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2026年10月05日 イイね!

新型CLA その①

新型CLA その①EV@猫バスさんにお誘いいただき、メルセデス・ベンツの新型CLAに試乗してきました。
「ハイブリッドのCLA 220 シューティングブレークと、BEVのCLA 200 with EQ Technologyを乗り比べる」という企画。
輸入車であるCLAは、決して安い車ではないのですが、ドイツ賃金高、資源高騰、円安を考えると、日本における価格がバグなのです。
ドイツ本国だと、CLAのハイブリッド車のベース価格は、830万円~の価格設定ですが、今回、「CLA 180 598万円」、「CLA 180 Shooting Brake 621万円」、「CLA 220 687万円」、「CLA 220 Shooting Brake 710万円」「CLA 200 with EQ Technologyは668万円」という値付けがされています。
CLA180もハイブリット車なので、これがドイツ本国のベース車830万円と一緒でしょう。
担当の方も「MBJが相当頑張ったのか、本国が日本市場を考慮してくれたのかは分かりませんが、この時勢にこの価格なのは奇跡的です」と話されていました。

特にCLA 200 with EQ Technologyは668万円は、国のCEV補助金98万円を差し引けば570万円。CLA 180より28万円安くなります。さらに東京都なら補助金70万円が加わり、実質500万円~。
「メルセデスベンツのEVは高い」というイメージとは、ずいぶん違う価格になっています。

さて、まずはCLA 220 シューティングブレークの試乗から。
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発進時はモーターのおかげでしょうか、非常になめらかです。エンジンが始動しても音や振動はよく抑えられており、エンジンマウントがしっかり仕事をしている印象。車体の剛性感も高い。
前モデルのCLAは試乗したことはないですが、比べると新型は非常に静かになっているようです。
ボディー剛性も秀逸。もともとBEVを前提に開発された車体ということもあるのでしょうが、ボディのしっかり感は十分に伝わってきます。
一方、少し気になったのがロードノイズと路面からの入力。
試乗車はブリヂストンのTURANZAを履いていましたが、路面によってはドスンという振動と、コツコツとした入力を拾います。
もっとも、これは普段エアサス車に乗っていることを割り引かなければいけません。EQEはエアサスですし、静粛性にもかなりコストを掛けています。タイヤも半分ですが(笑) レグノですし。
比べてはいけないのでしょうが、クラスの違いがはっきり出るのは当然でしょう。
そして、もう一つ気になった点。
「アクセルを踏んだ瞬間に、自分が欲しいと思った加速がそのまま出てこない」
アクセルの踏み込み量、盛り上がるエンジン音と、実際の加速の間に、わずかなズレを感じてしまうのです。
これはCLA 220の欠点というより、BEV乗りが3リッター位までのガソリン車に乗り換えた時に共通して抱く感覚なのだと思います。

もちろん日常使用には何の不足もないかと思いますが。
むしろ1.5リッターターボ+モーター車として見れば、かなりよく出来ています。
ただ、BEVのアクセルレスポンスに慣れてしまうと、この違いには気付いてしまうということです。
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乗り換えまして、CLA 200 with EQ Technology。
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正直、こちらに乗ると、やはり「ああ、こっちだな」と思いました。
アクセル操作に対する反応が素直で、欲しい加速を欲しいタイミングで取り出せる。
「200」ですから絶対的な速さはありませんが、このレスポンスの自然さがBEVの魅力だと改めて感じます。
一方、ロードノイズはCLA 220同様、それなりに聞こえてきます。
エンジン音や排気音がありませんから、タイヤから入ってくる音が余計に耳につくのは仕方ないところです。
これはBEV全般に言えることですが、メルセデスベンツの中では、EQE、EQS ではかなり対策されているため、乗り換えると乗り心地とともに、静粛性にも明確なクラス差を感じます。
逆に初めてBEVに乗る方なら、「EVってこんな感じなのか」で済んでしまうところかもしれません。
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結論。
すでにBEVに乗っている人が新型CLAを選ぶのであれば、私は迷わずCLA 200 with EQ Technologyを勧めます。一度BEVのアクセルレスポンスに慣れてしまうと、こちらの方が自然です。
現在ガソリン車に乗っている方にも条件付きで200を勧めたい。
お、初めてのBEV推しか(笑)
ただ、その条件は、
「自宅で充電できる、あるいは充電できる環境を作れること」。
ここがクリアできるのであれば、今回のCLAではBEVを避ける理由がかなり少なくなったように思います。
車両価格そのものが安く、補助金を考えればさらに差が開く。加えて、自宅充電を中心に使えるならランニングコストにも相当のメリットがあります。いわゆる流行りのタイパ、コスパの良さですな。
もちろん、長距離移動の頻度や充電環境など、人によって使い方は違います。
それでも、「EVだから高いけれど、それでもEVを選ぶ」
のではなく、
「安くてスムーズな方を選んだら、それがEVだった」
という選択肢がメルセデスのCLAで現実になったこと。これは結構大きな変化だと思いました。

