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TECHNITUNED βのブログ一覧

2024年10月14日 イイね!

(3dp) 3Dプリンターの設定値を初心に戻って考え直す。 ②Jerkと加速度 編

(3dp) 3Dプリンターの設定値を初心に戻って考え直す。 ②Jerkと加速度 編Jark と 加速度の設定は簡単の様でとても難しいです。正直に言って分かりません。。

Jark と 加速度を高く設定すれば印刷は速く成りますが、3Dプリンターがガタガタと音を発したり、印刷物の表面にリンギング痕が発生したり、ノズルと印刷物の接触して印刷物がビルドプレートから剥がれてしまったりと良い事が有りません。

Jark と 加速度を考える前にステップモーターのコントロールについて確認して見たいと思います。



3Dプリンター用に制御基板とステップモーターのセットが販売されています。3Dプリンターの可動制御部は大抵のプリンターで少しの差は有れどほぼ同じものが使用されています。
ステップモータは200ステップで1回転する物が使用されています。1ステップにすると1.8度の回転に成ります。これをコントロールして XYZE軸各々の位置をコントロールする訳ですが、ステップモーターに付いているプーリーはベルトの外径で 12.73mm程度です。これをステップモーターで駆動すると1ステップ1.8度で約0.2mmに成ります。1mm当たり5ステップでの移動に成ります。これをコントロールしても印刷物はガタガタした形状になってしまいます。解像度が足りないのでここで「マイクロステップ」と言う制御を使用してステップモーターの1ステップを 1/16にする制御を掛けます。こうする事でマイクロステップ1ステップ当たり0.0125mm(12.5μm)、1mmあたり80ステップとして使用する事で満足する解像度を得ています。

マイクロステップの説明動画です ↓




しかしマイクロステップ制御は良い事ばかりではありません。。磁力的に中途半端に固定するので保持トルクが大幅に減少してしまいます。

マイクロステップの保持トルク現象について書かれているPage
↓ ↓ ↓
https://www.monolithicpower.com/jp/learning/resources/why-microstepping-isnt-as-good-as-you-think?srsltid=AfmBOor9Q56-1SLcljAh-WRGJEQF8lhLy5l9JNWE8GGLA7oiGKJT2QOT



繊細かつ俊敏に移動する3Dプリンターですが、このステップモーターのフィジカルなステップとステップの中間を制御するマイクロステップの保持トルクの低さから3Dプリンターの振動の入力によって微細な揺らぎが生じてしまう。これが印刷物の表面に揺らぎの痕跡が残ってしまうリンギングが発生してしまう根本的な原因となっているかと思います。

そんな事も有り揺らぎが発生しない様に Jark と 加速度 や印刷速度を適度にコントロールしなければならないと言う事に成ります。



XY軸の速度コントロールの要素としては、

・Jark(初速)
・Max Acceleration(最大加速度)
・速度
・最小速度

の4つの要素が有ります。

例えば100mm/S と言う速度で印刷する場合に、0mm/S ⇔ 100mm/S を行き来して中間の加速のコントロールが無ければガクガクしてしまいます。

なので、 停止 → 移動 → 停止 を行う場合には、




最小速度から → 設定した加速度で加速 → 設定の速度を維持 → (マイナスの)加速度で最小速度まで減速 → 最小速度で停止

この様な加減速を行う事に成ります。この場合の設定値は、

・最小速度 0mm/Sec
・加速度  1000mm/Sec2
・速度   100mm/Sec

と成ります。
これを仮に左から右にX軸を移動したと仮定して、続けてY軸を奥に移動して直角に移動する場合を考えてみます。




X軸の移動からY軸の移動へ切り替わる所に Jark (初速) の要素が追加されました。
停止からの加速と減速からの停止では「最小速度」が反映されていましたが、X軸からY軸への切り替えでは「Jark」の速度が反映されて、X軸は少しガクンと止まりY軸は少しガクンと動き始めます。
当然ですがJarkの値は小さくした方が滑らかに動きますし、大きい値の方が機敏に動く事に成りますが振動の問題が発生します。
Jark の調整は重要と思いますが、 必要なJarkと加速度の値は関連があると思いますので、セッティングはとても難しい物だと思います。





高額な高級プリンターがありますが、使われているモーターや制御基板などはどの3Dプリンターも粗同じものが使用されています。Prusaが高価な理由の半分は PrusaSlicer に事細かに最適な設定値がプリセットされている事 と言ってしまっても過言ではありません。?

という事で今回使用しているプリンターと同じボーデン式の Prusa Mini のプリセット値を有難く頂きたいと思います。




プリント設定 →速度 →加速度コントロールの項に入力します。
何故この値になっているのか?理由は分かる様な分からないようなですが、Jark とのバランスまでは理解が出来ません。なので加速度とJark の値は共にバランスを崩さない様にまるごとコピーしてしまいます。

外壁印刷の加速度は2000、最外壁は1500の加速度となっており安価なプリンターには大きすぎる値の様な気もしますが、機体の限界 の項で対処しますので大丈夫です。

※外周から内周に向けて加速度の値が大きくなっているのは、90度コーナーへの減速でフィラメント吐出が過多となり、出っ張りが出来てしまう事を予防する措置らしいです。そんなノウハウがあったり無かったりなので丸々そのままコピーします。




プリンター →機体の限界 のページの設定値も基本的に Prusa mini の値をそのまま使います。
※G-CODEに送信を忘れないように選択します。忘れると実際の印刷に反映されなくなってしまいます。




しかし、さすがにこの安価なプリンターでは Prusa と同じ速度で動かす事は出来ません。
少し細分化してみるとX軸(左右)に移動する機構は軽量に出来ているのでほぼ同等な動きで良いかと思いますが、Y軸はPrusaに比べてとても重たくなっているので同じとは行かない筈です。




