掛かり側になってしまったのです。で、滑り気味となったわけです。
　いざ車が走るようになると、エンジンが掛からぬことは無いのですがセル空回り多発が気になります。今のセルをいじって何とかできぬかと考案しました。
　セルのピニオンギヤ位置は引っ込んだ状態でリングギヤの縁まで１ｃｍ程あります。飛び出してリングギヤと噛み合う幅はほんの２ｍｍ３ｍｍほどです。角を落としたリングギヤですから空回りしても当たり前です。5mmほどピニオンギヤが多めに出た状態にできれば何とかなりそうです。
　外したセルスターター分解です。

　ピニオンギヤ抜きに悩みましたが、先端のカバーリングをこじり抜き、その下のリングピンを外せばOKです。
　

　中身の飛び出し機構です。

　グラインダーであっちを削りこっちを削り、パチンコ玉にプラスしてボルト頭を丸めたものをはめ込み、ピニオンギヤが5mmほど出っ張った状態にしてやりました。

　バッテリーをつないで機能チェックです。一発目こそ削った部分の抜けが悪くて出っ張ったピニオンギヤが戻りませんでしたが、打ち戻して以降は何度回しても良好に作動しました。
　車に戻して走っていますが全く問題ありません。空回りは無くなりましたし、心配していた始動後のピニオン抜け戻りも全く問題なく機能しています。リングギヤの抜け側は切り立ったままなのですが、スターターピニオンギヤの抜け側に面取りがしてあることが機能しているのでしょう。

（2022年7月現在、1年近く経ってもセルは好調で全く問題ありません。しかし、最近にネット上に興味深い記述を目にしました。オリジナルピニオン引き込みタイプセルスターターが、取り付け部に挟むスペーサーが付いていないがためにしっかりリングギヤに咬みあわず空回りする、というものです。スペーサーが無くてもセルは取り付けられてしまうということです。
　新しいセルに交換するとき、このスペーサーを古セルから新セルに付け回すか外してしまうか、少し考えたのですが付け回しました。このことをすっかり忘れていたようです。

　緑色の点が付いた茶色棒で示したものがスペーサーで１ｃｍ程の厚みがあります。取付ボルトの長さ干渉解除のためにボルトを切り詰めたのですが、スペーサーを外すと大幅に切り詰めねばなりません。また、取り付け部のストレス軽減の意味合いもあって、スペーサーを外すことに全く気付かなかったのかもしれません。
　いずれにせよ、このスペーサーを外せばこのようなピニオンギヤ飛び出し加工は必要なかったでしょう。まったくのジジイボケ仕事です。）

一年以上たった8月16日現在、ピニオンギヤが抜け落ちて空回りするようになってしまいました。リングピンとカバーリング外し付け戻しで強度が落ちたに加えて、突き出し量を増やしたがためにピニオンギヤ根っこに大きな隙間ができていたのが災いしたようです。