試乗を終えて、EQEで同じ試乗コースを走って帰宅。……やっぱ静かでトロリン走行だわ(笑)
CLAの出来が悪いのではありません。むしろ新型CLAは相当に良く出来ている。
それでも最後に、エアサスの乗り心地と静粛性という「クラスの差」は、メルセデスの中で明確につけているんだな、と。
それでも、EQEよりも優れていると感じた点はあります。250のバッテリーはEQEよりも小さい85.5kWhで一充電航続距離は771km(WLTCモード)。EQEは630kmです。
また搭載のAIは賢い。インテリジェンス回生も賢い。それでいて、それでいて車重はEQEよりも250kgも軽い。など、5年前のテクノロジーとの差をはっきり感じました。

おまけ。
HEVとBEVの見分け方。
トヨタのマルチプラットフォームのように、メルセデスもBEVとHEVで寸法も一緒、外観も一緒。違いは、グリルで見分け。BEVは穴がない
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HEVはグリルに穴がある。
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足元は、BEVのプラットフォームの恩恵か、広々。HEVも一緒で(共通で)広い。
直6搭載なんて無理なんだろう。しかし、ホイールベースを長く取れている証拠。
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パノラマルーフは広大。ただし、EQEにはある、サンシェードがないようで賛否両論あるようです。
しかし、一枚ものの広大なガラス。普段仕事で資源高、円安を痛感している身としたら(笑)コクピットの一枚ものガラスやパノラマルーフを見た時、「贅沢だなぁ」と感じました。
↓物理スイッチの削減。下記画像はEQEのですが、例えばウィンドウチャイルドロック。CLAはここにはなく、画面で操作するような形になっています。
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その他、ウィンカーの音が小さい。バック時のセンサー音がしない、など、短時間の試乗でしたが、EQE(今までのメルセデス)との違いは結構ありました。

→続くぅ
Posted at 2026/10/05 14:48:55 | コメント(1) | トラックバック(0) | メルセデスベンツ | クルマ
2026年10月05日 イイね!

【三郷】土曜の夜は、少しだけわんぱくに♡ STARK COFFEEで私を甘やかす時間

【三郷】土曜の夜は、少しだけわんぱくに♡ STARK COFFEEで私を甘やかす時間
アラフォーOLのきれいめ日和
港区で働くアラフォー。イエベ春。
きれいめ、ときどき抜け感。自分らしく心地よく🌿
おしゃれと美容、旅とカフェと、日々の小さなときめき。
誰かの正解より、私の「好き」を大切にしたい💖

土曜日の、とある夜🌙✨
「今夜、ちょっと集まらない?」

気の置けない仲間からのお誘いに、リップをさっと塗り直して、
クリーム色のミニで出発🚗💕
白いルーフと、やさしいボディカラー。イエベカラーなのだ<(`^´)>
駐車場で見つけるたびに、やっぱりこの子にしてよかったなって思うの🤭♡
こう見えて、車と運転が好きなんです、私🤭

お気に入りの音楽を流して、ミニで走る土曜日の夜🚗🎶
いつもと同じ道なのに、今夜は街の灯りまで、ちょっと違って見える✨

お気に入りの車と曲と「明日もお休み」っていう小さな解放感。
それだけで、見慣れた景色が特別になるよね。

こんな夜のドライブが、私をふわっと自由にしてくれる🌙💕

向かったのは、三郷のカリフォルニアモーターズに併設された
「STARK COFFEE」☕🌴

あたたかな灯りと、きらっと光るネオン。
カウンターの前には、ワイルドな殿方が好むようなバイクまで。
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……この雰囲気、やっぱ好きぃ🥹💕

やわらかなカフェもいいけれど、たまには、こんなアメリカンな場所で
肩の力を抜くのもいいよね

灯りに包まれたハニーブラウンの色合いも、
イエベ春な私には、なんだか落ち着く🌼
……って、つい、自分に似合う照明まで探しちゃうのは内緒🤭

仲間の顔を見つけて、「おつかれさま~♡」
それだけで、ふぅっと気持ちがゆるむ。

今週あった、あれこれも、ちょっと頑張りすぎちゃったことも、
ここでは上手に話そうとしなくていいんだよ、って

取りとめのないおしゃべりに笑っていたら、
いつの間にか、いつもの私に戻っていました🌿

今夜のおともは、レモネード🍋✨
あ、帰りもミニを運転するからね
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淡いレモン色のボトルが、夜の灯りをまとって、きらきら。
ひとくち飲めば、甘酸っぱ~い気分に、シュワ~きゅんっ😘💛

お酒がなくても楽しい大人の週末。
気の置けない人たちと、好きな場所にいられたら、それだけで、もう十分。
そして、今夜の主役がこちら。

スタークWチーズバーガー🍔🧀💕
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……ねぇ、見て。
この、とろぉ~んとしたチーズ🥹✨
こんがり色づいたバンズの下に、
厚切りのオニオン。
その下には、お肉、お肉、そしてチーズ♡

「好き」が渋滞してるぅ~😍
つやっと、こんがり、とろっと。
眺めているだけで、もう口元がゆるんじゃう。
バンズのゴールドに、チーズのイエロー。
今日のご褒美まで、イエベ春カラーなのね🌼💛
……え?
ちょっと、「がっつり」しすぎじゃない?って?