リンギングのテストをする為にほぼ同じものを90度回転して印刷してみました。Y軸で加速しながらの印刷と、X軸で加速しながらの印刷の比較に成ります。
XY軸の最大加速度はPrusa mini と同じ4000mm/S2のままとしています。
Y軸が影響する方向にマウントした物には長く酷いリンギング痕が発生しました。 重たいY軸には加速度が大き過ぎるようで、先程のマイクロステップの保持トルクの弱さが影響して揺らぎが出てしまっている状況です。
対してX軸が影響する方は少しのリンギングで済んでいます。全て無くすのは困難だと思うので取り敢えずは4000mm/S2のままで大丈夫そうです。




Y軸の最大加速度を1500mm/S2まで下げました。だいぶ改善されましたが、まだX軸に比べてリンギングが大きいようです。ここで思いましたが、印刷時の加速度の設定が1500~2000mm/Secに設定されているので最大加速度の値は1500以下にしなければ影響が少ないんですね。内壁の印刷加速度が2000なので内壁のリンギングが表まで響いているので改善が見られたようです。 という事で最終的にY軸の最大加速度は 1000mm/S2 まで下げる事としました。




再度テストプリントです。
印刷時、最外周の加速度は1500mm/S2に設定されているので、最大加速度4000mm/S2に設定のX軸にはリミットとしての効果は発揮されません。しかしY軸の最大加速度は1000mm/S2と設定したため1500mm/S2の加速度は許容されず、最大加速度で設定した値に抑制される事となります。
結果はXY軸で起こるリンギングを同等とする事が出来ました。もう少し小さな値にしても良いかも知れませんがこちらの印刷物はインフィルの設定のある物ですがX軸4000の加速度での印刷でも表面に響かない様です。という事もあり今回は高速化が目的なのでこの程度としておきます。


移動の場面で加速度の違いがわかりやすい物があったので動画にしました。



印刷速度 100mm/Sec
移動速度 240mm/Sec
移動加速度 4000mm/Sec2
X最大加速度 4000mm/Sec2
Y最大加速度 1000mm/Sec2

Y軸の移動が少し滑らかで、X軸の移動が俊敏になっています。音を聞いていると分かり易いかと。もしかするとY軸方向の移動は最高速迄達していないかも知れません。
コレでも実際はまだY軸の振動の方が大きいのですが、XとY軸で加速度限界を個別設定する事で機体の限界で印刷出来ているかと思います。この設定を使うと、古い機体ですが割に早く動かしてもガタガタしないです。




スライサーで移動速度を確認して見ました。X軸は即座に240mm/Secに達していますが、Y軸の移動は最高速に届いていない部位が目立ちますね。
PrusaSlicer は解析画面が充実しているのでとても使い易いです。


機体の限界の項の最大加速度の値を変更する事で、深い理解が出来なかった Jark と 加速度のバランスを Prusa mini の値を使用しつつ自分の使用する機体に合わせて抑制をかける事が出来ます。 インフィルはもっと雑な印刷でいいような気もしますが乱れは結局は表面まで響いてきますのでこの位で仕方なしです。ですがX軸の動作には影響が無いので、X軸とY軸とで動作の機敏さは変ってしまいますが印刷時間は極力削減出来るセッティングとする事が出来ます。



と言う事で今回は少し「WON'T BE LONG」 なセッティング方法になってしまいました。

※足りない頭なら、知恵を盗めばいい。。



注、 当ブログに帳尻合わせの為の嘘は含まれておりません。当社比です。



工夫と思っていただければ幸いです。



ファームウェアのMarlinには JunctionDivision と言うJark制御よりも簡単に使える制御も入っているのですが、なぜだか利用されない傾向です。Marlin的にはJunctionDivisionの方が標準になっているので現状はClassicJarkとしてわざわざ古いJark制御を使用している感じです。私が自分でMarlinをビルドして居た時に有効にして使用したことがありますが、小さいRでカーブする場面で減速が効きにくい感じであまり良い印象ではありませんでした。

Prusa は MK4になってステップモータが400ステップ、0.9度/stepの物に変更になりました。多分ですが保持トルクの最大値が減少して脱調の危険は高まりますが、マイクロステップ時の揺らぎの幅を削減出来てリンギングの発生を減らす事が出来るのかと思います。
最近話題のインプットシェーパーは、この揺らぎをセンシングして、ノイズキャンセリングのイヤホンの様に逆相の振動(磁力)を発生させて振動を打ち消す制御を掛けるそうです。と言ってもなかなか怪しい制御ですが、、高速な印刷を行うのにあたりマイクロステップを使用する限りは何某かの改善策は必要になる模様です。




3Dプリンターは未だ未だ道半ばと言った所です。



Posted at 2024/10/14 04:11:28 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2024年10月10日 イイね!

(3dp) 3Dプリンターの設定値を初心に戻って考え直す。 ①移動とリトラクト 編

(3dp) 3Dプリンターの設定値を初心に戻って考え直す。 ①移動とリトラクト 編私が現在使用している 3Dプリンターは ボーデン式のプリンターなのですが、35mm/sec程度の低速で印刷する分には何の問題も無くお気に入りのプリンターでした。

最近使用頻度が上がり「もう少し早く成らないかな?」と思うように成り、新しいプリンターに目移りしがちです。

という事でこの際なので SlicerSoftの設定を見直して、少しでも高速化が出来ないかと言う観点で SlicerSoftの 設定項目と設定値を総ざらいで見直してみたいと思います。




因みに使用しているプリンターは ELEGOO の NeptuneX に成ります。
ボーデンタイプという事と、Y軸の機構の上にX軸の機構が載る構成の為、Y軸が重たくなっているのが高速化に対する弱点です。



