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2023年05月13日

(SR)クランクシャフトの芯出しについて考える ~ピン回転方向の修正編~

(SR)クランクシャフトの芯出しについて考える ~ピン回転方向の修正編~ 今日はクランクの芯出しについて、途中まで

用意した物は、以下の4点です。
・銅ハンマー(5ポンド)
・マジック
・ダイヤルゲージ(1μm計測用)
・V字ブロック代わりに3Dプリンタで印刷した振れ取り台


芯の計測はとても単純なので気を付けるのはダイヤルゲージをクランクの芯をとらえるように真っ直ぐとセットするくらいかな。



芯を外すと計測値が小さく出ますからね。

準備が出来たらくるくる回して計測。



クランクの左側(フライホイール側)は70μmでした。
一番高い所に印と計測値を書き入れておきました。



次は反対の右側(動力の取り出し側)です。こちらはずれが大きくて160μm。

実はこのクランク、この記事を書く前に芯出し作業をしていたのですが、間違って修正の方向とは逆の方向で叩いてしまい芯ずれが大きく成ってしまいました。なので自分がしっかりと理解する為にコレを書いています。

基本も応用もクランクをハンマーで叩いて修正をして芯を出すのですが、どこを叩いて良いのかよく分からなくなってしまう時があるので、理解のため先ずはマジックで計測値を書き入れてみました。



写真は左側から見た所ですが、左は重量物のフライホイールが付くのでこちらを基準に考えていきたいと思います。

赤〇で囲った部位が左側の軸が70μm高く出る部分で、薄い赤○で囲ったのが反対側の右側の軸が160μm高く出る部分です。マジックの□(四角)で囲っている数字は反対側の軸の一番高い位置と数値です。□の囲いは反対側の意味で使用しています。
丁度、クランクピンを挟んだ左右に高い点が来ているので、クランクピンを中心に回って芯がズレている感じが見て取れると思います。

もう少し分かり易い様に70μmの一番高い位置を頂点に持っていきます。



この状態で軸の先端が70μm真上に反り上がっている状態なので、クランクピンから見て軸を70μm分上に上げてやれば、振れ取台に置いた状態にすると70μm先端が下がるって事なので芯が合う方向です。
なのでクランクピンから90度ずらしたマジックの×印の所を叩けば矢印方向にウェブが回転して軸の位置が上がる→台に載せると軸の先端が下がる。 ので芯が出る算段です。
言葉で言うと、「高い所の」「クランクピンを挟んだ反対側の」「おもりを打つ」

又は□で囲った×印の位置で 裏(右側)のウェブを叩きます。そこを叩くと裏のウェブが反時計回りに回るので軸の位置で持ち上がる様になります。その動きがこちら側の軸の先端を押し下げる様に作用します。
「高い位置」の「反対側のウェブ」の「おもりを打つ」です。
こちらの考え方の方が実作業で分からなくなり難いと思います。

実際に叩いてきました。



叩いたのちの計測結果です。
高い位置が70→60μmに成りましたが、ピンを挟んで反対側へ行ってしまいました。行き過ぎです。。
動き難いと思って5・6発入れたら合計で130μmも動いちゃいました。。

もう一回叩きますので、叩く位置を考えます。



今度は「高い位置」の「反対側のウェブ」の「おもりを打つ」です。この覚え方の方が簡単ですよね。
2回目の打撃なので「②」と印をしておきます。

実際に叩いてきました。



手前の軸の数値は25μmまで小さく成りました。反対側は100μmなので大きいです。
やりたい事、目標は表裏の高い箇所の位置を揃えると言う事です。
取り敢えずもう少し叩きます。やる事は同じ。



「高い位置」の「反対側のウェブ」の「おもりを打つ」。3回目なので③の印です。
で実際に叩きましたが行き過ぎちゃいました。(以降しばらく写真無しです)

結局11回まで同じことを繰り返しました。



結果は
左 20μm
右 70μm です。
大体同じ位置に高い所が来たので満足です。20μm以下の振れとりは急に難しくなるので今回はここ迄。この計測値が20μm未満に成ると1/1000台(千分台)のクランクと言う事に成ります。


途中で分からなくなり掛けて心が折れそうになりましたが、「高い位置」の「反対側のウェブ」の「おもりを打つ」を愚直にやり続けました。やはりこれが覚えやすく作業中に間違える事が有りませんし正解です。(取り敢えずね)
途中、どんなに叩いてもどうしても動かないクランクの打撃箇所が有ったので、その時だけ初めにやった「高い所の」「クランクピンを挟んだ反対側の」「おもりを打つ」で作業しました。
何故か?5ポンドのハンマーではどうしても動かない所がありす。謎です。


現状で表裏の軸先端の高い位置がクランクピンの位置で揃っています。この状態を簡単に絵で表すと、



こんな感じでクランクが開いている事を示しています。

しかしピンの位置で高い位置が揃っているので、ピンの回転方向の位置合わせ、すなわちピンの回転方向の芯出しは成功していると言う訳です。




マニュアルによるとクランクの芯ブレは30μmまでが許容値です。
30μmとは芯を中心に30μmなので、今回の方法での計測値では60μm迄が許容値です。

なので今回の芯出しでのフレの値の結果は、
左 10μm
右 35μm と言う事に成ります。

初めにも言いましたが重量物は左に付くので、良いんじゃないかな?と思います。


これ以上詰めるには、開き方向の修正が必要になります。

が今回はここまで。



https://youtu.be/gZ5vcKgUcN0

いちおう言っておきますが、使用しているダイヤルゲージは1μm測定の物なので、普通の10μmの物よりも10倍針が振れます。





「高い位置」の「反対側のウェブ」の「おもりを打つ」


クランクのピンの回転方向の芯出しは、これだけで覚えればOKで コレこそが成功の秘訣。



〜クランクの開きの修正は下記の記事紙にしました〜

https://minkara.carview.co.jp/userid/2092714/blog/46983429/



※このクランクシャフトは部品取りの400ccのクランクで、捨てるつもりでいたのでクランクに付いて来たベアリングをマイナスドライバーで叩いて外したので側面に傷があります。叩いたのでクランクが開いたのかな?分かりませんが錆とかキズとかある理由は捨てる予定だったためです。捨てるつもりでほおっておいたものを練習用に引っ張り出しました。



練習に使って少し愛着が出たので、ディスプレー用にスタンドを作りました。




ブログ一覧 | 日記
Posted at 2023/05/13 19:08:57

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