今日は一か月頑張った私へのご褒美なのだ🤭💕

いつもは「骨格ストレートなきれいめ」を心がけているけれど、気の置けない仲間の前でくらい、
食べたいものに、まっすぐでいたいよね。
包み紙ごと、両手でぎゅっと。少しだけ迷ってから……

ぱくっ🍔💕

……ん~~っ♡
とろりんチーズに、香ばしいお肉。
厚切りオニオンも一緒になって、お口の中が、とぅてもにぎやか😘✨

さっきまで探していた「映える角度」は、どこかへ行ってしまいました🤭

口元、大丈夫?なんて笑いながら、ナプキンに手を伸ばす。
こんな姿も気にせず見せられる仲間がいるって、
それも、ひとつの贅沢なのかもしれないね🌿

きれいに食べることより、おいしそうに食べる私でいたい夜。

おしゃれは、ときどき引き算。
ご褒美のチーズは、今日はダブルで🧀🧀💕
心も、お腹も、満たされて。

特別な遠出をしなくても、こんな土曜の夜があれば、
また来週も、私らしく頑張れそう。

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みんな、今夜もありがとう🌙
帰り道も、気をつけてね♡


えと・・・。今週も大いに頑張りましょう!
本当は、日時内容秘密の会合。
なので、いつものイエベ春さんに登場してもらいました(笑)
しかし、一か月のあれやそれやと頑張りが、ダブルチーズバーガーで報われる。
イエベ春さんは、なかなかリーズナブルなのです。

それにしても、チーズの色から自分のパーソナルカラーに話を戻せるあたり、さすがのブロガー。
私など「うまい」だけで終わりですからね(笑)
Posted at 2026/10/05 12:34:52 | コメント(3) | トラックバック(0) | ダイナー | グルメ/料理
2026年10月02日 イイね!

「主語がデカい」の次は「物差しが動く」AIに検証させてみた

さて、週末、AIのトークンが余ったので、恒例の?「この人の主張の矛盾をAIに分析してもらった」シリーズです(笑)
今日の分析は、EV否定論、トヨタすごい系の竹田氏に続いて「酒井氏」について。最新動画も含めて、AIに食わせてみました。
しかし、私には「なぜ動画の内容を瞬間で読み込めるのか、いまだに謎なのです・・。

エクスプレス版
最近YouTubeで(私には)よく表示される酒井〇〇氏。
東大大学院修了、トヨタの製品開発システムや組織論を長年研究されている方で、実際に動画を見ても、トヨタの組織能力、主査制度、PMFなどの話は「なるほど」と思うことが多い。一方、自動車業界にいない私でも、EV、中国車、欧州車の話になると違和感を覚えます。そこで、公開動画と一次統計をAIに読ませ、冷静に分析してもらいました。象徴的なのが最新のノルウェーにまつわる動画。2026年1~8月、Toyotaは前年比+46.4%でブランド別2位。Teslaとの差も3,740台まで縮小。
これは事実。またノルウェーでは8月のBEV比率が98.7%。9月は98.8%となり、1~9月累計でも97.9%です。
販売台数のほうですが9月の販売は、
Tesla 4,935台
Toyota 1,333台
Volkswagen 1,182台
Mercedes-Benz 886台
BYD 758台
Xpeng 564台

中国勢も伸び、BYD+Xpengのシェアは前年同月3.5%→7.1%へ倍増しています。
つまり同じ数字でも、「EV先進国でToyotaが躍進! Toyotaの戦略は正しかった」とも言えるし、「BEV率98%でも自動車市場は成立。Toyotaも中国勢もBEVで成長している」とも言える。AIが指摘したのは「数字そのものより、どの数字を選び、どちら方向へ一般化するかに非対称性がある」
「Toyotaが伸びるとToyotaの戦略の正しさへと一般化する」「中国EVメーカーが苦戦すると中国EV全体の問題へ一般化する」「欧州メーカーが工場閉鎖するとEVシフトの失敗へと一般化する」ところがBYDやXpengが伸びても「中国EV戦略の成功」とは一般化しない」「ToyotaのBEVが伸びても「BEVの成功」とは一般化しない」
Toyotaについては、組織、人材、主査制度、製品開発、PMF、意思決定まで深く潜る。ところがEV、中国車、欧州車では、販売台数、補助金、値下げ、倒産、工場閉鎖などから大きな結論へ進んでしまうのです。

結果「Toyotaの話はなるほど。でもEVの話になると、ん?」と。このようなAIの評価を私なりにまとめると、Toyotaの製品開発・組織論 → かなり傾聴。Toyotaの将来戦略 → 有力な見方の一つ。EV・中国・欧州論 → 一次データや他の専門家でも確認。「○○壊滅」「知識弱者」など → YouTube的フレーミングとして割り引く。最後のAIの言葉。
「Toyotaの強さは、EVを否定したことではない。市場がEVになればEVを作り、そこで競争できる組織能力を持っていることにある。」ノルウェー市場こそ、それが証明されているのではないでしょうか。BEV率98%の市場でもToyotaはBEVを投入し、上位に来た。つまり大切なのは、「EVかICEかという未来を当てることではない。未来予測が外れても勝てる組織を作ること」。こちらの方が「なぜToyotaは強いのか?」という酒井氏本来の研究テーマなのかと思うのです。