今回は ①移動編です。


移動の要素を上げてみると、

1,リトラクション
2,ワイプ
3,移動リフト
4,・外周をまたがないようにする
5,・境界線をまたぐときだけ吸い込み
6,移動速度

この位でしょうか? 簡単に捉えてしまう移動ですが結構要素が多く複雑です。
詳しく見る事で印刷時間の削減や、糸引きなどの印刷品質の低下を防ぐことが出来るかと思います。

具体的に見て行きます。




この様なテストピースを印刷するとします。




印刷中の断面を見ると、1層の印刷でこの層だと7回、正確には12回の「移動」が行われています。

青線で書かれているのが印刷の無い「移動」に成っていますが、移動の前にはピンクの点で「引き込み」、移動の後には青の点で「復帰」が書き込まれていて、ピンクと青のセットで 1,の要素の「リトラクション」に成ります。

リトラクションを確認する前に、




写真は一般的な 3Dプリンターのホットエンドと呼ばれる加熱部とノズルのセットに成ります。
金色のアルミブロックはヒートブロックと呼ばれて、ヒーターと温度センサーを取り付けて約200℃から240℃程でコントロールが出来る様になっています。
そこへフィラメントと呼ばれる樹脂の材料を突っ込むことで溶融してノズルから吐出される仕組みに成っていて、材料自体が溶融した材料を押し出すピストンとしても機能しています。白色のPTFEチューブは断熱材として機能してノズル部の直近まで差し込まれています。
印刷中には適度に材料を押し込むことで吐出しているのですが、移動時には押し込みを止めただけでは材料の吐出が止まらず、押し込まれる材料の残圧の分をフィラメントを引き戻す事で吐出が止まる事に成ります。
それが写真のピンク点の「引込み」に成ります。その逆、吐出を止める以前の状態までフィラメントを押し戻す事を写真の青点の「復帰」と言います。





リトラクトを使用するの設定にしていると、「移動」の前後にピンクと青の点が付くのが見て取れます。これがリトラクトに成ります。
移動中の樹脂の垂れ出し防止を目的とします。



その引き戻しに工夫を加えたのが「ワイプ」に成ります。



図は外壁が接続されて外壁の印刷が終わり、リトラクトを行い次の印刷場所へ移動する一歩手前の状態です。




これは普通のリトラクトを行った場合の挙動です。 ピンク点と青点のセットが出来ています。




ワイプをONにしました。 ピンクの点が無くなって黄色の線に置き換わりました。
先程の「引込み」は停止して一点でフィラメントを引き戻すのですが、ワイプの機能では黄色線の分だけ移動しながら「引込み」を行います。ノズルの先端に少し残ったフィラメントを印刷物に擦り付けて切れをよくする事を目的としているそうです。印刷物の一点に無駄な熱も与えないですね。
これが 2,の要素の「ワイプ」に成ります。



次は「移動リフト」です。




こちらは移動の際に 移動リフトを追加した所です。ワイプがONの状態なのでワイプしてから 移動リフトが実行されているのが見て取れます。
Z軸を浮かせる事で糸引きや印刷物とノズルとの接触を避ける事を目的にしているそうです。
これが 3,の要素の「移動リフト」になります。



次は「外周をまたがないようにする」です。




内周側の印刷を終えて外周側への移動の場面で、この機能の OFF と ON の違いに成ります。移動時に移動リフトを行わずに印刷済みの外周部を跨いで直線状に移動してしまうと、印刷物との接触や糸引きが起きて印刷物を汚す可能性があります。なのでこのオプションで遠回りをして印刷物の表面を汚さないようにします。

このオプションを使用した状態だと引き戻しを行わずに樹脂を垂らしながら移動しても印刷物の表面が汚れなくなるので、比較的時間の掛かるリトラクトを行わない設定にしてリトラクトの回数を削減する事も出来ます。
プリント設定 →インフィル → モード||アドバンス の中に、「境界線をまたぐときだけ吸込み」 のオプションが用意されています。




「境界線をまたぐときだけ吸込み」を ONしました。 移動時のリトラクトが7回から1回のみに減少しました。リトラクトを行わなくても印刷物の内側であれば汚れが見えないと言う理論でRETRACT回数の効率化を行った感じです。
これが 5,の要素の「境界線をまたぐときだけ吸込み」に成ります。

一カ所のみ残った不思議な? 外壁を跨ぎリトラクションをも行う移動がありますが、これは一段下の印刷が終了した箇所から現在の層の印刷開始位置までの移動になります。
Z軸がリフトされた状態での移動になっているので、「外周をまたがないようにする」が無視されて有効に成らない ”仕様” の様です。(PRUSA slicer2.8.1の固有のバグだった様です。)



各要素の確認が済みましたので、ここからは実際にどのような設定にするのが良いのか?考えてみたいと思います。



1,リトラクション



リトラクションの引戻し量の最適値は校正ツールが提供されているのでそれを使いました。(PETGなんでなんですが)今回は OrcaSlicer の校正ツールを使用しました。4.5mm程度がBetter の様です。ノズル内に残る圧力は印刷スピードが上昇すればする程に上昇する訳で、印刷速度によって最適値が異なる事に成ります。テストプリントの際は実際の印刷速度に則したスピードにする事がポイントに成ります。




リトラクション関係の設定値を入力します。

・リトラクションの長さ 4.5mm
・引き込み速度 160mm/s
・待機からの復帰速度 80mm/s
・追加長さからのリトラクション戻し 0.15mm
・吸込み後の最小移動 2mm
・レイヤーチェンジ時の退避 ☑

