
今日も長いので(笑)結論から。
自動車もEVも「素人」ではありますが、2度の?バッテリー問題に遭遇し、EVやバッテリーについて調べているうちに、これらに対して出鱈目書いている記事、嘘を書いている記事、勘違いしている記事に突っ込めるようになってきました(笑)
さて、
①韓国におけるEQEの発火問題(バッテリーに問題があったか?はまだ不明)
下記に記しますが、バッテリーの設計自体に問題があると言う感じではなく、もし問題があったとしたら、製造委託を受けているファラシスエナジーにおける製造工程の問題では?と。なので、下記で記したように、不良バッテリーの検出がまず急がれるべきだと思っています。これは現在、私から→ディーラー。そこからメーカーに圧力をかけてもらっている状況。
リコール続報
韓国LG Energy Solution(LGエナジーソリューション)のNMC811は製造工程に問題があったものがあったようで、その製造ロットが特定され、私のジャガーIペイスに搭載されていたと。ユニットの中に沢山詰まっている電池みたいな形状の(不良)バッテリーだけを器用に交換するという処置がなされました。
②使用済みバッテリーのリサイクル問題と、バッテリーの安全性
NECさんのHPより。
「使用済みバッテリーの処理問題がEVの致命的な弱点の一つとして今でも語られる状況が存在する。確かに電池の処理はEVの大きな課題だが、初期のEVの旧式電池の処理を議論しているうちに、電池の中身そのものが日進月歩で変わってしまっている」
本題。
先日取り上げた、EQEのバッテリーについてはメルセデスからの下記のリリースを見つけることができます。
「EQEは10セル構成で、種類はNMC811を使っています。生産は全てシュトゥットガルトのヘーデルフィンゲン工場で行います」
とあり、更にメルセデスはバッテリー製造の内製化を目指しており、2022年からEQSとEQEのバッテリーはメルセデスベンツの子会社である、
ドイチェ・アキュモーティブが製造していることになっています。
これらのリリース見たら、ファラシスエネジーはともかく、CATLすら関係ないように見えますよね(笑)更に調べると、NMC811バッテリー開発に先鞭をつけたのは、ドイツ企業のようで、今回渦中のファラシスエネジーや、CATLなどの中国系メーカーはメルセデスから企画仕様書、設計図が送られて生産を請け負っているだけ、と見てとれます。であれば、開発したバッテリーそのものに原因があるわけではなく、(もし問題があるのであれば)製造工程に問題があったのでは?と推察されます。
今回、韓国のマスコミが、メルセデスが自国(韓国産)のバッテリーを搭載していなかった事も相まって、わかりやすい彼らは?(笑)猛犬のようにメルセデスに噛みついてます。実態は現SKオンも、現LGエナジーソリューションもNMC811の実用化が遅れてしまい、メルセデスから外された、と言う見方も下記の記事からできます。5年ひと昔ではないですが、2018年の記事から。
「2018年の夏の終わりごろには生産が軌道に乗り、いくつかのEVに積まれるはずだった新生代電池セル「NMC811」に遅れが出ている。2018年生産開始を発表していた韓国の電池メーカー「SK Innovation」と「LG Chem」は、ともに供給を延期した。
~中略~
NMC811を最初に搭載するとされていた車輌は世界にいくつかあるが、現実的に見て、最初に搭載することになるのは、メルセデスの「Electric EQ SUV」になりそうだ。これはNMC811を70kWhほど積んで、おおよそ500kmの航続距離を達成する予定である」
リリース文中にあるNMC811バッテリーに話を戻しますが、概要は以下の通り。
・NMC811は、80% のニッケル、10% のマンガン、10% のコバルトで構成されている
・NMC622に比べ、希少金属のコバルト使用を半減させている
・従来バッテリーNMC622に比べ、エネルギー密度、安定性、費用対効果の向上している
・他のリチウムイオンバリアントと比較して、エネルギー密度とサイクル寿命に優れている
・強化された熱安定性、過充電に対する耐性、および高度な監視システム
今まで主流だったEVのバッテリーに使用されている希少金属資源はリチウム、コバルト、ニッケルとなります。資源の枯渇については、リチウムが200年以上、コバルトが50年~60年。ニッケルが50年~60年と言われています。ただニッケルについては今後も発掘見込みであり、またリサイクル性に優れ、かつリサイクルされてもその性質を失わないため、焦点はコバルトの確保になってくると思います。
しかも、コバルト埋蔵量においては、政情が不安定なコンゴの存在が大きいと。下記の図表は再掲です。

その為、バッテリー開発においては、(中国ですら)脱コバルトが肝となっているのです。
現在、3元系で最新と思われるNMC811は、従来のNMC622に比べ、希少金属のコバルト使用を半減させています。そして、NMC811と違い、そもそもコバルトも含めて希少金属を使用しない電池が中国企業の独壇場のLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーです。

さらにはニッケルの代わりにマンガンを使用したLMFP(リン酸マンガン鉄リチウム)バッテリーや、レアメタルフリーどころか海水から無尽蔵にとれるナトリウムを使用したNIB(ナトリウムイオン電池)バッテリーへと舵は切られています。
今日の締めに
NECさんのホームページからですが、
「ナトリウムイオン電池の開発は日本を含む世界各国の企業が手掛けているが、製品化で先行しているのはほとんどが中国企業だ。昨年、世界中で販売されたEVの6割近くが中国ブランドというボリュームの大きさが決定的に効いている」
BYDの電池のリサイクル性の悪さにスポットライトがあたっていますが、そもそも希少金属を使用してないのだから、リサイクルの必要すらないと。
「日本国内の議論では、使用済みバッテリーの処理問題がEVの致命的な弱点の一つとして今でも語られる状況が存在する。確かに電池の処理はEVの大きな課題だが、初期のEVの旧式電池の処理を議論しているうちに、電池の中身そのものが日進月歩で変わってしまっている。
そもそもEVそのものがまだ本格普及の開始から10年ほどの初期段階の製品であり、技術革新はとんでもない速度で進んでいる。これから車載電池はどのような形態になるのか、想像することすら難しい。過去の概念で未来を論じても建設的ではない。状況の変化に即応して、とにかくがむしゃらに行動することで新たな利益を創り出していく中国企業の前向きな姿勢に学ぶべきだ
EVをめぐる各国の企業の動きを見る限り、EV本体そのものの開発・生産だけでなく、電池のリサイクルをも含むEVのバリューチェーン全体で、世界は中国企業への依存がますます高まることになるのは避けられそうにない」
リチウムイオン電池のリサイクル、リユース事業は、日本がもたもたしている間に市場がすでに確立されそこすらも中国勢に席捲されてしまっていますし、このようにそもそもバッテリーの中身が変わってきてしまっています。
まぁ、しかし確かにそうかな、と思うのは、パソコンがものすごい勢いで進歩していた時期に流行った?「今は時期ではない」おじさん。EVも一緒かもですね。「今は時期ではない。今は」(笑)
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BEVの課題に対して | クルマ
Posted at
2024/09/17 13:51:43