
人もクルマも、人生を歩む過程で様々経験してくるとだんだん自分の好みというものがわかってくる。
現段階では、LFAが1番、911が2番、3番目はS2000。
これらの車に共通するものは、運転していて楽しいこと。
一方で、身近にあってもそれほど乗りたい気持ちにならない車もある。
それがR35 GT-R。
35GT-Rもとてもよくできた車だとは思う。
でも、一度乗ると、すぐにまた乗りたい気持ちにはならない。
その理由を考えてみると、35GT-Rには運転する楽しみがあまり感じられない。
ポルシェに匹敵する頑強なボディ、地面をしっかりと掴む足回りと4WDシステム。
エンジンのパワーもある。
とても速い車ではあるけれど、運転していて楽しみを感じられない。
サーキットのラップタイムを刻んだり、競走するための道具としてはいいけれど、ただ何気なく運転を楽しむために乗る気にはならない車。
これはGT-Rだけの話ではなくて、他の車にも言えると思う。
乗用車(常用車)として、人が移動したり荷物を運んだりするための道具としての自動車。
大半の人にとって、自動車の一般的な利用価値はそれらなのだから、ミニバンや軽自動車のような乗用車(常用車)はそれでいいと思う。
でも「常用じゃない」スポーツカーならどうだろう。
私は常々、自動車はアートの一種だと考えています。
芸術は、それを生み出す人に内在する価値基準や概念が具現化されたもの。
工業製品である自動車も、実は絵画や音楽と同じで、それを作る人の感性が色濃く現れるものだと思う。
スポーツカー作りをする人が、クルマを操る楽しさを実感したことがない、運転して楽しいと感じる車を所有したことがない人だと、論理的構造性においていいスポーツカーづくりはできないはず。
時代が進んで、現代の自動車メーカーはどこも超巨大企業。
就職してスポーツカーのエンジニアを目指してみても、その選択こそが、憧れのスポーツカーから自分の人生をどんどん遠ざけてしまう。
よしんばそんなエンジニアたちがスポーツカーを作っても、デザインやスペック先行の頭でっかちな車になるのは自明の理。
エンジンを回し、車速をコントロールし、車体を傾けて道を駆け抜ける。
その楽しみを実体験したことがある人でないと、情感のある車は作れないと思う。
来るべき電動化の時代になっても、クルマを走らせることが楽しくて仕方ないエンジニアに車を作ってもらいたいものだと思う。
https://theroarofanangel.com
Posted at 2024/11/18 19:07:24 | |
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