本編
まずAIによると
■トヨタの話はかなり面白いそうです。

AIの評価は酒井氏に全部否定的なものではありませんでした。私の感覚とおなじで「トヨタの製品開発システム、主査制度、組織能力については専門家としてかなり傾聴する価値がある」
という評価。ここは同感です。

トヨタの強さを単に「品質がいい」「ハイブリッドが売れている」で終わらせず、
・製品開発システム
・チーフエンジニア制度
・PMF(Product Market Fit)
・市場に合わせて商品を作り分ける能力
・一つの未来予測に会社全体を賭けないこと


などから詳しく説明している。このあたりは、「なるほどなぁ」と思うことが多い。講演やコンサルティングを依頼する企業があるのも理解できます。
ところが――。
EV、中国車、欧州車の話になると、AIは私の違和感と同じ評価をしました。

■象徴的なのがノルウェーに触れた動画
最近アップされた動画のタイトルが、
【EV先進国ノルウェー市場の現実】トヨタBEVが1-8月累計で2位躍進とテスラ一強の終焉。「EV遅れ説」を垂れ流すAFP「世界のこたつ記事」の知的怠慢
というもの。
確かに数字を見ると、トヨタは頑張っている。ノルウェーの公的な自動車統計OFVによると、2026年1~8月でトヨタは前年比+46.4%。Teslaとの差も前年同期の9,173台から3,740台まで縮まり、ブランド別2位まで上がりました。これは素直にトヨタを評価していいでしょう。
ところが同じOFVの統計を見ると、別の景色も見えてきます。
8月のノルウェー新車市場におけるBEV比率は、98.7%。つまり、ほぼ全部EVです。
しかも8月にはXpengとBYDもシェアを伸ばし、OFVはToyotaとXpengを特に成長の大きかったメーカーとして挙げています。さらに9月。BEV比率は98.8%と過去最高となっています。

ブランド別では、
Tesla 4,935台
Toyota 1,333台
Volkswagen 1,182台
Volvo 1,088台
Mercedes-Benz 886台
BYD 758台
Xpeng 564台

中国勢のXpeng+BYDのシェアは前年9月の3.5%から7.1%へ倍増しています。1~9月累計では、
Tesla 19,975台
Toyota 12,633台
Volkswagen 10,788台

Toyotaは前年同期7,800台から+62%です。ただし、AIはこう疑問を呈しています。
この数字は本当に酒井氏がいう「EVは間違っていた。トヨタが正しかった」という話なのだろうか?と。

■むしろタイトルは「EVになってもトヨタは強い」なのでは?
ノルウェーでは新車の97.9%がすでにBEVです。その市場でトヨタがBEVを投入して2位になった。
ならば、一番素直な解釈は、
「EVになってもトヨタは強かった」
ではないかと。
これはトヨタにとって、むしろ素晴らしい話です。BEV率がほぼ100%になった市場を前に、「雪国でEVなんてダメだ」と市場から撤退したわけではありません。ちゃんとBEVを作って投入し、そして売れている。AIにこの点を尋ねたところ、
「Toyotaの強さは市場がEVが欲しがればEVを作り、そこで競争できる組織能力を持っていることにある」

むしろ、こちらの方が酒井氏が長年研究してきた「トヨタの強さ」の説明としてしっくりきます。

■ノルウェーは小さい市場なのか、大事な市場なのか
一方で否定し、一方で凄い!とか動画で話していると、竹田氏の時と同じことを指摘されてしまいます。AIは疲れずに全部の動画を読み込めますので(笑)

酒井氏は北欧でのEV普及率を紹介しているニュースには
「ノルウェーなんて人口の少ない特殊市場だ」「補助金で作られた市場だ」
という反論をしています。
ところが、「そのノルウェーでトヨタのBEVが2位!」となると、突然ノルウェーが重要な市場になってしまうのです(笑)
ノルウェーが特殊市場なら、Toyotaの成功を論じる時にも特殊市場です。
逆に、BEV競争を見るうえで重要な先行市場なのであれば、BEV比率98%台という事実も、
Toyotaの躍進も、BYD・Xpengの成長も、MercedesやBMWの販売も、同じ物差しで見た方がいいとAIは指摘します。

■AIが指摘した「評価基準の非対称性」
酒井氏の動画をいくつか見ていくと、
Toyotaが伸びる
→「Toyotaの組織能力・戦略の正しさ」

Teslaが落ちる
→「Tesla一強の終焉」

中国EVメーカーが苦境に陥る
→「中国EVの問題」

欧州メーカーが工場閉鎖・人員削減
→「EVシフトの失敗」

という方向に一般化されます。ところが、BYDやXpengが伸びても
→「中国EV戦略の成功」とは一般化しません。

ToyotaのBEVが伸びても
→「BEVの成功」とは一般化しません。
つまり、AIに言わせると、一般化する方向が、かなりToyota側に寄っている。
AIはここを「評価基準の非対称性」とも表現しました。

これは「数字が嘘」という話ではありません。むしろ厄介なのは、
使っている数字そのものは正しいことが多いからです。
どの数字を選び、そこからどこまで一般化するのか。いわゆるこれはチェリー・ピッキング(cherry picking)ですな。都合の良い数字に、発信者が物語を入れこんでくる、ということです。

