カーライフの一端として車イジリがある。素人ながらの発想で愛車に手を加えるのは楽しくもあり悩ましくもあり。うまくいく時もあれば失敗することも。最初からプロに頼んじゃうという手もあるが自分でイジリはじめると案外面白い。いろんなことが分かってくる。時にはメーカーの思想とかコストの削り方などが発見できたりもする。なるほどと頷くことと首をかしげることも。
少々長文になるがお暇なときにお読みいただければ。まさに珍?奮闘記である。
(各写真はクリックすると拡大した写真が別ウィンドウで表示されるようにしてある。)
■ バッテリー移設 (7月の三連休)

GDBインプレッサのフロント・オーバーハングに搭載されるバッテリー (23D55L) の重量は優に16キロを超える。片手でヒョイというわけにはいかない。これをトランクに移動させることで軽快なハンドリングやブレーキング時の姿勢変化の抑制を期待できるのではないかと素人なりに考えた。ま、効果のほどはやってみなけりゃ分からないがw
そーいえばR33GT-Rは標準でトランク側にバッテリーが搭載されていた。もっともアレはエンジンルームに置ける余裕がなかったのが本当のところ。だと思う。
今回使用した電線はプラス側に60スケ (60sq) の太いものを選択。バッテリーを移動することで延長されるケーブルが細いと過電流に耐えられず燃えてしまい車両火災を引き起こしたりする。また、過去の経験からセルのかかりも悪く始動性に問題が出てくる。などの理由からオーバースペックともいえる太い電線を使用した。

芯数260本を超える60スケの電線というと、その中身さえタバコの太さよりもさらに太く被服を含めると直径15ミリにもなる。そう簡単には曲がらない。また、電線の保護には難燃性のコルゲートチューブを巻きつける必要がある。振動で電線の被服が破れるとやっぱり車両火災になる。これだけでもけっこうな重さになるのはやむを得ない。。
マイナス側は40スケの電線を使用。同じくコルゲートチューブで保護するがプラス側よりは神経を使わなくていい。バッテリーから直接アースさえすればと考えたが、一応精神衛生上の観点からケーブルを延ばすことにした。

フロントのインナーフェンダーを外すとドア付近にサービスホールが左右共に用意されているのが見える。(黄色の矢印)このグロメットに穴を開け太いケーブルを通し室内に入れる。プラスを助手席側、マイナスを運転席側から通した。ともかくケーブルが太いので左右に振り分けなければならなかった。

助手席側はグローブボックスを外し、足元のカバーを外す。ちと面倒だが仕方がない。コルゲートチューブを巻いたケーブルを室内に引っ張り出すのはやや難儀する。ともかく長いので無理に引っ張らずじわじわと。ケーブルはカーペットの下に這わす。当たり前だがスカッフルプレートなどを外さないとできない。かなり面倒。
バッテリーボックスは友人からの貰い物。友人の車につける予定だったが彼の気が変わり高級輸入車に乗り換えたためタダで譲り受けた。ま、ボックスが手に入ったのでバッテリーの移設を考えたのが本当のところ。このボックスをトランクの車軸上に載せると上がつっかえてしまう。かといってトランク後端ではリア・オーバーハングに重量物が載ることになり意味がない。ともかく最低限車軸上に納めたい。ケーブルの太さも考慮しつつバッテリーボックスのフタを使わないことにした。
室内に設置という考え方もあるが、プレミアムセダンに似合わない。(笑)


ボックスを後輪助手席側の車軸上に配置、メンテナンス性を考えパフォーマンス・ダンパーを撤去する必要があった。代わりの補強にデカルコの
バルクヘッド強化パネルを採用することにした。これ秀逸。
今回は経済的理由によりまだ元気な純正バッテリーを引き続き利用するが、いずれメンテナンスフリーのバッテリーに交換したい。軽量なドライバッテリーも選択肢に。

バッテリーボックスの固定はタッピングスクリューでフロアパネルに直付け。片側は平行を図るためとケース下側にバッテリー固定フックを差し込むためのスペースを作るために木片をかませる。後方は燃料タンク直上となるため怖くて穴が開けられない。開けても大丈夫なのか分からない。誰か知っている人がいたら教えて欲しいのよね。
エンジンルームの元々のバッテリー側のプラスケーブルと新たに引いたケーブルを圧着端子で連結。自己融着テープで巻きつけた上にビニールテープでぐるぐる巻きにし、危険回避に電子レンジ用耐熱タッパーの中に入れてショートしないように施す。マイナス側も圧着端子で連結しビニールテープのみとした。
(T氏に指摘されたので後日アルミテープでタッパーのフタを固定した。水の浸入を防ぐためパテを盛り込む。)