引き込みと復帰の速度は出来るだけ高速にしました。これは印刷品質にも影響がありますが、主に何度も繰り返すリトラクションが印刷時間に与える影響を削減したいのと、高速にすると印刷中の音が子気味良く成るから。。

https://youtube.com/shorts/BmcNFTNEKQM?si=KzBmKlSnbFCALm_Q

160mm/sに設定したリトラクトの様子。

復帰の速度は速すぎるとノズルからの吐出が雑で印刷が荒れる事があるので、引込み速度の1/2としました。一般に40mm/sec程のスピードで引き戻すのが良いとされている様ですが、今回は音が良い方が良いので高速にします。引き込み速度違いでのシーム跡の確認模した方がイイかも知れませんが、次回以降で。



・追加長さからのリトラクション戻し

これはフィラメントを復帰する際に余分に押し出す量の設定です。今回の設定だと 4.5mm+0.15mm =4.65mm復帰します。他の機会に書きますがボーデン式のシステムでは影響が無い範囲で出来るだけ多く追加のフィラメントを押し出した方が印刷が奇麗になる状況が起きやすいです。低速な印刷(ノズル内圧が低い状態)→リトラクト&移動 →高速な印刷(高いノズル内圧が必要) の状況の時に追加の押し出しがあるとノズル内圧が上昇しやすく、急激な吐出量の増加に対応出来る様に成り印刷品質が保たれます。又、引込み中は解けたフィラメントからピストンとなる筈の溶けていないフィラメントへと熱が移ってしまい、復帰した際に座屈する様にフィラメントが変形して吐出量が減ってしまう要素もあります。なので影響がない範囲で出来るだけ多く追加の復帰を行います。
35mm/sまでの印刷速度ではノズル内圧はとても低い状態のままなのでフィラメントの送り速度に対して吐出量が遅れる事が粗無いので気遣いは必要ないのですが、ボーデンタイプでそれ以上の印刷速度を目指すとなると細かい所まで考えなくてはなりません。



・吸込み後の最小移動 2mm



通常の外壁の印刷時には一周ごとに壁の厚さ一層分の移動を行って、図の印刷では3周の外壁印刷をしますが、移動は少なくともノズル径分の0.4mmの移動が発生している訳ですが、最小移動 未満の移動ではリトラクトが発生しない設定に成っています。(左図)
仮に 吸込み後の最小移動 を0mmにしたのが中央の図。一週ごとの移動の際にもリトラクトが発生してしまうので最小限の数値は必要のようです。
余談かも知れませんが図右の、外壁のシームの設定で 「ジグザグ状のインナーシーム」 と言う設定があります。シームが重ならなくなる事で美観と剛性を向上させるそうですが、この場合は移動量が増えます。ジグザグと翻訳されていますが段違いにするみたいな意味の様です。(右図)
という事で 吸込み後の最小移動 2mm位が妥当かと思います。更には、込み入った塗り潰しでRETRACTが過剰に発生してしまう場合などはもう少し大きな値を入れて改善する。その様な使い方もできると思います。



・レイヤーチェンジ時の退避 ☑



OFF と ON でのスライスの結果を並べました。分かり難いですがレイヤーチェンジの時に、

OFFの場合には、 Zのリフト → 引き込み →移動 の順になっています。
ON の場合には、 引き込み →Zのリフト → 移動 の順になっています。





G-CODEで見た方が分かり易いかな?

引き込んでからリフトした方が糸引きの可能性が下がるので ☑ON にします。

蛇足:
この時の移動に「外周をまたがないようにする」が適用されると糸引きが発生しなくて良いのですが、今の所適用外の様です。現在のVer. 2.8.1では直線的に移動してしまいます。仕様が変更になる事を願います。。





ここ迄で良かれと思う機能をONにした物と、OFFにした物を同じように印刷して比較します。
一方は糸引きが酷くなってしまいました。原因は主に「移動リフト」を使用した事が原因の様です。
移動リフトはノズルからの垂れ出しが少ない機種では造形に対して良い影響が出るそうですが、我が家のプリンターは垂れ出しの制御が難しいボーデン式の為、この機能を使ってしまうと逆効果になってしまう様です。

移動リフト →・リフト高さ 0mm にします。



これだけでは糸引きの改善が出来ないので、

プリント設定 →レイヤーと外周 →高品質 内の ・外周をまたがないようにする を☑ON にします。



移動リフトは使わずに 外周をまたがないようにする を使用します。この機能は印刷済みのワーク上を移動するので長いワイプをしているのと等価なので、この機能を使用する場合は ワイプ機能は OFFで構わない事に成ります。

・吸込み中にワイプ ☐OFF





最後に成りますが 境界線をまたぐときだけ吸込み はリトラクトの回数が激減してとても良いオプションに感じるのですが、先ほども言いましたがボーデンタイプではノズルの残圧が多く成ります。残圧が多く成るという事は逆に言えば加圧時の圧の上がり方が緩慢になってしまう事にもなります。
長い移動の時にリトラクトを行わずに残圧を吐きながら移動を行うと、再度の印刷開始時にノズル圧が不足する事態が発生してしまいます。なので残念ですがボーデンタイプではいちいちリトラクトしなければなりませんので、このオプションは ☐OFF しておきます。





纏めると、

・リフト高さ            0mm(不使用)

・リトラクションの長さ       4.5mm
・引き込み速度           160mm/s
・待機からの復帰速度        80mm/s
・追加長さからのリトラクション戻し 0.15mm
・吸込み後の最小移動        2mm
・レイヤーチェンジ時の退避     ☑ON
・吸込み中にワイプ         ☐OFF

・外周をまたがないようにする    ☑ON
・境界線をまたぐときだけ吸込み   ☐OFF


以上がボーデンタイプのプリンターとしては良い所なんじゃないか?と思われます。
リトラクトの長さと速度とシーム跡の関係にツッコミが足りない様ですが、気が向いたらシームだけでもう少し突っ込んで纏めたいと思います。

最近 OrcaSlicer や BambuStudio が流行っているのでPrusaSlicerでのセッティングは今更って感じでもあるのですが、OrcaSlicerもBambuStudioもPrusaSlicerがベースとなっているので無駄になる事は無いかな??