■トヨタを語る時と、EVを語る時の「深さ」が違う
これもAIの指摘で、私が感じていた違和感に近いものでした。
酒井氏がToyotaを語ると、
・組織設計・主査制度・製品開発・PMF・人材・意思決定・プラットフォーム・経営システム
まで深く潜っていきます。ところがEV、中国車、欧州車になると、
・販売台数・補助金・値下げ・中古価格・工場閉鎖・メーカー淘汰
といった市場表面の現象から、かなり大きな結論へジャンプするのです。
電池化学、セル価格、800V化、SiC、熱マネジメント、電費、回生、充電性能、ソフトウェア、エネルギーマネジメント……。EVという技術体系そのものを深掘りして、「だからBEVは構造的にダメなのだ」と証明できているわけではないのです。
この結果、トヨタの話では「なるほど」と思うのに、EVの話になると時々「ん?」となってしまうのです。

■そして、言葉が強すぎる
酒井氏の動画には、
「EVでドイツ壊滅」「地獄絵図」「EV貧乏ドイツ」「EV知的倒錯人物列伝」「EV知識弱者層」
「EV無能」
など、かなりEVに対して、嫌悪なのか強い表現が登場します。ただマーケティングとしては上手いと思いますけど。
実際、動画は・・例えば、昨日公開されたての動画でも、もう何十万回も再生されています。
たぶん「Toyota製品開発システムにおけるPMFと組織能力」では、なかなかクリックしてもらええないことでしょう(笑)

「EV選んだドイツ壊滅!」ならクリックしたくなる。そして動画を見た人が、「うんうん。この人はよく知っている」となり、著書、講演、サロン、コンサルティングへつながるようです。
実際、今日の動画では、「トヨタの件で・・よく問い合わせをいただく」などと話しています。
ビジネスとしては理解できます。ただ、副作用もあるように思います。仕事を氏に発注する「意思決定者」はえてして論理的な人が多く、こういう論理の破綻に気がつきやすいものです。
また、今回の動画は、「ToyotaのBEVがノルウェーで売れている」という話なのに、コメント欄には、「そもそも雪国の北欧のEV普及なんてありえない……」という反EVコメントが出てくる(笑)
サムネだけで動画の中身なんてろく見ない人も多いだろう。いつの間にか一部の視聴者にとって、
「EV推進派、中国車、欧州車を叩く場所」のようになってしまっているのかもしれません。

■では、酒井崇男氏は信用できないのか?
AIの答えは以下ですが、そう単純ではありませんでした。
トヨタ製品開発・主査制度
→かなり真剣に聞く。

トヨタの組織能力
→かなり参考になる。

トヨタがなぜ長期間強いのか
→専門家として聞く価値が高い。

EV市場全体
→一次統計を自分でも確認する。

EV技術
→電池・電力・自動車技術の専門家でも確認する。

中国自動車産業
→反対方向のデータも見る。

欧州自動車産業
→「EVが原因」という一本線の説明には注意する。

「○○崩壊」「○○の末路」
→分析というよりYouTubeのフレーミングとして見る。


「専門家だから全部正しい」でも、「偏っているから全部ダメ」でもない。専門家にも、専門の範囲があるのがよくわかります。

■最後に――酒井氏のToyota論
今回AIと話していて、最後に一番腑に落ちたのがこれでした。
もし私(AI)が酒井氏なら、ノルウェーの数字について、こう説明します。
「BEV率98%になったらToyotaは終わる、と言われた。しかしToyotaは、そこでBEVを作り、2位まで来た。重要なのは、EVかICEかという未来を当てることではない。市場がどちらへ動いても、顧客に合った商品を作り、そこで勝負できる組織を持つことである。」

これならTeslaやBYDを貶す必要もありません。MercedesやVolkswagenを「終わった」と言う必要もありません。
そして、「なぜToyotaは強いのか?」という、酒井氏が本来最も得意とするテーマに戻ってきます。
<b>未来を正確に予言する企業になるのではなく、「未来予測が外れても勝てる企業になる」。</b>
EVだろうが、AIだろうが、エネルギーだろうが、これは企業経営にとってかなり重要な話だと思います。Toyotaについてこれだけ深い分析ができる方なのですから、「EVで○○壊滅」「EVは知識弱者」といった強い物語に寄せなくても、もっと面白い話ができるのではないでしょうか。
だからこそ、実に惜しい。と思うのです。

だそうです(笑) いやいやマーケティングとしては成功なので、惜しくはないでしょう。

これほどの高学歴者は、そんなのわかっているよ、とわざと間違ったことを言っている可能性ありますね。AIの使い方として、バズるには?というアドバイスを求めるのもありですね。
次回企画は、AIに、「AIは危険」「EV終了のお知らせ」「中国大崩壊」「ドイツ経済EVにより崩壊」「AIに仕事を奪われる」「再エネはインチキ」「自動運転なんて危険」「キャッシュレスは災害時に使えない」「メルセデスベンツさんEVで失敗」「トヨタ全方位しか勝たん」など、「バズるシナリオつくって」をやってみようかと(笑)
Posted at 2026/10/02 18:52:32 | コメント(2) | トラックバック(0) | EV | クルマ
2026年10月02日 イイね!