バッテリー側のそれぞれのケーブルにターミナルを付けてバッテリーに接続。プラス側から先に接続するが、その時に工具などが車体に触れないよう十分気をつける必要がある。まわりをシートで養生して慎重に作業する。なお、ケースに開いている配線孔は曲がらない (曲げられない) 太いケーブルのために使わない。接続後にエンジンをかけてみると何の抵抗もなく今までと変わらずすんなり始動。60スケの威力まざまざ。マイナス側は念のためパラレルにケーブルを室内に延ばして車体にアースした。

スペアタイヤ上のボードをバッテリーボックスに干渉しないように角を切り取り、同様にカーペットも。見た目は後付感があるものの満足できる範囲で作業終了。ほとんど素手で作業したので手の甲は傷だらけ。ま、要領が悪いって事なんだと実感。
フロント左側が軽くなったためなのだろうか、左側の車高が指1本分上がってしまった。逆に右側が指半分程度下がった。車高調サスとはいえ簡単に調整できるものではない。下手にいじると左右のばねレートが不釣合いになったりする。アライメンとを兼ねてショップに調整を依頼することにした。
さて、インプレッション。場所はFISCO。サーキット走行になったが効果はある意味で最悪。
フロントに落ち着きがなくフルブレーキング時に妙に左右に車体が揺れる感覚があった。実際にはそんなことはないと思うのだが。フロントに荷重が乗らないのか曲がりのきっかけがつかみにく、
ローターの貧弱さも手伝って思い通りに止まらなかった。アンダーとオーバーが入り乱れ100Rで踏めない。DCCDをいろいろといじったけど違和感の連続。結局体調不良も手伝って消化不良の走行会になった。ちなみにサス・セッティングはネガティブキャンバー1度、トーをインに2ミリ調整してある。
バッテリー位置を元に戻す、なんて全然思わない。せっかく汗かいて奮闘したんだから。何かが足りなければそれを見つけることもまた楽しみのひとつ。もう少し悩み続けることにする。
■ オイルキャッチタンク Part2 (夏休み)

FISCO走行会で自作オイルキャッ茶タンクのドレン用ボールコックが外れオイルもブローバイも垂れ流し。高回転での振動をまざまざと見せつけられた。後日エンジンルームを除いたらコックがなくなっていた。外れて落ちたのだろう。フロアパネルやサブフレームはオイルでべっとり。一体どれくらいのオイルが排出されたのだろう?
バッテリーがなくなったので茶筒よりも大きい容器を探し新たに作ることにした。容器は新潟の「アイザワ」という会社が通信販売している内容量900ccの
ステンレス製食品用容器を利用することにした。
ステンレスの穴あけはちと大変。ちゃんとステンレス用のドリルを用意しないと難儀する。例によって吸入側の分離用パネルをパンリングホールのアルミ板で。容器の中にも分離用のパネルを2枚。今度は大き目のドレン用ボールコックを採用した。絶対に外れないようネジ山を利用し内側からエア用の継手で留め、金属パテを多めに塗って取り付ける。


アイザワの容器には耐熱(240度)のパッキンが施してあり密閉性は高いが念のためアルミテープでしっかり密封する。アルミテープは剥がせるのでメンテナンスに便利だ。今回はブリヂストン製の耐熱ホース(140度)を使った。ちと値は張るが安心料と思い自分で納得する。
取り付けは元々バッテリーがあった場所に長く太いタイラップで固定。同時にコックも振動で動かないように対策を。一度作っているので割りと短時間で作ることができた。


■ インタークーラー洗浄&圧損低減 (同じく夏休み)
お盆の夏休みは6連休。久しぶりの大型連休だが、実際には仕事がヒマだからというのが本音。
カミさんは京都へ、娘は大学の合宿とかで「にわか」独身。ぬこの世話をしなきゃならんのだが、わんこはドッグトレーニングで修行中。飯の心配以外は気楽な毎日が送れる。
我がインプレッサのブローバイに含まれるオイルの量に唖然。ま、高回転主体の走行だったからなのかもしれないが。そこでキャッチタンク装着以前で染み付いたインタークーラー内のオイルを掃除することにした。
ネットでいろいろと調べるうちにインタークーラーの圧力損失なるキーワードに注目。
「ばくばく工房」の圧損低減について読んでみると何となく自分でもできそう。さらに調べると
Daigo's Legsay というページに方法が写真付きで詳しく書いてあったのを参考に挑戦することにした。
インタークーラー(以下IC)を外すのはかなり大変。
タワーバーを外し、IC周りのホースバンドを緩めブローオフバルブを外し支持ブラケットに留めてあるボルトを取り外す。が、締め付けトルクが強烈で非力な私にはホイホイと簡単には外せなかったが、レンチに延長の鉄パイプをはめて取り外した。
下記の写真は丸印のボルトを外し、矢印の先にあるホースバンドを緩める。ボルトはすべて12ミリのレンチ。
ICの助手席側のブラケットを取り外すと思いのほか楽に取り出すことができた。ブラケットを外さないと多分時間と体力を消費するだけになると思う。あ、コアのつぶれ防止にあらかじめダンボールなどで保護しておくといいかも。IC取り外し後はゴミ等が入り込まないようにコンプレッサー側とインテーク側それぞれにガムテープで養生しておく。
ICの内部を洗浄するのにはホワイトガソリンを使った。ホームセンターのアウトドア・レジャー売り場で1缶1L1000円。紙コップに移すとキレイな薄いブルー。ICのターボ側から注入する前にインテーク側の穴を厚手のビニールとホースバンドで使って塞いでおく。10回くらい大きく振り回してシャッフル。洗浄後のホワイトガソリンが真っ黒に。これを何度か繰り返し日向に置いて内部のホワイトガソリンを揮発させておく。


