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家村浩明のブログ一覧

2016年05月15日 イイね!

アルシオーネ AX (1985)

アルシオーネ AX (1985)星座スバル(六連星)の星の中で、最も明るく輝く──。その星の英語読みの名を冠せられたのが、このモデル。その通りにアルシオーネは、当時のスバルのラインナップ中でひときわ目立つ、ほとんど別格の存在として燦然と輝いていた。

このデザインのオリジナルはアメリカといわれ、スバルとして米国での拡販を狙った機種でもあった。そのため、デビュー時には4気筒ターボ・エンジンがメインだったが、セカンド・ジェネレーションでは、米国市場の嗜好に合わせた6気筒エンジンをわざわざ作って載せている。

おそらくは、アメリカ西海岸の陽光の下で美しく映えたであろうエクステリア・デザインであり、またインパネの構成もかなり未来的なものだった。ただ、日本という風土に置いてみると、外観・内装ともに、やや奇異にすぎるという印象はあったかもしれない。「質実剛健」をテーマにクルマ作りをすることが多いスバル史の中で、このモデルだけは、いつまでも異次元の光を放ち続ける。

(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)
Posted at 2016/05/15 06:33:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 00年代こんなコラムを | 日記
2016年05月13日 イイね!

ファミリア BF (1985)

ファミリア BF (1985)1980年代初頭の日本マーケットを席巻し、マツダを再生させたとまで言われた超人気車“赤いファミリア”の後継機種。このBF型はFF機構となって2世代目で、各所に成熟と充実が見られた意欲的なモデルだった。またFF車としてのファミリアを、たとえばスポーツ方向に向けてはどう発展させるか。そこから“オンロード4WD”をラインナップに加えるという新提案もあった。

ただ、トヨタのディーラーにカローラⅡを買いに来た顧客がショールームのクルマを指差して、「このファミリア、ください」(コンパクト2ボックス車は“みんなファミリア”だった!)と言った……というまでの伝説を生んだ人気車BD型の後継であっただけに、このクルマは印象としてやや薄いものになってしまった感は否めない。また、足回りの設定などでは、あまりに「走りと高性能」に振りすぎていて、その乗り心地は日本のファミリーカーとしては相当に硬く、そうした総合的な「まとめ」の局面では生硬な面も多く残っていた。

……とはいえ、そうであっても、1980年代に強力に「脱日・入欧」を果たそうとした果敢な日本車のひとつとして、このファミリアは記憶と記録に残るクルマだ。ボディの硬さ(剛性感)と徹底した防請性能では、当時の凡百な欧州車を超えるものがあった。

(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)
Posted at 2016/05/13 22:33:29 | コメント(1) | トラックバック(0) | 00年代こんなコラムを | 日記
2016年05月12日 イイね!

レパード F31 (1986)

レパード F31 (1986)名前を伏せて、このレパードのスタイリングを見せられ、これが初代から路線を引き継いだソアラの2代目だったと言われたら、後世の人は信じるかもしれない? このときのレパード、つまり1986年デビューのF31型は“アジアン・ビューティ”としての度合いでもソアラに負けていなかったはずだが、しかし、このモデルの人気が出たのは、むしろその生産が終わってからだったのではないか。

“絶版”状態になってから、その「美しさ」が改めて評価され、流通した台数の少なさもあって中古市場での人気が沸騰した。そんな後日談があるのがこのレパードだったが、レアであった(売れなかった)が故に、後にプレミアも付いたのであり、現役時代のレパードは“ソアラ人気”の陰に隠れてしまっていたと言わねばならない。

そうなった理由のひとつは、やはりデビュー時におけるイメージづけ戦略の違いだったであろう。敢然と2ドア・クーペ一本だったソアラに対して、レパードは拡販を欲したのか、4ドア・ハードトップもそのラインナップに加えていた。その結果、イメージも拡散して、車種としての独自性、また、どれほど比類なき存在であるかといった要素を、このクルマは、ソアラほどには巧みにアピールすることができなかったと見る。ソアラの人気が高まるほどに、アンチ・ソアラの一方の雄として、あるポジションは得たのだが……。

(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)
Posted at 2016/05/12 22:47:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 00年代こんなコラムを | 日記
2016年05月12日 イイね!

