2015年01月30日
その6 「ニガーと言ってはいけない、スカウト!」
一緒に行きたがったが、結局クルマの中で眠ってしまった6歳の少女。帰宅後、寝室にスカウトを寝かしつけ、父は「キャルを送ってくるから、家を頼んだぞ」と息子に言い、外に出て行った。家政婦のキャルは“通い”であるようだ。一人になった(スカウトは眠っている)ジェムは、不安に駆られたか、家を出て、夜の町に走り出す。「アティカス!」……。
その時、“ブー”の家のテラスにある“ぶらんこ椅子”が揺れていた。ついさっきまで、誰かが乗っていたのか? ということは“ブー”は外に出ていて、いま行動中? 不安そうに辺りを見回すジェム。
そしてジェムは、木の幹にある“穴”に、何かが置かれているのを発見する。それは、メダル+紐、あるいはキーホルダーのようにも見えるもので、ジェムはそれを手にすると、家に駆け戻った。(このナゾもしくは伏線は、この時はそのままに物語は進む)
女声のナレーション。
「アティカスに、学校でケンカはするなと約束させられたが、私はそれを守れなかった」
「とくにセシル・ジェイコブスの挑発は、私に、その“掟”を忘れさせた」
父との約束を果たせず、またケンカしてしまったスカウト。そんな自分を恥じているのか、彼女は顔を隠してテラスの椅子に座っている。そこに、父アティカスが来た。
父「どうしたんだ?」
娘「アティカスは、黒人(ニガー)の弁護をするの?」
父「“ニガー”と言ってはいけない、スカウト」
娘「私じゃない、セシルが言ったのよ。だから、ケンカした」
父「スカウト、どんな理由があっても、ケンカはしてほしくないな」
アティカスは、娘の横に並んで座った。
父「私が黒人(ニグロ)トム・ロビンソンの弁護をするのは本当だ」「子どものお前には、理解できないことがたくさんある。町の中には、トムの弁護に反対する者も少なくない」
娘「反対されてるのに、どうして?」
父「一番の理由は、もし(弁護の要請を)受けなければ、私は不公平な人間になることだ」(アティカスは「この町で、私は顔を上げて歩けなくなる」という表現をしている)「お前たちスカウトやジェムを、怒ったり説教したりする資格もなくなる」
父は、娘の肩に手を回して言った。「何を言われてもケンカはしないと、約束してくれ」。スカウトは悔しそうに「イエス……」と答えて、立ち上がった。
(つづく)
Posted at 2015/01/30 17:55:06 | |
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