揮発し干している間にあらかじめ購入した外径5ミリのアルミパイプを約65ミリくらいの長さでカットする。ホームセンターで1メーター1本157円のアルミパイプは5本購入しておいた。全部で64本分をカット。ICの圧損低減対策の手段としてアルミパイプを使うわけ。数量はイン側32本、アウト側32本の合計64本。1本ずつ切るのもけっこうな手間である
カットしたパイプの両端をプライヤーでつぶす。64本分ひたすらプライヤーを握り締める。


ICをバラす。イン側はとりあえずパイプをボルト4本で留まっているので12ミリレンチを使いこれを外す。力も要らず割と簡単に外せる。カバーは本体から歯状にカシメられているのでマイナスドライバーを使い慎重にカシメを起こす。アルミなので簡単にぐにゃりと曲がり上部側全体が湾曲してしまう。これは締めるときにプラスチックハンマーで叩きながら修正することに。少しでも隙間があるとターボじゃなくなるしエンジン不調に陥る。

圧縮された空気がコアで冷やされてインテーク側に向かうのだが、ご覧の通り空気の流れが阻害されているような造りになっている。凸凹の部分を平坦にすることで圧縮された空気を損なうことなくインテーク側へ送るのが狙いである。なお、新型インプレッサ(GRB)は改善されているらしいが、富士重でもこの点に難があることは分かっていたんだなと勝手に解釈。だから新型STIは308馬力? ま、これだけじゃないだろうけどw
用意したアルミパイプを凹の部分に取り付けるがここは凹のフレームをペンチでカシメる方法を採用。下手に接着剤等を使って熱で溶けたらコアを塞いでしまう危険もある。コアを傷つけないように慎重にカシメる。完璧にカシメてやるとビクともせず固定される。これを32本順次取り付ける。今回はインテーク側も同様に32本取り付けた。


両側ともパイプの取り付けが終わったら、ついでに表面のつぶれたコアを細いマイナスドライバーで補修。コアには細かな石粒や虫などがはまり込んでおり丁寧に取り除く。根気のいる作業だが案外楽しいかも。(笑)

ICを車に取り付けるのは取り外すよりも大変。何度かトライするがうまくいかない。心が折れそうになる。1時間くらい粘ったかな、先ずターボ側のパイプを少し入れて後はもう力任せ。シリコンの赤いインテークパイプがねじれるけどターボ側のパイプをはめ込むと同時にインテーク側もスパッとはまった。シリコンパイプに損傷がないか点検しホースバンドを仮止め。各ボルトなどを取り付ける。もう汗だく。この夏休みには大量の清涼飲料水を消費した。
さてインプレッション。
一般公道での走行になるが正圧に入るのが断然早い。アクセルオフからのレスポンスがいい。一般道で踏み込むのはちと気が引けるほど。気持ち20馬力上がったかも。(笑)
アフターパーツは非常に高価だが、自分でトライすれば当然安上がり。その上効果は抜群。コストパフォーマンスは最高だ。これはお勧め!(ただし、あくまで自己責任でw)
■ おまけ

今更ながらポジションランプをLEDに交換。最初はソケットに取り付けたのが甘くてヘッドランプの中にLEDを落としてしまった。太目の針金に強力両面テープを貼り付けて何とか取り出すことができたが、一時は焦った。
■ まとめ

実は作業中に何度か工具や部材を買いに行った。十分に計画しているようで抜けていた部分が多々。そんな素人の悲しさか手の甲は傷だらけ。最近はウマに上がったクルマを見るのが快感に思うようになってきた。こりゃ病気だな、と思う今日この頃。次回は何をしようかと今から計画中。これからの季節、クルマをイジルには格好の時期だ。
フロントの落ち着きを取り戻すには何をしたらよいのだろうか? 何かヒントがあれば是非コメントでもメッセージでもいいから教えていただきたい。バラストは積みたくないのよねぇw