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2014年11月24日

デジタルプロセッサーとUSB-DDC

デジタルプロセッサーとUSB-DDC 最近、なぜか欧州方面の方々の足あとが増えたなぁと思っていたのですが、ようやく理由がわかりました。
Dynamic Damping Control
というモノがあるんですね。そちらはサスペンションの電子制御のことで、当ページのDDCとは関係ありませんので、スンマセン。
またフォルクスワーゲンはアクティブサスをDCCと呼んでいるようで、ややこしい。DCCといえばデジタルコンパクトカセ・・・やめときましょうか。
間違ってこちらに立ち寄られた欧州車乗りの方は、オーディオが好きでしたら少~しディープな内容ですけどw見ていってくださいな。




さて。
我が車ではタブレットで駆動するUSBオーディオがメインソースとなり、もともと自宅用に使っていたDDCの

HiFaceTWO Pro
をクルマに取られてしまいました。
いつまでも自宅のPCオーディオが空席というわけにもいかないので、代わりを調達しました。同じものでは面白くないので別の機種を。そんなレポートです。

DDCという製品
PCとUSBで接続してデジタル音声を取り出すのがDDC (Digital-Digital Converter)です。当ブログで紹介しているように、スマホやタブレットと組み合わせることができるものもあります。
この分野、製品の数はそれほど多くありません。DDCは、USBオーディオが出始めの頃、S/PDIF(同軸または光)端子しかもたないDACをPCに接続するための橋渡し的な存在として作られたものだからです。DACといえばUSB-DACを指しPCと直結できるのが当たり前になったため、単体DDCの新製品はあまり出てこなくなってきました。
(モバイルオーディオが隆盛なので、USBつきポタアンにデジタル出力が搭載される例が増えてきました。)

日進月歩のUSBオーディオデバイスにあって比較的動きが止まっているように見えるDDCですが、CHORDやWADIAあたりのビンテージ級DACを愛用しているオーディオファイルにとっては今でも貴重な存在です。
また、USBインターフェースの設計に不慣れなメーカーのDACでは、USBで接続するよりも外部のDDCでいったん同軸デジタルに変換して入力した方が音が良い、という場合もあります。

古いS/PDIF専用DACをDSD対応USB-DACとして使えるハイエンドDDC、WEISS INT204


Sonicweld Diverter HR。なんでしょう、このカッコよさは。30まんえん也。

またカーオーディオの世界では、プロセッサーにデジタル接続できるソース製品が少ない(まとめページ参照)ので、USB-DDCを選択肢に加える意味が出てきました。


光・同軸デジタルのハイレゾ対応能力について
その名の通りSonyとPhilipsによって策定されたS/PDIF(DIFはデジタルインターフェースの略。後にIEC60958として標準化)は、規格上24bit/768kHzまでのPCM音声およびDTSなどの圧縮サラウンド音声に対応しています。(同軸信号の場合。光信号ではケーブルの特性上96kHz、実力で192kHzあたりまで)

しかし、現在ハイレゾの最高峰といえば、PCMよりDSD。
「PCMの音の方が好き」という人もいて賛否分かれるところではあります。
Direct Stream Digital。簡単に1bitとも呼ばれ、もともとはCDの次世代規格・SACDで採用された方式です。SACDは普及したとは言えませんが、そのフォーマットはPC/モバイルオーディオが対応しネット配信も増えてきて注目されることになりました。

S/PDIF(768kHz)の伝送速度をDSDxxx形式で表現してみると、24×768÷44≒419なのでDSD419相当となり、同軸ならDSD256まで通せる能力を持っていることになります。現在流通しているDSDフォーマットの多くはSACDレベルのDSD64かその上のDSD128なので十分です。
(あくまでデータ量の話です。1bitとマルチビットでは変換方式が異なるため、データ量が同じでも音質は同じにはなりません。)

そこで、この能力を使ってDSD信号を伝送しようというのがDoP(DSD over PCM frame)という規格です。
DoPではPCMの音声データの一部をDSDの識別信号として使ってDSD音声を伝送する手法をとっており、やり方としてはちょっと無理やり感があります。識別に失敗してPCMとDSDを間違えノイズを出す可能性を嫌って、KORGのようにDoPには対応しないメーカーもあります。しかしPCMさえ通る環境ならDSDも通せるのはこの方式のメリットです。

(2015/5/29追記)
KORGがiOS用音楽再生アプリiAudioGateを発表し、DoPによるDSD再生に対応しました。これまでDoPに積極的ではなかったKORGが対応してきたということは、DoPも安定してきたということでしょうか。

