G-BowlアプリではiPhoneの内蔵GPSを使って位置情報と速度を得ています。つまり、GPSの狂いはアプリに表示されるマップとスピードの狂いとなって現れるという訳です。
さて、GPS精度が低下する原因にはGPSの仕組みによるものと、iPhone側の事情によるものがあります。
両方知らないと的外れな対策になりかねない、というのが難しいところです。GPSについてイチから説明し始めるとキリが無いので、興味があれば
ウィキペディア等を読んで頂くとして、G-Bowlアプリを使う上で注意する点を少し取り上げてみたいと思います。
カーナビや登山用のGPS機器を使っていて、
「最初に電源を入れてから位置が定まるのに時間がかかる」
という経験をした事はないでしょうか? 説明書にもそういう記述があって、長いと数分程度待たされる事があります。これは最初に近くの衛星から「軌道データ」を受信する必要があるためです(この衛星通信がとても遅い)。しかし、iPhoneを使っているとこの待ち時間を感じることがほぼありません。無論、衛星電波の届かない屋内等で位置が定まらない事はありますが、青空の下で「最初に何分も待たされる」という事がありません。マップを開けば瞬時に現在地が出ますよね。
これはiPhoneでは軌道データを衛星からではなく「携帯電話のデータ通信」を使って一瞬で得ているからです。これをA-GPSと言います(
詳しくはこちら)。「なんだ GPSって衛星通信だけじゃなかったのか!」と思われた方、そうなんです。でも、それはつまり逆に言えば「携帯電波が無い」状況だと、iPhoneもただのGPSと同じになってしまう訳です。
前置き長くなりましたが、これで注意点が見えて来たと思います。
(1)A-GPSの為に携帯データ通信(3G/LTE)が出来る状態にしておく事。
(2)A-GPSが使えない場合でも、屋外で数分待てば改善される。
(3)「軌道データ」は保持されるので、毎回受信する訳ではない。
原因がわかっていればイライラせずに済みますね。ちなみに(1)が出来ないのに以下のようなケースがあります。
・山奥等で携帯電波が来てない。
・機内モードになっている。
・SIMが挿さっていない。
「機内モード」や「SIMなし」もGPSに影響がある、というのがポイントです。特にお古のiPhoneをG-Bowlアプリ専用にしている方は「SIMが刺さってない」と常に不利です。
0SIMをお薦めしている理由の一つでもあります(*1)。
さて、こういう話をすると「パケ代が心配!」と不安になる方がいらっしゃいます。「G-Bowlアプリを使うときには”機内モード”にしている」と言う方もいます。
これは間違いです。実際にデータ通信するのは最初の「軌道データ」だけで金額的にどうこうという量ではありませんし、以後はGPS電波を受信するだけですからパケット代は発生しません。 G-Bowlアプリのために
機内モードにするのは意味が無い(かえって害がある)と考えて結構です。
次回は走行中のGPS精度を改善する方法、GPSを搭載していないiPad/iPod等の対策を紹介したいと思います。
*1 G-Bowlを使って地図を表示したり、メールでデータ交換する程度ならいくら使っても無料枠(500MB/月)に収まります(というかかなり余裕あります)。
Posted at 2017/08/08 23:13:40 | |
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