クランクケースの分割が済みました。
今回のエンジンOHは、6速トランスミッションを組み込むのが主な目的です。
VTRのMC15Eエンジンは、1982年発売のVT250FcのMC08Eエンジンを元に進化したエンジンです。元々の動力性能は
35PS/11000rpm、2.2kg-m/10000rpm、6速TM(トランスミッション)でした。
1986年のVT250FjのMC15Eでは、
43PS/12500rpm、2.5kg-m/10500rpm、6速TMまで進化しました。この後、VT系はスポーツではなく大人しい性格のバイクへと移行していきます。
現在は、
30PS/10500rpm、2.2kg-m/8500rpm、5速TMです。
32年前の初期型VTと比べても性能が低く、それなのにTMは6速から5速へ減らされ、燃費も悪くなっています。ちなみに
歴代のVT系は13300rpmのレブリミットまで勢いを失わず一気に回り切りますが、
現行VTRは7000rpm辺りから嫌々しだしレブリミットの12000rpmまで回り切らせるのは低いギアを選択しても至難の業です。
発売当初、当時最高のRZ250を打ち負かすために市場投入された初代VTと、入門用バイクとして作られている現行VTRは性格が違うことは分かっていますが、VT系の実力はこんなものじゃないって知っているだけに本来あるべき姿に戻したいのです。前置きが長くなってしまいましたが、本題の6速TM仮組みに入ります。
昨年VTZから取り出し、点検をし消耗した部品交換した6速TMです。

オカノブラストにてWPC、Mos2、TAFFLAT処理を済ませてあるものです。
その他構成部品のシフトドラム、シフトフォークも処理してあります。
これをVTRに組み込みます。
もちろん本来の性能を取り戻すためにはこれだけではなく、リフト量が多く作用角の広いVTZのカムシャフトも投入することになりますが、それはまた後日ということで。
今回は、同じ型式のエンジンとは言え、違う個体のクランクケースにトランスミッションを入れるので、作動確認とクリアランスの調整を行います。
画像は一気に組み込み後です。

クリアランスのシム調整もいらず普通に動いてしまいました。
ここが腕の見せ所なのですが、拍子抜けですね。
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VTR | 日記
Posted at
2014/12/17 23:24:40