
前回、
水垢除去対策について触れましたが、その流れでそもそも最近の車の水垢付着が増えた要因が実は『ガラスコーティング』施工によるというネガティブな
爆弾発言をしてしまいました。
そこで今回はそのフォロー?の意味も含めてせっかく施工した『ガラスコーティング』について、もう少し深堀りしてみようと思います。
硬化型ガラスコーティング
二昔前(昭和世代w)まではワックス全盛の時代がありましたが、最近では近所のカー用品店にいくと施工性の良いガラスコーティング剤と呼ばれる商品がかなりのスペースを取って陳列され大々的にプロモーションされている事に気づきます。
親切なメーカーさんだと商品名に敢えて
【ガラス系コーティング剤】と表記しているものもありますが、実際にこれらの製品詳細をメーカーHPなどで調べてみるとガラス系成分は多少含まれてはいるものの基本ベースは撥水性や疎水性を発揮するためのポリマーやレジンなどの樹脂が主成分となっています。
これらはいわゆる
<犠牲被膜>を形成してくれる
有機系簡易型コーティング剤で、長期間に渡って効果を持続できる製品ではなく、耐久性は商品によってまちまちですがせいぜい1~2ヶ月程度の効果の商品が大半になります。
今回の考察はこれらの簡易型商品ではなく、比較的長期にボディを保護してくれる硬化型ガラス被膜を形成するガラスコーティングについての話になります。
市販品(自分で施工するもの)としての有名どころは滑水性をウリにした
ピカピカレインに代表される”ガチ勢”です。
また施工店ベースとしてはKeePerさんが提供している
キーパーコーティングなどがメジャーですね。
硬化型のガラスコーティングはその名の通り塗装面にガラス基の被膜を乗せて硬化させて塗装面を紫外線等の劣化から保護するもので、その特徴としては液剤が空気中の水分等と化学変化によって硬化しないようにガラス瓶などに入れられていたり、二液性にして施工直前で反応させて使用するものもあります。
そのため液剤の長期間保存ができなかったり、開封後は時間制限があるもの、そして施工後の定着(硬化)に一定時間を要します。
そのため施工ミスで塗りムラが残ってしまったり、重ね塗りで膜厚が不均一になる場合もあるので、素人施工だとちょっと腰が引けちゃう事も。
しかし一旦形成されたガラス基被膜は簡易系コーティング剤とは異なり、ボディ塗装面を長期間保護してくれます。
ガラスコーティングは最強?
じゃあボディコートはガラスコーティングが最強じゃないか!と思いますが、もちろん弱点もあります。
それは未施工車よりも
「水垢が付きやすくなる」点です。
(詳細は
洗車 考。Vol.5【水垢除去】をご参照下さい)
硬化したガラス基と水垢の正体(シリカスケール)は無機物質同士なので、お互い結び付きやすいという性質があり、施工後の定期メンテを怠ってしまうとかえってウォータースポットを誘発してしまう可能性があるため、コーティングメーカーさんはハイブリッド型のガラスコーティングを提供するようになりました。
ガラス基の持つ親水性の被膜を基層にして泥や鳥フン・タールピッチなどの有機物質をしっかり防御しつつ、表層に撥水成分(レジンなどプラスティック系の有機被膜)を重ねて複数被膜構造にする事によって水道水等に含まれるスケールのような無機物質がボディに残留しないように弾き流すというものです。
液剤の中のガラス基(無機)とレジン等(有機)が水と油のように分離して二層構造になってくれるタイプや、施工順序によって施工分けして複層にするケースもあります。
費用対効果
参考としてKeePerさんのダイヤモンドキーパーってどのぐらい手間暇かかってんの?と思いネットで検索したら、施工店向けの作業マニュアルが見つかりました。
ダイヤモンドキーパー作業マニュアル(PDF)
実際の作業動画は「NaponTV」さんの”Wダイヤモンドキーパープレミアムを施工してみた。"動画が解り易いです。
早速KeePerオフィシャルHPでWダイヤモンドキーパープレミアムの施工料金を調べてみると、カローラツーリング(Mサイズ)の場合134,700円。良いお値段です。
ただ実際の施工動画を見ると、その料金の大半は材料じゃなくて軽研磨等の
下地処理まで含めた施工手間や経験豊かな技術料にあるんじゃないかなと思いました。
ちなみにMサイズの年1メンテ料金は表面のレジン被膜入れ替えで8,700円、下部のガラス被膜を整え、表面のレジン被膜を入れ替える場合で17,400円でした。
たぶん前者は割とマメに水洗い洗車する人で、後者はこまめに洗車しない人対応だろうと思いますw
とは言え、「コーティングが期待外れだった!」という方も一定数いるようで、エネオスさん(GS内にKeePer施工店を並立させた店舗多いですねw)のコラムが面白かったので紹介しておきます。
「キーパーコーティングは最悪」の評判を紐解き徹底調査!カーコーティングで失敗しない方法とは?
やっぱり自主メンテは必要
KeePerさんに限らず作業内容もちゃんと説明してくれるような丁寧なコーティング施工店であれば、引き渡しの際に定期的な自主メンテも促されるでしょうし、納得もできますよね。
この技術コンテスト大会に出場されているような近所のKeePerスタッフさんを訪ねてみるのもありですね。
僕の場合はメンテ不要とか言われちゃうと逆に「洗車という趣味を取り上げられる」事にもなっちゃうので、それはそれで困りますw
またコーティング施工直後のバチバチな滑水が一定期間で減衰する事が納得できない場合は、そもそもボディ塗装面の保護が大前提のガラスコーティングではなく、カルナバ蝋がガッツリ配合されたワックス施工を月1ペースでやる方が幸せになれる気がします。(施工は大変だけど完了後の満足感は半端ない)
もちろん撥水や艶効果が落ちたら脱脂材で劣化した油分や汚れを毎回しっかりリセットして再施工してあげる必要はありますが、ワックスのあの独特なヌルテカはタマランですよねw
先日家に遊びに来てくれたみん友のほなちゃんが実践している手塗りワックス動画はコチラw
僕はカロツーにCPCのガラスコートを納車時に施工してもらいましたが、製品仕様が公式HPでもイマイチ明確になっていない事や、施工自体そもそもちゃんと下地処理からやってくれたかも今さら確認のしようがないので、近日中に一度リセットをかけて自分でガラスコーティングを施工してみようと画策中です。(
コーティング剤は調達済w)
しかしコーティングは奥が深いなぁ。。。
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Vol.5【水垢除去】編
Posted at 2023/04/15 12:53:29 | |
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