BMW X3 xDrive20d 試乗レポート-2
(実際には、別の日の試乗記ですが、レポートが長い為、分割して案内しています)
ヘッドレストは外れない
そして、積載能力をチェックしてみました。
長いボード類が積めるのか?です。
後席を倒すと、荷室とフラットになります。
そして、問題なのは、助手席の背もたれが、どう動くのか?です。
ほとんどの車種は、背もたれが前に倒れなくなりました。
前に倒れて、テーブル代わりになるのは、ボルボだけ。
更に、最近の車は、前席ヘッドレストが、取り外せなくなりました。
安全装備の関係で、取り外せないのだそうです。
でも、ヘッドレストが取り外せないと、長いボードを車内積みする時、ヘッドレストが邪魔して
しまうのです。試乗車は、本革シートではなく、通常シートでした。
だから、取り外せるのではないか?と思って、外そうとすると・・・外れませんでした。
ま、これは、E220ブルーテックワゴンも同じで、外れません。
ヘッドレストが付いたまま、その飛び出た部分を上手く使って、ボードや、その他の道具を、
すき間に差し込む形で入れるしかないので、これに関しては、あきらめるしかありません。
この状態で、道具が積み込めるのか?は、他店で実物持ち込みで、確認済です。
ウィンカーレバー
BMWを試乗して、いつも感じる事。
それは、「レバーを倒した後の反応」が、わかりにくいと言う事。
レバーを倒したら、そのまま、倒れた状態になれば良いのに、BMWの場合は、一度、倒すと、
ウィンカーが反応していてもレバーは、一旦、基本位置に戻ります。
だから、ウィンカーが、反応したのか?が、わかりにくい。
あれっ?反応しなかったのかな?と言う事で、2度、やる事もあります。
ほんの少し、1~2回だけ、点滅させたいような時も、レバーが、すぐ戻ります。
消したい時に、レバー位置が常時、基本位置に戻っているので、作動を受付ているのか?が、
わかりにくいのです。
BMWに長く乗り続けている人なら、何か、それらのコツは、わかっているのでしょうが、自分の
ように、これまで、試乗で短時間乗る程度だと、そこまで、解明出来ないままになってしまいます。
復路
そして、十国峠レストハウスで、休憩して、帰る事にしました。
しかし、十国峠周辺は、やはり、標高が高いのですね。外気温が、5度前後で、写真撮っている
と、寒くなりました。
チリチリ音
そして、峠を下り中心で走る事になりました。
往路の登り中心では、運転中、車内の内装からのビビリ音は、一切、ありませんでした。
通常、ディーゼルエンジンだと、ちょっとした周波数が共鳴する限られた範囲のみですが、時々、
内装のどこから、ビリビリと音を出す事があります。
これは、ディーゼルエンジン特有の低い音が、何かに影響するようなので、ある程度、覚悟して
います。
しかし、X3では、登り坂中心の往路では、どこからも、一切、ビビリ音が、出ませんでした。
所が、下り坂中心の復路になると、Aピラーの助手席側の付け根の辺りか、助手席足元周辺の
近くから、ずっと、「チリチリチリチリ・・・」と言う小さい音なのですが、下っている間のほとんど、
その音が聞こえました。この音源は、何なのか?わかりません。
ゴツゴツ感の乗り心地
そして、往路からも気になっていましたが、全体的に、乗り心地が、カタイ。
それは、M Sportなので、味付けだと思って、ずっと乗っていましたが、自分にとっては、この
M Sportの乗り心地は、ずっと、ゴツゴツゴツゴツと、小さい振動が続く感じがして、どうしても、
自分は、この揺れが、自分の感性には、合いませんでした。
X3を選ぶとするなら、M Sportは、ありえないと言う結論は、出ました。
このカタカタ揺れる乗り心地より、フワフワだったGG2Wの乗り心地の方が、自分には、合って
います。
シート
尚、試乗車のシートは、めずらしく本革シートではありません。布シートです。
