
今日はSRのと言うか?フロントのディスクブレーキ全般の事を考えつつ、ノーマルのキャリパーの優れる点を再確認して見たいと思います。
若人向けに書きますので、今回おじ様はご遠慮ください。笑
SRのフロントブレーキには初期型の左ディスクや、時代に逆行した2型のドラムブレーキ、3型以降は現代の物に比較すると劣るけれど、まだまだ現役の右ディスクブレーキがあります。
私のSR500はドラムブレーキだったのですが、好みの問題から3型以降のディスクブレーキに換装しました。
息子が載っている1型仕様の左ディスクのSR400は利きが甘く心配だったので、キャリパーはそのままにマスターシリンダーを4型の物に交換しました。マスターシリンダーの交換だけで8.5割方、3型以降のブレーキフィーリングを得る事が出来ました。
ここで一つ結論ですが、ディスクブレーキの性能はマスターシリンダーの寄与が大きいようです。
そんな結論では面白く無いので色々考えてみたいと思います。
ドラムブレーキはさて置いてに成りますが、ディスクブレーキが世に初めて登場したころ、ディスクブレーキが付いている事がオートバイの購入の動機になったり、高性能の証だったりしていた頃、キャリパーはココに搭載されていました。
(出典
https://www.win-pmc.com/column_post/doubledisk/)
当時高性能の証としてのシンボルでもあった?ディスクブレーキの搭載車として、この位置は商品性としてのデザインでは最高に良い位置だったのでしょう。まさに漢のかっこよさです。
ですが走行性能の面で考えてみると如何なのかな?
現代の車両のキャリパーがこの位置に無いのは意味がありそうですね。
赤線を加筆しましたがフロントタイヤの車軸上にキャリパーが有るので、ハンドルを左右に切ったとしてもキャリパーが左右に振られる事は無い様に見えますが、
実際のハンドルの回転軸はトップブリッジ中央のステムシャフトになるので、ステムシャフトやフロントフォークを真上から見る位置関係で考える必要が有ります。
その様に見るとフロントフォークより前側にキャリパーが位置してステムシャフトからは大分離れた位置にマウントされている事が判ります。
それが何を意味するか? 水色の破線で書いた円の半径の分だけ重量物であるキャリパーがハンドルの動きに同期して振られる事に成ります。
回転軸から離れた所に重量物が付くので、ハンドリングには軽快とは逆の作用が発生してしまう配置となってしまうんですね。
現代は?と言うよりだいぶ前からレース車両を含めてキャリパーはフロントフォークの後ろ側って相場は決まっています。
では現代のキャリパー位置ではどうなのか?ですが、
上手く出来ているに決まってんじゃん。。と言う結論に至ります。
赤の矢印で示した半径の変化の分だけハンドリングに良い方向へ寄与したと言う事が出来ます。
キャリパーのマウント位置だけでオートバイのトータルとしての性能が変わって来る。 意外な効果があるんですね。
そんな事を考えると、このノーマルのキャリパーの意味のあるタイトなフィッティングがカッコよくも見えてくる気がしますね
こういう所は考えて気がつくか否かなので、まだ深い要素が隠れているかもしれませんし間違いもあるかも知れません。詳しい方が居られましたら訂正や御意見などよろしくお願いします🙇
他には近年のオートバイはフロントのディスクが大きく成っている感じがありますが、意外な事にディスクの大型化と今回のキャリパー位置の話は関係が無かったりします。
写真はホンダの NC750 ですが、今っぽいフロントブレーキです。
切り欠きの多いウェーブディスクに成っていて、外径も大きく作られています。
ここ迄の話からするとディスクが大きく成った分だけキャリパーが後退してしまいそうとも思いますが、
ディスクが大きく成った分はマウント位置をフロントフォークに沿って上方に上げる事で対応しているので
キャリパー重量としては ハンドリングへの影響が出ない様に設計されています。これがメーカーのやり方です。
ブレーキのカスタムに大きなディスクを付けて、更に大きなキャリパーを付ける方法がありますが、キャリパーのマウント位置は後方にずらさない様、フロントフォークから離れない様に上方に上げるのが良いブレーキのマウント方法と言う事に成ります。後方へズラしてしまうと回転軸から離れてしまう事でハンドリングへの悪い影響が懸念されてしまうので、キャリパーのマウント位置には配慮が必要なんですね。
選択するキャリパーも出来るだけ軽量コンパクトで高剛性な物を選択すると、ハンドリングへの影響の観点も含めて「カッコいいカスタム」になるんじゃないかな?なんて思います。
そんな理由も有ってか最近は航空機のブレーキを作っているブレーキメーカーのキャリパーが選ばれる事が多くなってるのかな?センスの良さを感じます♪
大きなディスクに関して、上で ”キャリパー重量としては” と敢えて書きましたが、大きなディスクブレーキにはやはりデメリットは有って、
たまに目にする事があるコレ↑、ジャイロ効果によるハンドリングの悪化からは免れる事は出来ません。。。
では、クイズです。
最近のオートバイが敢えてデメリットのある大きなディスクや、ウェーブディスクを採用するその理由は何でしょうか?...
答えが分かった方は居ますでしょうか?
正解は、
↓
↓
↓
↓
フロントディスクを大きくする事によって、比較的小さなリアディスクを一枚の板から生産出来るように成るから...
ウェーブの欠けている部位はホイールに取り付けるブラケットの都合から欠けてしまうのを何となくデザインとして利用して誤魔化しているのかな?
おじさん曰く、令和っぽい理由ですね。
ウェーブディスクの性能がウンヌン。と言う話もあるかと思いますが、本当の性能は「生産性」。これが真実。
懐かしい言葉ですが、
「ズコーーッ!」 って感じです。
余談を挟みましたが以上の理由から題名に書きました、ノーマルのキャリパーは ”最適なマウント位置” や ”軽量” の理由により、
「ある意味最強。」 と言う事が言えるのかな? と言う
ネタでございました。
個人的にはノーマルキャリパーの最大の魅力は「純正ノーマルのブレーキパッドが使える事」と思います。冬の寒い日、冷え切ったブレーキで巡行中に飛び出してきた車を避ける為の急ブレーキ。 街中での事故はブレーキに熱の無い場面で起こる確率が高いかな?と思います。そんな時でも状況によらず握っただけ確実に効くノーマルパッドが最高品質だと思います。社外のパッドは熱が無いと効かないのでは?と言う心配から私は今の所敬遠気味です。社外ブレーキで冬の一発目のブレーキからフルにブレーキ性能が出る製品って無いんじゃないかな??
「安全第一」で御座います。
マスターシリンダーはラジポンが確実にアドバンテージがあるように思いますが、スペアのレバーの価格がノーマルレバーの数倍の価格になってるんですよね。レバーに傷が付くと直ぐに交換したくなる私はそれが怖くてノーマルのマスターを愛用しています。
キャリパー自体の事は剛性の他に知識が有りませんが、ブレーキも考える事が多くて面白いですね。
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Posted at
2024/02/09 01:35:09