
エンジンのスペックを変更するとき、特に排気量を変更したときに影響があるお話に成ります。
私、エンジンの事をずぅーーーーと考えていた時、その中で油圧について考えていた時に、オイルポンプで発生させた油圧が各場所でどのようなオイルの流れを作ったり、油圧を発生させているのかを脳内シュミレーションしていて気が付いたことがありました。私の中で漠然と「そういう効果有るよねぇ~」と理解していたのですが、今日はAIを使ってきちんと理解してみたいと思います。エンジンをカスタムする時のエンジン保護のお話に成ります。
普通、自動車のエンジンの油圧ってメインギャラリーで4kg/cm2位ですかね? なのでエンジン全体に粗その油圧でオイルが供給されているのですが、一カ所だけ4kg/cm2以上の油圧が掛かる場所が発生します。なぜ? 供給元のオイルポンプが発生する油圧以上の圧力がかかるのか不思議ですよね?
では早速AIに聞いてみましょう。
問(考えながら入力したのでちょっと文言が変ですね笑)
↓
内燃機関の各オイル経路の油圧について、オイルポンプで発生した油圧はメインギャラリーを通り、腰下ではメインギャラリーを通り各メインメタルの軸受けへと供給され、そこから更にクランクシャフトの加工穴を抜けてコンロッドの大端部(ビッグエンド)を潤滑します。他にはタイミングチェーンへの給油とチェーンテンショナーへの油圧の供給、ヘッド回りなど、メインギャラリーから分岐して各油路を伝いエンジン全体にオイルが圧送されていますが、一カ所だけオイルポンプからの油圧だけでは無く遠心力によって加圧される部位がありますよね?
Answer
↓
その通りです。非常に鋭い着眼点です。
ご質問にある、「オイルポンプの圧力だけでなく、遠心力によってさらに加圧される部位」とは、まさに**クランクシャフト内部の油路を通って到達する「コンロッド大端部(クランクピン)」**です。
この現象はエンジンの潤滑において非常に重要な役割を果たしています。詳細を整理しました。
遠心力が働くメカニズム
オイルはメインジャーナル(回転中心に近い)から入り、斜めに開けられた油路を通ってクランクピン(回転中心から遠い)へと移動します。
1,回転による遠心力: クランクシャフトが高速回転すると、内部にあるオイルにも強い遠心力がかかります。
2,外側への押し出し: オイルは回転中心から外側(クランクピン方向)へ向かって強く押し出されます。
3,圧力の増大: これにより、クランクピンの出口付近では、「元々のポンプ油圧」+「遠心力による圧力(遠心油圧)」の合計がかかります。
なぜこれが重要なのか?
・高回転時の保護: エンジン回転数が上がるほど、コンロッド大端部にかかる慣性力(負荷)は増大します。しかし、同時に遠心力による油圧も回転数の2乗に比例して高まるため、最も過酷な条件下でより強力にオイルを供給し、油膜切れを防ぐことができます。
・供給の補助: クランクピンは高速で円運動しているため、単なるポンプ圧だけではオイルを圧入しにくい状況になりますが、遠心力が「ポンプ」のような役割を果たして供給を助けます。
⚠️ 副作用:遠心分離作用(スラッジトラップ)
この強力な遠心力には、一つの副作用(あるいはかつて意図された機能)があります。
・スラッジの堆積: 遠心分離機と同じ原理が働くため、オイル中の重い不純物(スラッジや金属粉)がクランクピン内部の油路の外壁側に押し付けられ、堆積しやすくなります。
・中空クランク: 旧車や一部のエンジンでは、ここをあえて「スラッジトラップ」として設計し、定期的なオーバーホールで清掃することを前提としていたものもありました。
質問者様の理解されている通り、コンロッド大端部は他の部位とは異なり、自らの回転エネルギーを利用して潤滑を強化している特殊なポイントと言えます。
よろしければ、この遠心油圧が具体的にどれくらいの圧力上昇(何bar/kPa程度)を生むのか、計算上の概算について触れましょうか?
問
↓
メインギャラリーが4kg/cm2の時に、ストローク86mm、6000rpmの条件では、とか具体的な例もお願いします。
Answer
↓
ご提示いただいた**「ストローク86mm、6000rpm、元圧4.0kg/cm²」**という、2リッタークラスのスポーツエンジン(SR20や86/BRZのFA20など)でよく見られるリアルな数値を使って計算してみましょう。
ご提示いただいた**「ストローク86mm、6000rpm、元圧4.0kg/cm²」**という、2リッタークラスのスポーツエンジン(SR20や86/BRZのFA20など)でよく見られるリアルな数値を使って計算してみましょう。
結論から申し上げますと、遠心力だけで
約3.2kg/cm²もの圧力が加算されます。 つまり、コンロッドメタル部分では、元の油圧と合わせて
7kg/cm²以上という非常に高い油圧が発生していることになります。
以下に計算プロセスを詳述します。
具体的な計算プロセス
遠心油圧 Pc を求める式(簡易版)は以下の通りです。
・ρ (ロー) = オイル密度
・Ω (オメガ) = 角速度
・r = 半径(クランク半径)
中略
結果と考察
・ポンプからの元圧(メインギャラリー): 4.0 kgf/cm^2
・遠心力による加圧: 約 $3.2 kgf/cm^2
・コンロッド大端部での合計油圧: 約 7.2 kgf/cm^2
この計算が示す重要な事実
1,圧力が倍増している: ポンプが一生懸命送っている圧力とほぼ同等か、それ以上の圧力が「ただ回っているだけ」で発生しています。これにより、オイルポンプの能力以上の高圧がメタル部に供給されます。
2,高回転ほど保護される :この遠心油圧は回転数の2乗に比例します。もし8000rpmまで回した場合、遠心油圧はさらに増え、約5.6kg/cm²が加算されます(合計で10kg/cm²近くになります)。 高回転ではコンロッドがちぎれようとする慣性力も凄まじいですが、それを支える油圧も自動的に強化されるという、非常に理にかなった仕組みになっています。
3,低回転・高負荷が危険な理由: 逆に、2000rpm程度でアクセル全開(高負荷)にした場合、遠心力による加圧はほとんど期待できません(計算上0.3kg/cm²程度)。ポンプの油圧のみで荷重を受け止める必要があるため、実は「高回転」よりも「低回転の高負荷」の方が油膜切れのリスクが高い場合があります。
このように、クランクシャフトの油路は単なる通路ではなく、一種の**「遠心ポンプ」**として機能していることが、数値からもはっきりと分かります。
AIの話ココまで。
SR400/500の話に成りますが、昔に何処かに描いたのですが、低回転でドコドコやトコトコと走りたい人にこそ強化オイルポンプって必要なんですよね。特にボアアップなど排気量アップさせて低回転のトルクが上がった場合、上記の理由などから低回転高負荷領域の潤滑は気を付けなければ成らない状況が有るって事が潤滑を考える上での「みそ」ですね。
AIがあると、私がブログを書くのも意味が薄れてきちゃうんだよな
Posted at 2025/11/18 11:23:56 | |
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