SUS304に代わるステンレス素材

日経オンライン（NBオンライン）の記事に載っていたものです。
ちょっと地味な話かもしれませんが・・。

http://news.goo.ne.jp/article/nbonline/business/nbonline-125767-01.html
（※全文を読むにはNBオンラインの無料登録が必要です）

車好きにとっては一般的な社外マフラーの素材として馴染み深いステンレス「SUS304」ですが、これは実はマフラーのみならず風呂桶からキッチン、日用品に至るまで全ステンレスの６割あまりを占める主流素材でした。何より錆びにくいことが強みで、気の効いた車高調などにも使われています。

しかし金属価格の高騰がメーカーなど各方面の経営を圧迫する中、SUS３０４と同等の耐食性を持ちながらより安価な素材として開発され、いずれSUS３０４と取って代わると注目されているのがこの「443CT」らしいです。

安く出来たのは簡単に言うと、SUS３０４の耐食性を実現するために混ぜていたレアメタルを使わずに済んでいるから。
詳しくは記事にある通りですが、ニッケルとモリブデンの異常な価格上昇をうけ、JFEスチールと言う会社が独自の技術でそれらを含まずに同等の耐食性を持つステンレス素材を開発したとあります。そしてすでにこの443CTには、JFEの生産キャパを大幅に上回る製造メーカからの注文が殺到している状況だとか。

ただ、これが単なる一企業のサクセスストーリーでない所は、JFEがこの技術を独占せず、世に広めて製造業全体の利益に貢献せんとしているところ。
もちろん技術的アドバンテージを保つ自信があればこそなんでしょうが、『443CTをJIS規格に加えてもらうよう、働きかけているところです。ぜひステンレスのスタンダードになってほしい』『複数のメーカーが生産して十分な量を供給し、多くの顧客に使ってもらうことが大切』とのことらしいので、今後、どんどん製品として市場に、我々の手元にやってくるのは間違いないところでしょう。

ただ今の所、例によって生産量の半分は中国に持って行かれているようなので、国内向けのしかも生産量のごく限られた趣味のパーツに回ってくるにはまだ時間が掛かるかな？
騒音規制と原料価格高騰のダブルパンチで参っているであろうマフラー屋さんにチューニングメーカーさん、何とかこれをGETして、安くて良いもの作ってくれませんかね。