余談に成りますが、写真は印刷中のフィラメントを熱されたまま抜き取った物になります。プリント中のフィラメントの溶けている部位と溶けていない部位が明瞭ではないようです。





更に、フィラメントの送り出し用のステップモータを エクストルーダーと呼びますが、ボーデン式では長いチューブを介してエクストルーダーからホットエンドへとフィラメントを送り出す為に昇圧のタイムラグが出たり残圧が多く成り、制御と実際の吐出との乖離が大きく成る欠点があります。(その代わりにヘッドが軽量になるのでリンギングが起こり難い)



以下はボーデン式が苦手とする印刷条件が端的となる印刷例の紹介です。




テストピースの印刷ですが、背面がオーバーハング(ブリッジ)しているので冷却時間を得る為に 15mm/Secまで速度を落としています。 そこから通常の速度まで加速する場面での印刷です。




各速度毎の印刷結果です。※演出も含まれます
一度減速してしまうとノズル圧力が低下してしまいます。 そこから加速に転じる場面ではノズル圧力上昇のタイムラグにより吐出が過少となってしまいます。速度差、正確にはフィラメントの流量差、さらに正確にはノズルの圧力勾配が大きく成ればなる程に吐出遅れは顕著となってカスレが酷くなっていく様子が見られます。制御値と吐出量がリンクしない、3Dプリンターの弱点です。
35mm/Secでの印刷は今までの経験から設定していた印刷速度でしたが、こうして見ると理にかなった印刷速度だったと確認にもなりました。従来の普通の3Dプリンターの実力ってこんな感じでしかありません。。最新のプリンターが羨ましい。。。

フィラメント吐出のタイムラグを減少させる為にボーデン式から簡易なダイレクト式に改造を行うと、次は重量から来る軸のブレによる ”リンギング” に悩まされる事に成るのでそれはそれで高速印刷には適しません。。
重量も問題なのですがステップモーターのマイクロステップ制御には保持トルクの極端な低下が伴うので、そこも3Dプリンターの本質的な問題としてあります。




という事で、基本的にノズル圧のコントロールが難しいので、低速にしても高速にしても出来るだけ吐出量を一定としてノズル圧力を一定に保ちつつ、 XY軸の移動スピードをコントロールして印刷すると ”イイ感じに成る” と言う理屈が出来上がります。




つづく











Posted at 2024/10/13 19:36:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月30日 イイね!

(3dp) これまでの3Dプリンター、これからの3Dプリンター。

(3dp) これまでの3Dプリンター、これからの3Dプリンター。2024年の今年、3Dプリンター界隈を4年ほど見てきましたが、最近のトレンドは、

1,高速印刷
2,手軽さ

この2点が大きなトレンドでしょうか?

現在の3Dプリンターの立ち位置を知る為に、3Dプリンターの生い立ちから現在までをざっと書き出してみたいと思います。


現在の家庭用3Dプリンターの殆どが 「RepRap」 プロジェクトに源流を持ちます。RepRap は 自己複製機械 をテーマとしていて、機械が機械を生み出して増殖していく事を研究するテーマとして、3Dプリンターはそのテーマのためのハードウェアとして発展した歴史があります。
主眼は3D印刷技術では無く、自己増殖の方だったようです。

RepRap のHP
↓ ↓ ↓
https://reprap.org/wiki/RepRap/ja



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RepRap で使用された初期型のプリンター


RepRap は増殖を目的としているのでフリーで図面やSoftware が配布されており、それをそのまま利用したり、それをベースとして研究されて高度化された物もまたフリーとして共有がされて来ました。


RepRap に源流を持つ3Dプリンターを 3Dプリントマシンとして発展させてきた企業として、


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プルサリサーチ社 があります。https://prusa3d.jp/

RepRap のコンセプト通りに3Dプリンターで3Dプリンターを生産して販売しているのが特徴です。プルサリサーチの創業者のジョセフさんは RepRap プロジェクトの創設者の一人でもあるそうです。なので RepRap の正当な?純正の? プリンターとしての認知と、各メーカーのモデルのコピー元となって来ました。


歴代のモデル ↓


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Prusa i1



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Prusa i2



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Prusa i3

↑ この Prusa i3 が現在の3Dプリンターの新たな潮流の源流と成りました。


Prusa i3 のクローンが主に中国の企業からキット化されて販売されました。最近の3Dプリンターのブレイクのキッカケとなったのは AnyCubic社 の i3 MEGA-S や、Crearty社 の Ender-3 辺りでしょうか? どちらもクローンなので i3 の3の名前を引き継いでいるんですね。


AnyCubic i3 MEGA-S

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Crearty Ender-3
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RepRap は自己繁殖を目的としたフリー素材なので、販売目的であっても自由にコピー?クローンの販売が可能の様です。現在でもPrusaの設計図面はフリーで流布されているそうです。

ここ迄が数年前までの3Dプリンターの発展の流れと成ります。
ハードウェアはバラック組みのプロトタイプの様な物から、企業の製品の様に一気に洗練されました。




ここ迄は製品としての3Dプリンターでしたが、ここからは少し細分化してプリンター内で動作する Firmware のお話に成ります。


これらの3Dプリンターはマイコンで動作しているので、そのマイコンにインストールする Firmware と呼ばれる機器内で動作する Software が必要になるのですが、そのソフトウェアの開発もまた Hardwareと並行して単体のプロジェクトとして発展し REPRAP と共に共有され共有・配布と高度化が行わてきたものが各クローン製品に搭載されています。