レジェンド KA (1985)

レジェンド KA (1985)スポーツカーは別として、軽自動車のN360&Zにはじまり、シビック、そしてアコードとだんだんモデルを大きくしてきたホンダは、1985年、ついにそれまでに自社のレンジにはなかった“大型車”の分野に参入して、ほぼフルラインのモデルを擁するメーカーとなった。そのホンダ初の「3ナンバー」モデルが、1700ミリオーバーの全幅を持ち2・7リッターのV6エンジンを搭載した、このレジェンドである。

ただし登場当初のこの頃には、全幅を抑えた2リッター・バージョンもあって、それは「5ナンバー」で乗れるようになっていた。その点にこだわったせいか、この初代の段階では、スタイリングとしてはちょっと細長い印象になっており、日本的な(5ナンバーサイズ重視の)高級車造形から脱した……とは、やはり言えない格好をしていた。

そして、いかにもホンダらしいというべきかもしれないが、この“高級車”レジェンドにはマニュアルシフト車が用意されていた。また、ホンダ初の市販V6であるこのエンジンは高回転までスムーズに回ったものの、低中速でのトルクは車重に対しては不足気味。エンジンを“回して乗る”ことが求められたこの初期レジェンドに最もフィットしたのは、ATではなく実はMT仕様であった。

(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)

○2016年のための注釈的メモ
市販車は基本的には数年で、そのモデル・ライフを終える。フォード・タイプTとかVWビートルとか、同一車型でエンエンと作り続けられた例外はあるが、それであっても、次期型が出て来た時点で「絶版」となり「再版」されることはない。
こう考えると、現行モデル以外のすべての市販車は「絶版車」ではないかということになるのだが、しかしカー雑誌とその読者である私たちはしばしば、“ある種のモデル”について、この「絶版」という言葉を与えて懐かしむことを好む。
ただ、どのモデルを「絶版車」とするかということについては、たぶん基準はないので、どんな機種が登場するかは、ひとえに編集部とその担当者の選択にかかっている。ちなみにこのシリーズの場合は、2000年の時点で「1980年代」に限定し、スペシャルティカーやスポーティカーを重視してのセレクトが行なわれたようだ。
Posted at 2016/05/12 07:27:39 | コメント(0) | トラックバック(0) | 00年代こんなコラムを | 日記
2016年05月11日 イイね!

ソアラ Z20 (1986)

ソアラ Z20 (1986)1981年にデビューした初代ソアラは、それまで日本のクルマにはなかった「高級なパーソナルカー」というジャンルを果敢に切り拓き、そして大成功した。自社の最上級セダンの心臓部になっているパワーユニットを、2ドアのクーペに搭載する。これはメルセデスでいえばかつてのSLの手法であり、そこから、いたずらにスポーツカー方向に振らずにクルマとしてまとめるというコンセプトも、またSL的であったのではないか。

そんなソアラを見たときに、日本のカスタマーがどの程度メルセデスを意識していたかどうかはわからないが、ともかくこのクルマはヒットして、それまでになかった「高級」にして「2ドア車」(クーペ)というジャンルをこの国でつくりあげた。

そして1986年、ソアラはセカンド・ジェネレーションになる。初代の成功を踏まえて、イメージ的にはかなりのキープ・コンセプト路線であり、その初代から粗っぽさとコドモっぽさを排除して、各所にデリカシー(繊細さ)を盛るといった感じのスタイリングを呈示。エレガントなシェイプと細部の美しさにマーケットはふたたび魅せられて、新ソアラは初代以上の熱い視線で迎えられた。

クルマ界の1980年代を象徴するもの──そのスポーツ系&マイナー篇がAE86だったとすれば、この年代の記念碑的なメジャー版は、やはり2代にわたってマーケットに君臨したソアラということになる。快適性を重視つつも、そのシャシー性能は高く、スポーティカーとして多くのドライバーを満足させたことも特筆すべきだ。

(ホリデーオートBG誌「80's 絶版車アルバム」2000年4月より 加筆修整)
Posted at 2016/05/11 14:29:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 00年代こんなコラムを | 日記
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「【 20世紀 J-Car select 】vol.14 スカイラインGT S-54 http://cvw.jp/b/2106389/39179052/
何シテル?   01/15 10:59
家村浩明です、どうぞよろしく。 クルマとその世界への関心から、いろいろ文章を書いてきました。 「クルマは多面体の鏡である」なんて、最初の本の前書きに...
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