USBオーディオの普及により、Windows系PCオーディオでのDSD伝送は、ハードウェアはUSB/データ送信はASIOなどのネイティブ伝送が優勢となりつつあります。一方、MacやAndroidなど非Windows系ではASIOが使えないため、ハードウェアはUSB/データ送信はDoPの仕組みを使って伝送するのが主流です。(DoPは下位層がUSBでもS/PDIFでも使用可能です。)
いずれにしてもUSBによる伝送がほとんどで、S/PDIFでDoPを採用する製品は少ないのが現状です。このままDSDはUSBで、という流れになるのか、それともS/PDIFでもDSDが普及するのか。もう少し見てゆく必要がありそうです。


デジタルプロセッサー泣かせのハイレゾ音源
車載デジタルプロセッサーにどっぷり依存していて、PCオーディオやポータブルオーディオの世界ではハイレゾ真っ盛りな状況を横目で見ている自分としては、

USBでもS/PDIFでもWiFiでもいいから、そろそろちゃんと(ダウンサンプリングじゃなく、処理まで)ハイレゾ対応したデジタルプロセッサーは登場しないの?

と思っているのですが、実はそう簡単ではなさそうです。


DIATONE NR-MZ90PREMI
FIRフィルターによるクロスオーバーネットワークを実現したサウンドナビ。
FIRはスロープ部での位相回転がないことから高音質とされています。
調整モードではIIR処理、調整を確定させるとFIR処理に切り替わる動作から、演算量の多いFIRの実装に苦労した跡が伺えます。


Sonic Design Digicore808i
内部写真より、8ch分のFIR処理のためにDSPを少なくとも4基!搭載しているようです。(右がDSP、左がデジタルアンプ部です)
発売から8年。今同じ物量を投入すれば、どの程度の処理能力が得られるのでしょうか。


BEWITH AZ-1
泣く子も黙る超高級デジタルプロセッサー。
まぁBEWITHはIIR処理のSTATEでも十分高音質なので、FIRが絶対ってわけでもないのですけどね。


HELIX-DSP PRO
24bit/96kHzのデジタル信号をそのまま「処理」できる最新プロセッサーです。

ハイレゾを「入力」「出力」できるプロセッサーならありますが、「処理」まで含めた真のハイレゾ対応プロセッサーはまだほとんどありません。上に挙げた機種でも、96kHz処理を謳っているのはHELIXだけ。特にサンプリング周波数が高くなると必要な演算能力が倍々でハネ上がるので、多くの製品で内部処理は44kHzまたは48kHzで行われています。

それでも、FIR演算によるクロスオーバーネットワークやイコライザー処理を普及価格帯の製品で実行できるようになったのはつい最近のこと。
ハイレゾ対応のために演算をケチるようでは本末転倒ですし、さらにDSD128(CDの8倍のデータ)とかDSD256(16倍)の情報量をリアルタイム処理できるプロセッサーとなると、登場はもう少し先になりそうです。

(12/6追記)
もう一つ、DSDはそのままの状態では信号処理が難しいという問題があります。
音源の製作側でさえ、イコライジングなどを行う場合には一度マルチビットに変換して処理し、DSDに戻すという手法がとられています。
こうなると、そもそも車載プロセッサーでDSDの音は生かせるのか?という根本的な疑問が出てきます。
大手オーディオメーカーが車載Hi-Fi分野には注力していない現在、演算手法まで切り込んでDSDに挑戦するメーカーは出てくるのか、興味あるところです。

ならば
「プロセッサーを使わなければハイレゾ行けるの?」
となりそうですが、ここにも罠があります。今どきのヘッドユニットの音質調整はデジタル処理ですから、アナログ入力であってもA/D変換・D/A変換がほぼ必ず入りますので注意です。もちろん普通にイイ音は出ますが、それがハイレゾかと言われると・・・。フルアナログ処理のHUなんて今あるのかしら。

となると、現在可能な選択肢は次の3つ。

1. プロセッサーなど使わず、DACの後から全てのデジタル処理を排除し、パッシブネットワークを組んでDSDなど最高レベルのハイレゾ再生にこだわる
2. 先に挙げたHELIXの24bit/96kHzのように、プロセッサーを使って今できるレベルのハイレゾで楽しむ
3. 今使っているプロセッサーが気に入っているので、CD音質で頑張る

どれもアリだと思います。皆さんはどれを選びますか?
(自分はしばらく3番かな)
来年以降、真のハイレゾ対応プロセッサーが増えてくるでしょうから楽しみです。

(2015/4追記)
プロセッサーほど複雑な演算処理を必要としないナビやヘッドユニットではハイレゾ対応が始まっています。

JVC-Kenwood MDV-Z702W/Z702 24bit/192kHz対応アナログ出力搭載。

(2015/9追記)

Sony RSX-GS9 5.6MHz DSD対応アナログ出力搭載。
日本のカーオーディオ市場からは撤退したSonyですが、海外にはDSD対応ヘッドユニットを投入するそうです。(2015/12発売予定)

(2015/9追記)
車載製品でもようやくハイレゾをデジタル出力できるソースユニットが出始めました。ただしプロセッサー側の対応はまだ24bit/96kHz止まりのようです。家庭用・ポータブル用のデバイスを流用できるソースユニットと違い、プロセッサーはカーオーディオの世界で発展してきた製品なので少し遅れるのは仕方ないでしょう。対応として、今のところアナログ接続を利用するケースが多いようです。

audison bit Play HD 24bit/96kHzまでの光デジタル出力可能。


audio-technica AT-HRD5 24bit/192kHzまでの光・同軸デジタル入出力可能。
USB入力/アナログ出力時は32bit/384kHzまで対応。

(2017/1追記)
プロセッサーのハイレゾ(処理)対応はこれまでほぼHELIX一択と言ってよい状況でしたが、Audisonやmosconiなど、ようやく対応製品が増え始めました。国産勢もそろそろ?

