
R352の新潟側、奥只見湖南岸にあたる部分は、急峻な山の北側斜面に付けられていて、水害の痕跡がまだあちこちにみられます。
大小の沢からは土砂や倒木が押し流されて来た跡があり、流れを横切る部分はまさに今、ユンボでさらって通れるようにしておいたよ、という感じの所も。
最近の天候を考えると、今後もいつ崩れるかわからない。通れないだけならともかく、閉じ込められたら悲惨です。訪問は時期や天気を調べてからが無難ですね。
そして山々から流れ落ちた土砂や流木は、湖に流入して溜まったままで、かなり荒れた感じに景色を変えてしまいました。
これは湖に流れ込む只見川の上流に近いほうですが、元船着場のような、湖面へ降りられるコンクリ製の階段があったので下りてみました。
一面の土砂と流木。元通りにさらうことなど出来そうもない量です。
この流木、よく見てみると大きな根っことか、拾って持っていけばそれなりのインテリアになりそうなものもあったりします。
実際、そういうアートもあるみたいですね。
国立国定公園ですから、本来は石ころひとつ勝手に持ち出せないのが原則ですが、
こういうものは逆にほしい人に持って行ってもらったり、積極的に利用するのも手ではないかと。
もっとも地元の人たちなら、私が思いつくことなど、とっくに考えているかもしれませんが。。
このあたりから県境付近まで、R352は湖岸の急峻な山肌を離れ、只見川に沿って進むようになります。
川に近い部分は増水した際に路盤ごと、ごっそり持って行かれた箇所がありましたが、
現在は未舗装の仮復旧という感じになっています。
やはり橋やケタもろとも流された、県境の金泉橋には、
とりあえずの青い仮橋の横に、再び立派な朱塗りの新しい金泉橋が作られていました。
そして福島に入ってすぐの砂小平には、今回一番行きたかった場所があります。
喫茶『山ん中』元気に営業しておりました!
嬉しいですね。
当然、立ち寄ります。
メニューも何も以前と変わっていません。
名物キノコ汁。ざっと見ただけで天然キノコ五種類以上は入ってます。¥500。
キノコが苦手な息子はミートスパゲティを食べました。でも飲ませてみたらスープは美味しいといってましたので、大人になれば好きになるかな。
店には、大白川での渓流釣りから戻ってきたばかりのおじさんや、燧ケ岳登山帰りのおばさんがいまして、ご主人と話が弾んでいました。
息子はここに来るのは初めて。
しかし、実は一度来ています。
妻のお腹がかなり大きくなったとき、産まれる2ヶ月ほど前でしょうか、
一緒に来ているんですよね。
さりげなく、「ここ覚えてる?」なんて聞いて見ましたが、やっぱり、
『ううん。きたことないよ』。
そりゃそうだよな。
うれしくて少しのんびりし過ぎ、早くも秋の日が傾いてきてしまったので、
尾瀬・福島側に抜けるべく、先を急ぎます。といっても、相変わらずスピードは出せませんが。
ソバ畑の向こうにそびえる燧ケ岳(ひうちがたけ)。群馬側の至仏山と並び、尾瀬の象徴的な山です。
いくつかのキャンプ場や山小屋を見送り、ここまで河川に沿っていたR352は、いったん奥尾瀬の峠越えにかかります。
ブラインドカーブも増え、時折やってくる対向車に気を遣って走ります。
しかし観光地然とした尾瀬御池の駐車場を過ぎると、大型バスも走る立派な2車線路に変わり、
七入からは今度は桧枝岐川に沿って、里へ向けてようやく快走できるようになりました。
さて、朝からほとんどずっと車に乗っていましたので、そろそろ体をほぐしたくなって来ます。
桧枝岐周辺には立ち寄り湯がいくつかありますが、あまりぐずぐず迷ってもいられないので、いちばん尾瀬に近い「燧の湯」に入ることにしました。
比較的新しい、近代的な温泉施設です。
食堂などは無く全体にこじんまりとしていますが、立派な露天があり、
お湯はぬめりのある感じで、とても温まります。
湯あがりにコインマッサージ器があったので、ふくらはぎの加圧でもと思っていたら、
息子が『おなかすいた早く行こうラーメン食べたい』はいはい。。
桧枝岐の名産はもちろん「十割蕎麦」なので、夕食はなんとなくそれでと考えていたのですが、
ラーメンかあ・・どこかあったかな。
ふと思いついたお店がもうちょい走った先の『
食堂かねまる』さんでした。
そういえば長年愛用のツーリングマップルに、美味しいお店として載っていて、
実際、それまで何度も通過していながら、一度も寄ったことが無かったのです。
場所はもちろんR352沿い、舘岩村の、湯の花温泉への入り口近く。
開店すぐだったのか、お客は他にいませんでしたが、
息子はラーメン、私はけっこうがっつり気分だったので、実は会津でも名物の「ソースカツ丼」を注文しました。
ラーメンは白河を髣髴とさせるクセのない醤油ラーメン、麺は手打ちです。¥550。
(山菜やキノコ類が入った「会津高原ラーメン」もあるみたいです。次はチャレンジしてみようかな)
ソースカツ丼はソースというよりは甘辛ダレのような感じのソース、柔らかいカツがたっぷり載っていてかなり美味しい。味噌汁、漬物と根野菜の煮物の小鉢が付いて\900。
おなかが膨れてのんびりしていると眠くなりそうなので、すっかり暗くなった会津路を、西那須野塩原IC目指して急ぎました。
う~んやっぱり、日帰りじゃ忙しすぎて、いまひとつ物足りないな。。
でも当分は仕方がないか。