自動運転 入門編その③

さて、今回は日本勢代表、トヨタの自動運転はどこまで進んでいるのか?です。

今回の「E2E自動運転サミット」においてのトヨタの講演タイトルは、
「事故のない社会と移動の自由へ ― 自動運転の基盤づくり」
でした。
配布された日経Automotiveの冊子にも、トヨタの自動運転についての記事が掲載されています。タイトルは、
「トヨタ、E2E自動運転も『ハイブリッド』 モジュラー併用で説明可能性を追求」
というもの。


トヨタも、いよいよE2E自動運転の内製化に本腰を入れてきています。

その前に入門編③にして、今さらですが(笑)そもそもE2Eって何?からです。

ものすごく簡単に言ってしまえば、従来の自動運転は、
「認識する」→「予測する」→「判断する」→「クルマを動かす」
といった仕事を、それぞれ別々のシステムに担当させていました。
これに対してE2E(End-to-End)は、その一連の流れをAIにまとめて学習させてしまおう、という考え方です。
テスラなどが積極的に進めている方式ですね。

ただし、AIにまとめて任せれば任せるほど、「どうしてAIは、そこでその判断をしたの?」が人間から見えにくくなるという問題も出てきます。

そこでトヨタが採ろうとしているのが、E2E一本ではなく、E2Eに加えて、複数のAIを組み合わせる「モジュラー型」、さらに「ここから先はやってはいけません」というルールベースのガードレールも組み合わせる。
いわば、AIの柔軟さ+従来技術の説明しやすさ、安全を守るルール
の「ハイブリッド」です。

この冊子の中で、トヨタは率直に「テスラや中国勢を追いかける」と話しています。
いくら全方位できる体力がある、自動車メーカーナンバー1企業のトヨタでも、自動運転に限れば、米国や中国に先行されている分野があるからです。
その現状を正しく認識したうえで、トヨタも本格的な巻き返しに入った、と見る方がよさそうです。
・・・トヨタさんって、ネット番長たちと違って謙虚なのです(笑)

ただしこれは「トヨタ一社」の戦いではありません。住商アビームのコンサルタントさんからも、「自動運転は、もはや企業一社で戦うものではない」という趣旨の話がありました。
まぁ、当然ですが、AIだけあれば自動運転車ができるわけではないからです。

クルマ、半導体、AI、通信、クラウド、地図、道路インフラ……。さらに公道を走らせるとなれば、国や自治体との連携も必要になります。
そう考えて、トヨタの周りを見てみると、ソフトウェアを担うWoven by Toyota、米国の研究拠点Toyota Research Institute(TRI)。
さらにNTTとは2024年、「モビリティAI基盤」の構築で協業を発表しています。
人、モビリティ、インフラをつなぎ、交通事故ゼロ社会を目指す構想で、両社は2030年までに合計5,000億円規模の投資を見込んでいます。
「内製化に本腰」と冒頭に記しましたが、自前主義だけでもありません。
米国ではAlphabet傘下の自動運転大手Waymoと2025年に戦略的パートナーシップの枠組みに合意。Woven by Toyotaも加わり、新しい自動運転車両プラットフォームなどを検討しています。
中国ではMomentaとも連携。Momenta自身も、トヨタとの協業について、中国市場向けの高度な自動運転システムをトヨタ車へ搭載する取り組みと説明しています。
さらにもう一社。
Pony.ai(小馬智行)。
こちらはもっと具体的に進んでいます。トヨタとの協業は2019年から続いており、2026年にはPony.ai、トヨタ中国、広汽トヨタが共同開発した第7世代のbZ4X Robotaxiが量産入り。今年中に1,000台超を生産する計画まで進んでいます。
↓2社の話はこのあたりで触れたとおりです。

どのみち事故は増えていく 高齢者ドライバーとロボタクシー

ウェイモに期待


こうして並べてみると、トヨタだけを見ていても、トヨタの自動運転戦略は分からないということがわかりました。わからないことがわかりました構文(笑)
でも、これが今回のサミットで感じたことの一つでもあります。
自動運転は、「トヨタの自動運転=トヨタ一社の技術」ではありません。
クルマを作る競争だけでなく、「仲間を作る競争」に入っている。「中国ガー」と言われそうですが(笑)
AI、半導体、通信、道路インフラ、データ、そして国や自治体。
自動運転が高度になればなるほど、必要になるものはクルマの外へと広がっていきます。
冊子の最後にも、
「インフラを含めた巨大なエコシステムの構築が、自動運転の競争力を左右する可能性がある」という趣旨の指摘がありました。
なるほど。
そう考えると、自動運転競争は「どの会社が一番すごいクルマを作るか」だけではなく、「誰と組んで、どんなエコシステムを作れるか」という競争でもあるのでしょう。

トヨタ自身もE2Eへ進めています。ただし、E2E一本槍ではなく、モジュラー型やルールベースのガードレールも組み合わせ、AIの柔軟性と安全性、説明可能性の両立を狙って。
そして、Woven、TRI、NTT、Waymo、Momenta、Pony.ai、さらには政府や自治体へと、その輪を広げていく。
一社ですべてを抱えるのではなく、誰と組み、どんなエコシステムを作れるか。
これが今回のサミットから見えてきた、われらが日本勢代表・トヨタの現在地なのだと思います。
Posted at 2026/10/02 16:21:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | EV | クルマ
2026年10月02日 イイね!