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Marlin のHP
↓ ↓ ↓
https://marlinfw.org/docs/basics/introduction.html

フリーとして発展した Firmware として幾つかのプロジェクトが有ったようですが、一番発展して採用実績が多くメインとなったのが Marlin Firmwareです。
去年までの販売されていた3Dプリンターの粗全てが Marlin Firmwareで動作していると言っても過言ではありません。
Prusa i3、ANYCUBIC i3 MEGA-S、CREARTY ENDER-3 全て Marlin Firmware がインストールされて動作しています。


ただこの Marlinですが、REPRAP のバラック組みだった頃に採用された標準マイコンがファミコンのCPUの様な安価で処理速度の速くはない物が採用されていたため、高速な動作を目指して作られた。と言うよりは、限られたマイコンのパワー内で如何にして上手に動かすか?的な作り方をされて来た経緯がありました。
マイコンのスペックは、AVR ATMEGA328 8bit 20MHz でした。
このマイコン上で動作するのが Marlin Firmwareの 1x系の 最終更新版は 1.1.9 と成ります。

ここ迄が3Dプリンターの創成期から2022年頃までの Marlin Firmwareトレンドと成ります。



Marlin Firmwareの開発はここで一つの転換点を迎える事に成ります。マイコンの能力が足りなくなりそれまで使用し続けてきた8bitマイコンを諦めて32bitマイコン上で動作する高性能路線へと舵を向ける事と成りました。
ここから始まるのが Marlin 2x 系に成ります。2024年の今最新verは、2.1.2.4 となっています。(正確には2.0x系は8bitマイコンでも動作が可能です。2.1x系から8bitがサポートから外れました)

採用されたマイコンは始め ST32F103 32bit 72MHz が採用されたようですが、ソフトウェアとしての資産が8bitに強く最適化されていたために32bitCPUを効率的には使用できず、あまり高速には動かない感じだったようです。
次に ST32F407 32bit 168MHzが採用されて、高Clockのパワーを使用してそれなりの高速動作が実現されたようです。
今の所CPUパワーを使用したインテリジェンスな機能を実現していると言うより、CPUの高Clockを利用して従来の制御のまま高速に動いているという印象です。


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ハイセンスなデザイン?の ANKER社製3Dプリンターもフリーソフトの Marlin Firmware がインストールされています。
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この製品には168MHzを優に超えるハイパフォーマンスなCPUを利用している物と思います。
この辺りが Marlinの先っちょ。現在の到達地点だと思われます。高度化に舵を切ってから未だ時間が経っていないので、便利機能が追加されたとかまだ昨今の手軽さを実現した感じではありません。高ClockのCPUで高速作動を実現するのみで印刷に対して気の利いた新しい制御などは有りません。(十二分ではあるのですが)




ここで Marlinに強力なライバルが現れました。Klipper Firmwareです。

alt

klipper のHP

Marlinとは違い現代の高パフォーマンスなマイコンに端から照準を合わせて設計された、3Dプリンター制御の現代化を狙った高性能なファームウェアっといった印象です。本体の振動をF/B制御したり、印刷ノズル内のフィラメントの吐出圧力をセンシングしたりするそうです。他にも本体騒音の個体差もF/B制御で静音化にも配慮しているのだとか。
2023年になってからちらほらと搭載機種を見掛けるように成り、2024年の今年には高速印刷が受け入れられて、すっかりと人気機種となったようです。
一説によると?マイコンには 1.5GHz クラスの十分に高速なものを搭載しているそうです。

Klipper Firmware 採用による高速印刷の波に乗って一気にメインストリームに躍り出たのが アメリカのテキサス州、中国の深圳と上海、日本で展開する新興メーカーの BanbuLabo社です。



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エンジニアリングされたハードウェアにインテリジェンスな Klipper Firmwareを搭載して、3Dプリントの時代が一新された感があります。

印刷品質に関しても 海外の 3Dプリンター系の YouTuberたちの比較動画を見た限りですが、Marlin系の Prusaを超える印刷品質を担保しているとの事です。
手軽さも「3Dプリンターが家電レベルに」と言われる程と成り、簡単に操作が出来、高レベルな印刷が誰にでも行えるようになっているそうです。
手軽さ、静音性、印刷品質、製品サポート、何を取っても今までのプリンターとは隔世の感となっています。

業務用3Dプリンターの業界でも隔世の感となり、Bambu かそれ以外、他社はBambuの劣化コピーとまで言われてしまっているようです。

3Dプリンターの高性能化は Firmwareによる影響が大きい事がご理解いただけるかと思います。


2023年から3Dプリンターは Klipper Firmware と BanbuLabo社の登場により、新たな時代に突入したと言った所です。

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デザインもサイズも良くてイイですよね。 BanbuLabo A1 mini 3万円台です。farmwearは BanbuLabo社 が Klipper をカスタムしたものが搭載されています。

一番の特徴はこれ
↓ ↓ ↓


「A1 mini は、3D プリントのフロー制御に革命を起こします。高解像度、高周波の渦電流センサーを使用してノズル内の圧力を測定します。当社のアルゴリズムは、測定値に応じて流量を積極的に補正し、正確に押し出します。」

これを実現しているのはBambu Labo ただ一社です。(私調べ。)
他社とはエンジニアリング力の格差が著しい。


ご興味がある方はこちらの動画で詳しくレビューされていますのでご覧下さい。(字幕と翻訳ONでご覧下さい)
↓ ↓ ↓





遅れを取っているかのように思える Marlin系のプリンターですが、先陣を切って改良に当たっているのはやはり Prusa社となっています。Prusa社は Marlinを採用はしているのですが自社で改良を重ねてスープアップしているので生粋のMarlinとは少し違ってきています。最近では Klipper の機能に合わせたかのような機能アップを狙ったMK4が発売になりました。