Audison bit One HD 24bit/96kHzの内部処理に対応。


mosconi GLADEN DSP8TO12 AEROSPACE 24bit/192kHzの内部処理に対応。


Audiophilleo
というわけで、車載デジタルプロセッサーに接続するDDCとして、スペックはCD音質か24/96まであれば当面大丈夫という、世の中のムーブメントからはちょっと遅れたw条件で話を進めます。(近い将来この前提が崩れてくれることを期待します・・・)
こうなればちょっと古めのDDCでも十分使用可能です。HiFaceTWO Pro の次機種として選択したのはこれ


Audiophilleo 2
パッケージに印刷されているのは有機ELディスプレイを装備し多機能な Audiophilleo 1 。
「2」は基本性能そのままで機能を省略したモデルです。

Audiophilleoは「超」低ジッターが売りのUSB-DDCです。
小型で車載に向いてそうなのと、他の製品と比べ1桁低いジッタ値(公式サイトにデータが掲示されています)を誇る製品とはどんなものか試してみたかったので調達してみました。

PC接続時はHiFaceと同様24bit/192kHzまで対応しますが、Android端末とUSB Audio Player PROとの組み合わせでは最高24bit/96kHzとなるようです。述べたようにデジコアのソースとしてはCD音質で良いので問題ありません。

この製品、日本国内では販売されていないので、米国の公式サイトからオンライン購入します。
車載用途にディスプレイは不要だし熱でやられそうなので、価格も安い2の方を選択しました。確か以前は$500切ってたんだけど、値上げと為替でお高くなりました。円高の時に買っておくべきだった・・・

注文するとサンクスメールが届き「最初に200時間バーンインしてください」とありました。デジタル機器に200時間ものエージングとは、なかなかマニアックでよろしい。
到着後、自宅システムに接続。


本体の出力端子はBNCメスですが、BNCおよびRCAのオスメス変換プラグが同梱されていて、DACの入力端子にケーブルレスで直結できるようになっています。低ジッターの性能を発揮するため、この形態が推奨されています。

1週間ほど連続再生した後、車載システムに接続。
えっ?やってることが先のブログと違うって?さすがにエージングの変化を楽しむのはスピーカーだけで結構ですw
振動でコネクタにストレスがかかりそうなので、直結はあきらめて普通にケーブルでつなぎました。
・同軸デジタルケーブル DR-510/0.7(オヤイデ)
・USBケーブル AT-EUS1000/1.3(audio-technica)
・USB OTGケーブル USB-OTG10(I-O DATA)

さて試聴です。UAPPでflacファイル(16bit/44kHz)を再生し、デジコア内蔵のCFカードプレーヤー(同じソースのwavファイル)をリファレンスとして比較しました。

HiFaceTWO Proでも既に結構な音が出せていて、CFカードとの差は大きくはありません。しかしCFとHiFaceを切り替えてA/B比較すると、HiFaceは少しだけ高域がうるさくなり耳にきつく感じる状態でした。Audiophilleoに交換したところ、高域は滑らかになりCFとの差はさらに少なくなりました。デジタル出しでもそれなりに変わるものですね。

以上です。今年は完全にカーオーディオ優先なので、Audiophilleo 2が次期車載メインソースに、HiFaceTWO Proは自宅PCオーディオに復帰となりました。

こんな感じで、USBなどをキーワードにしてカーオーディオとホームオーディオ・ポータブルオーディオの垣根がなくなるのは楽しいです。今後の方向性の一端を示すもの、と言うのは大げさでしょうか。
自宅用にAudiophilleo 1が、いやINT204が欲しい・・・


現在のオーディオシステム図

あ、タブレット替えました。予想通り「ペリタブコン」はUSBオーディオとの相性も良く、前回のGalaxy Tab Sとともにオススメできる端末です。

大人買いしてしまった、タイトル画像のオカルト音質改善パーツについては、いずれまた。


関連ページ
Android端末でUSBオーディオする方法まとめ




その後は、
ハイレゾが聴きたくなりDDCからDACに変更してみたり
ネイティブじゃなくても
HRD5その後
やっぱりデジタル接続に戻してみたり
Back to Digital
しています。


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Posted at 2014/11/24 21:31:21

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