汝の敵、中国を知れ その⑦

中国から学ぼう的な事を書くと、中国からいくらお金もらった?→ ほしいです。でもお金はもらえません(笑) ハニートラップにひっかかった → ハニトラ歓迎です。でも来てくれません(笑)
逆に、中国からすれば、30年間計画的に理系人材の大規模育成、獲得に力をいれてきた、まさに「長征」というべき戦略。・・手の内を知られたくないでしょう・・。
 
さて今日は、自動運転から少し離れて、E2Eサミットで紹介のあった韓国KBSのドキュメンタリー『人材戦争』の話。
先日、初めて知りましたが、話を聞いてみて、これは、かなり見てみたい番組だな。と。

ドキュメンタリー・インサイト ― 人材戦争2
ハングルはグーグルの翻訳すれば読めるけど、動画はわからん(笑)
なので、KBSの番組紹介などをもとに、AIにも内容を調べてもらいました。

(いつものように(笑))エクスプレス版

韓国のドキュメンタリー番組から読み解く、中国の現在地

中国の技術力が突然開花したのではありません。
20~30年前に蒔いた「人材」という種が、いま開花期を迎えているのです。
小学生からの理数・AI教育、巨大な理工系人材層、博士・研究者への投資。そして科学者を社会が讃える文化。
DeepSeek、EV、自動運転、ロボット――。
いま目にしている中国の躍進は、その「20~30年投資」の収穫ともいえます。
かつて「坂の上の雲」を追いかけた日本のように、中国もまた長い時間をかけて世界の先端を追い続けてきました。
そして今、問われるのは、「日本はシュゴイ」「中国はシュゴイ」ではありません。
我が国は20~30年後のために、いま何の種を蒔いているのか?我が国はどうあるべきか?
です。

本篇
2025年に放送された第1部のタイトルですが、
第一部は「工学部に狂った中国」そして対になる第二部は、「医学部に狂った韓国」
番組のテーマを見ただけでも、韓国側の危機感が伝わってきます。

日本のNHKにも良質な産業・科学ドキュメンタリーがありますが、韓国でもこういう番組を作るのだな、と感心しました。……何で上から目線?(笑)

さて、この番組。AIの解説を見るに、これが単純な「中国脅威論」に終わっていないところが面白そうです。相手がどこまで来ていてどのレベルなのか?を冷静に見たうえで、「では、自分たちは何をしているのか?」と自国民に問い返している番組です。

「中国製品」が突然強くなったのではない
番組の出発点はDeepSeekです。2025年初頭、中国発のAIが世界を驚かせました。
KBSテレビが注目したのは、単なるAIの性能だけではありません。
DeepSeek創業者の梁文鋒氏をはじめ、その中核に中国国内の大学で育った理工系人材がいることです。つまり番組が投げかけている問いは、
「なぜ今、中国から、こうした企業や技術者が次々と出てくるのか?」
ということです。
中国製品が突然強くなったのではありません。その前に、中国の「人」が強くなっていた。
この視点が非常に重要だと思います。

20~30年前に蒔かれた種
中国は長年、理工系人材を大量に育成してきました。
現在では、理工・農・医など広義のSTEM系を含めれば、年間500万人!もの人材を輩出する巨大な母集団になっています。大学、大学院、研究機関へ資金を投入し、その巨大な母集団から優秀な人材を選抜していきます。
さらに研究者や技術者の社会的評価を高め、海外で活躍する中国人研究者の帰国を促し、海外の高度人材も招聘してきました。
有名なのが、いわゆる「千人計画」などの高度人材招聘政策です。

そして、その人材が研究機関だけでなく、企業やスタートアップへ流れていく。DeepSeekだけではありません。AI、EV、バッテリー、ドローン、ロボット、宇宙、自動運転――。

最近、中国企業が次々と世界市場へ出てきていますが、その背景にあるのは個々の企業の偶然の成功ではなく、「人材を生み続ける巨大な仕組み」なのかもしれません。

科学者を「英雄」にする国
そして、もう一つ興味深いのが、中国で科学者や技術者がどのように扱われているかです。
中国の街中の巨大ビジョンに、著名な科学者たちを映し出し、その功績を称える映像が話題になりました。
中国は科学者を街の公共スクリーンに出して、まるで国民的セレブみたいに扱ってる


もちろん、こうした取り組みには愛国的・国家的な色彩もあるでしょう。
ただ、私はこれも広い意味での中国の科学技術・人材戦略の一部なのではないかと思っています。子供たちが憧れる存在は、スポーツ選手や芸能人だけではない。

「科学者になって国を豊かにした人」
「世界を驚かせる技術を生み出した人」
「社会の発展に貢献した技術者」

そういう人を社会のヒーローとして繰り返し見せる。すると、科学者になること、技術者になること、工学を学ぶこと自体に社会的な価値が生まれる。
これは結構重要なことだと思います。いくら政府が、「理工系人材を増す!」
と言って予算を付けても、若者自身がそこに夢や社会的評価を感じなければ、優秀な人材は集まりません。中国がやっていることを俯瞰すると、