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従来までは i3 MK3 とか、i3の名前が付いていたのですが、今回からi3が外れて MK4 と言う名前に変更になりました。
歴史のある i3だったのですが、商品的に過去との決別を意識したのか? 名称変更になってしまいました。(こう言うので成功した事例を見た気がしないのですが大丈夫なのかな?)
Prusa i3の改良の歴史はこちらから
↓ ↓ ↓
https://ja.wikipedia.org/wiki/Prusa_i3
  Prusa i3 Wikipedia

MK4ではフレームから変更になっていて、HOTエンドの高流量化への対応を済ませて、高速化による振動への Hardwareとしての対応と farmwearでの対応も同時に行われ…なかったようです。ここ迄の流れを理解するとMK4のアップデートの中途半端感が見えてくる人も居るのでは無いでしょうか? farmwear の開発が遅れているようですね。
とは言えサーボモーターの0.9度Step品への変更と新たな高速マイコンの導入が行われたので、音も滑らかになり良く動くプリンターへと変貌した感があるのもと思います。




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ここ迄の移り変わりを写真にするとこんな感じです。




後塵を拝している感のある Marlin系採用の3Dプリンター陣営ですが、3Dプリンターによる3Dプリントは、本体の性能だけで印刷品質が決定される訳ではないので、必ずしも最終的に得られる3D印刷製品が Klipper系のプリンターに劣るという事には成りません。


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上の写真はPCで3Dプリンターへの指示をシュミレーションするスライサーソフトの画面になります。


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3Dプリンターのツールパスや樹脂の押し出し量をはじめ、クーリングファンや温度の設定もこのスライサーソフトを使ってpc上で行います。
この左側の文字列の羅列がスライサーソフトの出力と成ります。このG-CODEと呼ばれる主に座標の羅列を3Dプリンターが読み取りながらその通りに印刷を行う仕組みになっているので、印刷品質にはSlicerSoftの影響が大きく関与します。


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スラーサーソフトから出力される G-CODEの羅列。XYZの指示と樹脂の押し出し量、クーリングファンや温度の指示も全てG-CODEのコマンドとしてスライサーソフトが3Dプリンターへ指示を出す仕組みになっています。具体的にはこのG-CODEをファイルにして3Dプリンターに送り、3Dプリンターがそれを読み込みながら印刷します。
逆に言えば3DプリンターはG-CODEの通りにしか動かないので、このC-CODEの品質が印刷品質を決めると言っても過言ではありません。 このスライサーソフトの出来や設定が3Dプリントの品質に於いて大きな割合を分担している事に成ります。



このスライサーソフトも REPRAP と共に研究開発され、共有・配布されて来ました。その代表格が Slic3r と成ります。

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ですがSlic3r は数年前に開発がSTOPしていて、その開発を受け継いだのが PrusaSlicer となっています。(正確にはSlic3rのPrusaEditionが PrusaSlicerとしてSlic3rを引き継ぎました)

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当然双方フリーソフトです。



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そして Bambu社が3Dプリンター業界に参入に当たり独自に開発したのが BambuStudio です。BambuStudio は PrusaSlicer をベースとして開発されてこれもフリーソフトです。印刷品質の良いPrusaSlicerを印刷エンジンとして、取っ付き易いCuraSlicer の UI を導入した感じの仕上がりになっています。出来るだけ簡単に、家電感覚で使用できる感じを狙っている様です。


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BambuStudio から更に枝分かれして開発された OrucaSlicer も最近流行です。



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これら3者のSlicerSoftは 印刷品質の向上を目指して各々開発を進めていますが、3兄弟なので互いの良い所を導入しあってさらに良いSlicerとして発展を始めている所となっています。

SlicerSoft はUIに大きな違いがありますが印刷エンジンは同じものが使用されているので、出力される G-CODE はユーザーの設定次第で印刷品質が異なってくると言えるかと思います。



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ここまでを纏めるとこんな感じの系統になります。

今回は Reprap projectの系統を軸に 3Dプリンターを見てみました。当然他の系統も有りますのでこの限りではありませんが、生い立ちから現在までの3Dプリンターを私なりの理解で紹介してみました。


A1 mini 欲しいな。。 と思い書いてみました。





ー追記ー
bambulabのプリンターはklipperでは無く、オリジナルのファームウェアが搭載されているそうです。
klipperの搭載との記載は間違いでした。
Posted at 2024/09/30 14:56:47 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月29日 イイね!

排気干渉とは。 私が間違っていました。

排気干渉とは。 私が間違っていました。前回、こちらのブログで 4-2-1 タイプのエキマニの排気干渉について書きましたが、どうやら間違ってしまったようです。。





こちらのイラストは 4-2-1タイプの集合部の説明には不適格でした。


イラストを見ると 4-2-1タイプは 2-1の集合部までが長く、排気脈動が到達するタイミングをずらす事が出来るので排気干渉が起きない、と見とれますが、この効果は 4-1タイプの集合部までの距離をイラストの 4-2-1と同等まで長く取った場合にも同様の効果を得られるので、集合部までの長さ違いでの特性を表している事に成り、4-2-1 集合特有の効果を表したものではありませんでした。。
どうも通説があるとそちらに理解が引っ張られてしまいます。。(イイワケ)






