ミジェットタカのブログ一覧

　クラッチスプリング抑えナットに緩んでいるものがあったので増し締めしてやりました。しかし、共回りするものが一個あります。クラッチハウジングの裏側にボルトが溶着されてあるようなのですが、それがはがれているようです。外して修理するにしても、共回りするナットを外すのには結構な荒業が必要でしょう。締まりが甘いにしても留まっていますし、クラッチ滑りはありませんし機能的には問題なさそうです。まずはこのままにしておくつもりです。

　クランキング異音対策の一環としてスターターモーターを外してみようとしましたが、一時チェーンアルミカバーを外さないと外れないようです。そのためにまずブレーキペダルをずらします。メグロはイギリス車のBSAをコピーしたものですから、左足ブレーキ、右足シフターとなっています。

　こうするにはブレーキロッドを抜く必要があります。

　留めビスの頭＋がつぶれている物がありましたが、ショックドライバー仕様で難なく緩め、カバーを外しました。

　スターターも外しました。

　スターター先っぽのバネに抑えられたウォームギヤがクランク軸先っぽの平ギヤに回転を伝えます。このギヤにはフリーハブが付いていて自転車の後輪ハブスプロケットのように一方向にしか駆動しません。

　エンジンが止まっているときにスターターが回るとクランクは回され、エンジンがかかってスターター以上にクランク回転が上がると、ギヤは空回りするという仕掛けです。ところがクランクが逆回りすると平ギヤからスターター先端のウォームに力がかかるのですが、当然ウォームは回りません。しかし、ウォームはバネ圧力で抑えられていて力がかかるとそのバネ圧にあらがってギヤ飛びするというわけです。このギヤ飛びの音がクランク逆転始めの大きな異音だったというわけです。気にするほどのことはなかったにしても、機械に結構な負担がかかることは間違いないでしょう。どうせはなっからスターターモーターは取っ払うつもりです。
　このメグロのスターターは頼りないことで有名です。初めて聞いたのはいつだったか？１９７４年の十勝清水のメグロｓ７に絡んだ時でしょうか？父親が買った「オートバイ」誌、１９６０年代のものですが、その中に読者投稿コーナーがあって、とある読者のメグロ２５０の修理話が台湾から寄せられていました。当時はまだまだ日本文化経済が深く台湾に根付いていたでしょう。その中に書かれていたのかもしれません。小生が読んだのは中学生の頃でした。

　一次チェーンアルミケースカバー上部中間にチェック穴蓋があって、そこを外してチェーンの張りを見たところ、結構きつい張りになっていました。これを緩めるとクランキング異音に影響はどうかと考えました。そこで一時チェーン緩めです。
　その調整はミッションケースの取り付け角度を変えることによってなされます。ケースは上下２か所のボルトで止められているのですが、下のボルトを支点に上のボルト位置が前後することによってケース取り付け角度が変わり、一時チェーン張り調整がなされます。そこには調整用のボルトナットが付いています。

　ミッションケースを動かすのですから、駆動チェーンの張りも変わります。そこで、駆動チェーンを緩めておかねばなりません。

　後付けでしょう、バイアルスのような偏心プレートチェーン張り調整式になっています。本来はチェーン引きボルトナット方式のはずです。

　作業進行に邪魔なスッテップバーは外しました。

　マフラーも外しました。後付けのキャブトンマフラーです。前所有者は、いい音がする、と言っておられてお気に入りのようでした。ありがたい後付けブツです。
　さて、一時チェーンを緩めましたが、クランキング異音は変わりませんでした。アルミチェーンケースカバーを外してスターターあたり、クランク軸端を調べなければなりません。

　キックしてクランクを回して回してやりました。圧縮は十分にあります。しかし、圧縮行程から逆戻り回転しかけに打音のような大きな異音がします。クランクとかピストンからの打音なら大事です。しかし、プラグを抜いて軽い状態で回すと何事も起こりません。プラグはNGKのB6HSがついています。ちっこい耕運機エンジンにはEリーチサイズの長いものが付いているのに対して、なんとも短くて頼りない感じがします。
　（後日わかるのですが、異音はセルモータースタータ駆動ギヤ機構からのもので、本来出ていたであろう音だと推測され、心配ないもののようです。）

　ほんのチョイのお使い行走りでした。アイドリングは少しラフですが、おおむね至極快調です。