理工系教育へ投資する
↓
巨大な人材層をつくる
↓
優秀な人材を選抜する
↓
研究資金を与える
↓
研究成果を産業につなげる
↓
成功した科学者・技術者を社会的に称える
↓
子供たちがそれを見て憧れる
↓
次の世代が理工系を目指す

という循環が見えてきます。つまり中国の科学技術政策は、大学や研究所へお金を投入するだけではありません。
「誰を社会のヒーローにするのか」
まで含めて、人材を再生産する環境をつくっています。もちろん、国家による英雄化をそのまま肯定する必要はありません。ただ、科学者や技術者の功績を社会全体で可視化し、
「理工系へ進めば、こんな仕事ができる」と次世代へ見せることには、人材政策として無視できない力があります。

KBS『人材戦争』の、「工学部に狂った中国」というタイトルも、こう考えると違った意味に見えてきます。中国が育てているのは、科学者や技術者だけではない。
「科学者や技術者を目指したくなる社会」そのものなのかもしれません。

「量」だけではなく「上澄み」をつくる
「中国は人口が多いのだから、理工系学生が多くて当然」こう考えることもできます。ただ、この番組はそこで話を終わらせていないところです。
北京大学には、コンピューター科学のトップ層を育成する「Turing Class(图灵班)」があります。つまり、

大量の理工系人材を育てる
↓
巨大な母集団をつくる
↓
その中からトップ層を選抜する
↓
世界レベルの研究者を育てる

というところまで設計されている。「量」だけではなく、量の中から質をつくる仕組みです。

そして『人材戦争2』へ
反響を呼んだこの『人材戦争』は、2026年、続編『人材戦争2』へ続きます。
中国を扱った第1部のタイトルは、「China Speed」です。
まさに電撃戦ですね。
テーマはPhysical AI、ヒューマノイド、ドローン、低空経済など。
だからこそ、E2Eサミットの中でこの番組が紹介されたのでしょう。

ここでは問題意識が一段進みます。2025年版が、「中国はどうやって人材をつくったのか」だとすれば、2026年版は、「その人材が、なぜこれほど速く技術を社会実装できるのか」

これは、先日参加したE2Eサミットで聞いた話とも、かなり重なります。
NVIDIA、テスラ、モメンタ、トヨタ、住商アビームなどの登壇者から共通して聞こえてきたのは、自動運転はゴールではない。Physical AIへ向かう途中の一里塚である。ということでした。

そして、その中間地点である自動運転ですら、米国と中国は投資額、人材、実証、社会実装で大きく先行している。個々の技術では日本にも強いものがある。
しかし、
・技術を研究室から社会へ持ち出す。
・実際に動かす。
・失敗から学ぶ。
・改良する。
・そして、再び市場へ出す。

その循環を回す速度に大きな差があります。これは韓国も同じ課題と思っているようで、KBSテレビがタイトルに「China Speed」と付けた意味も、そこにあるのでしょう。
中国を見て、中国だけを語る番組ではなく、中国礼賛でも終わらないところが、良番組と思えるところです。まだ見ていないけど(笑)

2025年版では、上記に記したとおり
「工学部に狂った中国」に対して、韓国側は、「医学部に狂った韓国」でした。
それぞれの国で優秀な若者が、どこへ向かっているのか。中国ではAI、半導体、ロボット、航空宇宙などの工学分野へ大量の人材が向かう。一方、韓国では優秀層の医学部に偏った志向が社会問題になっています。それを目の前に並べ、「中国はすごい」で終わるのではなく、「では韓国は、このままでいいのか?」と問いかけています。ここに、この番組の良質さを感じるのです。

相手を貶して国民を安心させるのではない。相手の強さをきちんと見る。そのうえで、自分たちはどうするのかを考える。こういう視点は常に必要なのだと思います。

DeepSeekに負けた。EVで負けた。
ドローンで負けた。自動運転で負けた。本当に怖いのは「一つの技術で負けること」ではありません。そういう個別論で考えているうちは、まだ本質ではないのかもしれません。
本当に見るべきなのは、次の産業をつくる人材が、どの国から継続的に生まれているのか。
そして、その人材が研究を行い、起業し、資金を集め、製品化し、社会実装するまでの仕組みが、どこまで出来上がっているのか。ということなのでしょう。

中国の強さは、DeepSeekでも、BYDでも、Unitreeでもない。
それらを次々と生み出せる、
「人材を育て、選び、研究させ、起業させ、社会実装まで走らせる仕組み」
そのものにあるように見えます。
そう考えると、KBSテレビ『人材戦争』は単なる中国特集ではありません。AI時代、Physical AI時代に、「国の強さとは何なのか」その根本を考えさせる番組なのだと思います。

中国が20~30年前に蒔いた「人材」という種を、いま収穫しているのだとしたら――。
我が国は「人材」というキーワードに対して20~30年前に何をしていたのでしょう。
そして、いま何の種を蒔くべきなのでしょうか。な~んてな。
Posted at 2026/10/02 15:48:16 | コメント(3) | トラックバック(0) | ちょっとビジネス寄り | ビジネス/学習

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