考えたのですがきっと、排気干渉の原因となる衝撃波(排気脈動)を減衰させる機構なのかな?と今のところ考えています。
1番シリンダーに到達する排気脈動が排気干渉の原因と置いた時、①2-3の集合部で衝撃波が分散する。②1-4の集合部で衝撃波が分散する。 こう考えると 4-2-1タイプのエキマニは排気脈動によるデメリットを低減する為にそうしている。と考える事が出来ます。
こうする事で狙いの出力特性を実現する集合部長さを設定しても、副作用として排気干渉してしまう回転領域の排気干渉をキャンセルして、全域で排気効率に優れる排気管とする事が出来る。と言う理屈が成り立ちます。

こう考えると、




この様な排気管の狙いも見えてくる???
排気脈動を排気の効率向上に使用するのでは無く、排気干渉の原因となってしまう排気脈動を低減すると言うコンセプトかな?
最高出力狙いの集合管だとして、中回転に排気干渉する回転タイミングが出来てしまうとしたら、4-2-1 にしたり エキパイ同士を繋げてしまう事で排気脈動を低減して排気干渉を低減する。多分こうじゃないかな?と思います。


そう考えると、SR400/500の純正マフラーに付いているボックス?お弁当箱?を考えるための理屈にも使えます。




6-2-1 の集合管には 6-1 ではダメで 6-2-1 にしなければならない、しっかりとした理屈があるのですが、4-2-1 の集合にはその理論が当てはまりません。。



次回は、6-2-1 の排気干渉についてかな?





Posted at 2024/09/29 04:13:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2024年09月23日 イイね!

排気干渉とは。 良いイラスト見つけました

排気干渉とは。 良いイラスト見つけました排気干渉とか排気脈動って言葉をよく耳にしますが、実際何?って所が不明だったので、調べたらすぐに答えが見つかりました。

今回のイラストも排気干渉を説明する上での神イラストだと思ったので紹介します。



出典 https://motor-fan.jp/tech/


最近エンジンの事をしらべると大体モータファンのページにたどり着きます。

MFのページにこのイラストが有ったのですが、イラストの紹介のみで技術的な説明が無かったので、文脈的にマツダのSKYACTIVエンジンのメーカーの説明のスライドを転載した物なのかな?と思われます。


4気筒エンジンの集合管を考えた時に 4-1 タイプの集合管は 4,000rpm未満の領域で排気干渉が起きる。と説明されているようです。特に4,000rpmでは吸気への吹き返しも有るよ。と丁寧に書かれています。ポジティブに捉えるとオーバーラップ時に集合管による掃気効果が期待出来るよ。とも見えますね。
(当然一例の説明なのでバルタイやエキマニの長さによって回転数の値は変わってきます。)

4-2-1 タイプでは 2,000rpm以上の実用領域では排気干渉が起こらない。と説明されているようですが、深読みすると8,000rpmに近い高回転では排気干渉が起こると読み取れます。

一般的に言う 4-1は高回転型で 4-2-1 は低中回転型 という事が分かり易く表現されていると思います。神イラスト!!

このブログだけ読んでいる方には分かり難い説明となってしまって居ますが、ここまでのブログを読んで理解いただけている人には分かる様になっていると思われます?


パット見で矢印は排気脈動の到達ポイントを示しているように見えますが、、ちょっと計算して確認しましたが、4-1のエキマニで50度の位相で脈動到達と仮定すると、集合部まで70cmと計算出来たので、排気脈動を示しているで間違いが無い様です。(←エキマニの排気脈動の計算が出来る様になりました)




話は変わりますが、4気筒エンジンで集合させない単気筒毎にBestな排気管を考えた時に、とある排気量で12,000rpmが最高出力となるエンジンで、エキパイのΦ数を××mmと設定した時の集合部までの最適長さは 1mになるそうです。イメージとは違い長くすると高回転高負荷型。短くすると低回転低負荷型に成ります。これは私がネット上で見つけた唯一の具体的な集合管の設計手法と数値です。理屈はまた別の機会にしますが、この1mの排気管を集合して集合管とするのがBestなのだと思いますが、必ずしも集合管で得られる効果と排気干渉で起こるデメリットがユーザーの要求通りとは限りません。

実際に集合管を設計しようと思うと、脈動による排気干渉の計算値と、単気筒分での最適な長さとのアンマッチが起こる事に成ります。バルタイで調整を行ったり、どちらかの特性に寄せるなどのすり合わせが必要になる様です。


どこかのバイク屋さんが、高回転では抜けが良く、低回転では適度な抵抗があるマフラーが良い。なんて書てるのを見掛けましたが、しっかりとした設計手法から見るととてもチンプンカンプンで面白い理論です。。。「それは 違うと思う 」ってやつですね。
とか言いながら私も高校生の時は同じことを考えていました。誰もが通る道ですね。




排気系の理屈を紐解くのはなかなか難しいですが、もう少し理解が深まったら纏の記事にしたいと思います。 それまでは小出し記事が続きます。。




SR400/500のノーマルマフラーに付いているお弁当箱は、あれは脈動のコントロールをしている物と思います。(未確認なので空想話です。どうなんでしょうか?インテークチャンバーと同じ理論じゃないかな?)







エンジンが好きな人には面白い? おすすめ動画です。




ー追記ー

記事の内容が間違っていました。。。
イラストを見ると 4-2-1タイプは 2-1の集合部までが長く、排気脈動が到達するタイミングをずらす事が出来るので排気干渉が起きない、と見とれますが、この効果は 4-1タイプの集合部までの距離をイラストの 4-2-1と同等まで長く取った場合にも同様の効果を得られるので、集合部までの長さ違いでの特性を表している事に成り、4-2-1 集合特有の効果を表したものではありませんでした。。
どうも通説があるとそちらに理解が引っ張られてしまいます。。(イイワケ)

こちらに新しい記事を書きました。


Posted at 2024/09/23 04:28:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記

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