
親戚からちいっと古いセイコーの時計の修理品を預かったンじゃ。
バックルのリリースボタンがスカスカになってしょもうてロックが出来ない・・という代物。
内部のバネが効いていない状況は一目瞭然で、ボタンが中に入り込んだまま殆ど顔を出しとらンかった。
親戚は、町の時計屋に持参し修理を頼んでも、「もう古くて部品が無いです」と言われたそうな。
それは当然じゃろう、古いし。
じゃが、純正ベルトではなく他のベルト丸ごと交換するとか、バックルだけ交換するっちゅう方法は提示してくれンのかいな?
情けない時計屋じゃのお!
で、当方に白羽の矢が当たり、埼玉県から送られて来ることになった・・っちゅうわけじゃ。
届いた時計を見てみると、その時計屋はもっと恥ずかしいくらい情けない技術者(いわゆるトウシロー)のようで、そいつは応急処置でもしようとしたのか、あろう事かバックルのボスを平面に伸ばし、バヨネット部分にある穴の縁に「引っ掛かるようにしよう」としたようじゃ!
「ちょっとまて!!」
このボスは、そもそも90度立っているものであり、ロック側のバヨネットのバネ機構が効いて逃げが働いて引っ掛かるようになっとるもんじゃで、決してその出っ張りが曲がったためにロックが遠くなったのではないぞ!!危ない勘違いをするでない!
情けない!どこの時計屋じゃい!
折れ曲げ加工を施したことで強度が下がってしまうやんけ!弁償せい!って言いたいところじゃが、なンとか救済して90度に戻し、ロック側のバヨネット部分を修理してみることにした。
先ずは預かった時計。

セイコーの何てモデルじゃったかいのぉ・・・?
現状は、パンタグラフ式バックル部分がロックできないので手に填められん。
じゃで、結構放置されていたようで、電池も無くなって動いとらん。
早速分解!

作業し易いようにパンタ部分を単独にして、スポット溶接されていたバヨネット部分をバラした。
予想していた通りじゃ!

汗などによる腐食で、内部のバネが腐食してポッキリと折れとるわい。
開ける前から容易に想定できる事態なンじゃが、これを時計屋の看板を上げとるお店で判らンっちゅうのは信じられんぞ!
この穴の縁にパンタ部分のボスが引っ掛かるようにしようと考えて曲げたようじゃな・・・。
その店の人間、大バカじゃわい。
バネを工作。

MDメカのジャンクから、合いそうなスプリングを流用することに。
セットできたら、バネが飛ばンようケースを戻し、取り敢えずボンドでくっつけてみた。

アロンアルファーは液状じゃで、流れ込んでしまうため使えん。
流れ込んでしまうと、可動部分が固着して使い物にならなくなるし。
ブサイクにはみ出てたボンドは、、、

こうして取り付ければベルトで隠せるしの♪
次は電池交換。

ウチにはこのタイプの裏蓋を外す道具も有るんじゃよ♪
外し方は、この工具を持っていた親父から教わっとったンで、クイッとこじってこの通り♪

パッキンが古いようじゃで、組み立てた後は生活防水程度しか復帰できんので、注意して使って貰うしかないの。
電池は「SR927SW」。
「SW」の電池は、アナログ・クオーツ時計用となっとるンで、同じサフィックスの電池を使うんじゃぞ。
因みにデジタル表示タイプの電池は、サフィックスは「W」じゃ。
これらも全て、amazonで入手可能じゃから助かるわい。
今回は、マクセルの金メッキタイプが、送料無料で230円じゃった。
ボンドが乾くまでクリップで固定じゃ♪
乾いたら動作チェック!

話に出ていた「ロック用のボス」は、バヨネットロック部分の対面側に見えとるちいさいヤツじゃ。
ここまで戻すの、結構ドキドキしましたぞ~(大汗
リリースボタンが生き返り、充分に飛び出してる様子が良く判りますな。
戻る感覚もしっかりしとるし、バネよりソフトになっただけっちゅう感じかの。
カチッ!

実は、あのスプリングじゃが、ケース内に結構遊びが有った為に、ロック機構の稼働プレート(リリースボタン)の下に潜り込んでしまうため不採用にして、代用品を考えた結果、要らなくなったノートPCのキーボードに付いとる、キー用のナイロンボタンに変更(写真撮り忘れ!)したンで、「カチッ!」とはならずに、静かにロックされる感じになったわい。
じゃで、操作フィーリングは一寸軽めなンじゃが、ロック自体は確実で問題なしですぞ!
もっと乾かすために、板切れを介してクリップで挟み、暫く置いておくことに。

一応直ったものの、やはり「スポット溶接」から「接着剤」では心許ないンで、同じ構造のバックルは無いかな…と探してみると、、、
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00JL4F8CQ
有るンじゃのぉ~!
バックルなどの検索ワードで開いて、20数ページ目で漸く出て来たのがこれ。
しかもたったの280円じゃと(わしが買った時はそうじゃった)。・・・どんな質感の部品が来るのかドキドキして仕舞う安さじゃが、余りボロっちいものでない事を祈るしかないわい。
バックルの多くは「Dバックル」と呼ばれる「革や樹脂のベルト」に取り付けて、格好良く止めるための、ステンレスなどの金属製のものが多く、危うく間違ってしまうところじゃったが、中国で買ったパチモンのロ〇ックスに、そのタイプのベルトが付いているものを持っとるンで事なきを得た。
部品は深圳から送られて来るそうで、24日-1/10までの配達予定とのことなので、取り替えた様子は今回間に合わず。(ピンスプリング2個の脱着なので簡単)
純正のものと全く同じ構造なのと、「17mm」と言う異種のサイズもあると言う事でビックリじゃわい。
恐るべし中国!
その反面、情けない(元)工業大国日本!
今では、こんなパーツすら売られとらんのじゃなぁ・・・
。
国や企業を中心に、口では「エコロジー」を語りつつも、こう言うものは「買い換えれば?」っとでも思っとるエゴイストの集団へと向かっているみたいじゃな・・・。