しかし、BMWですから、シートの質は、良いだろうと思っていました。
そして、シートに関しては、ランバーサポートも付いていました。
操作してみると、腰まわりを、バケットシートに近い状態まで、ギュッと抑えてくれます。
腰の疲れ
そして、復路の途中から、腰が痛くなりました。
ギックリ腰の痛みが完治していないからか?とも思いましたが、実は、それは、その後、
ギックリ腰の痛みとは関係ない事がわかります。
とにかく、そんなに長時間運転していないのに、腰が痛くなりました。
色々調整しても、ダメでした。
そこで、思ったのは、オルガン式アクセルペダルを採用しているのに、写真撮影の時に気付いた
「アクセルペダルが左に寄り過ぎている」と言う点が、関係しているのではないか?と、勝手に
想像しました。少なくとも、自分は、この短時間往復で、腰が痛くなりました。
挙動の変化
往路も感じましたが、復路も、西湘バイパスに入り、スピードがあがると、挙動があきらかに
変わりました。乗り心地がカタメになり、全体的な振動が増える。
これは、復路も変わりませんでした。
ヘッドライト
丁度、日没の時間になったので、自動的にヘッドライトが点灯しました。
X3 ディーゼルは、LEDパフォーマンスヘッドライトは、付いていません。オプションでも装着
出来ません。バイキセノンヘッドライトです。
LEDヘッドライトに慣れていると、物足りない感じはしましたが、視認性は、問題ありません
でした。
赤色メーター
そして、ヘッドライトが点灯すると、メーター類の色が、全て、赤色になります。
BMWは、なぜか、赤色になります。
赤色メーターと言うのは、目が疲れる色だそうです。
実際、自分も過去、赤色メーターの車に乗ってみた事がありますが、確かに、赤色と言うのは、
非常に疲れる色です。
この点は、「BMWに乗ると、赤色メーターになるのか・・・」と言うのを思い出しました。
他のユーザーの皆さんは、これでも良いのでしょうが、目が疲れやすく視力が悪い自分には、
良く考えたら、BMWの夜間メーターの赤色は、避けた方が良い色でした。
ナビ画面
ただ、良い点も、たくさんあります。
カーナビの画像が、とても鮮明で、視力が悪い人でも、ハッキリ・クッキリ見えます。
途中で割り込む道路標識や、VICS情報画面も、見やすく、わかりやすい。
これは、ホンダのインターナビと同等の見やすさです。
自分は、これまで色々使った範囲での「メーカー純正ナビ」の中では、ホンダのインターナビが、
一番良いと思っていますが、BMWの画面表示は、ほぼ、ホンダのインターナビと同等の
表示方法、見やすさなので、ナビに関しては、満点を与えられます。
(ただ、目的地設定などは、今回、一切、やっていないので、ナビのもっと深い機能・使い心地に
関しては、判断出来ません)
もしかして、BMWの純正ナビは、ホンダのインターナビと、製造元のメーカーが同じなので
しょうか?それに関しては、良くわかりません。
そして、ナビの縮小・拡大が、アッと言う間にコマンドを使って、変更出来る所も、使いやすいと
思いました。ただ、スクロール方法に関しては、良くわからないままでした。
拡大・縮小のスピードが早いので、今回は、それで、何とか、対応しました。
販売店到着
そして、販売店に到着。往復、約70km前後、走る事が出来ました。
しかも、主要な自動車雑誌を中心としたメディアが、試乗コースで使う事が多い場所への往復
です。
燃費
尚、車載燃費計での燃費結果が出ました。
あくまで、車載燃費計のデータなので、満タン法は、これより、割り引いて考える必要があります
が、自分の走り方で、往復 リッター15.5kmでした。これには、驚きです。
ま、満タン法だと、恐らく、リッター14km前後でしょう。
わずかに、15kmを越えられないと言うのは、E220ブルーテックと同じです。
ただ、こちらは、4WDです。4WDで、E220ブルーテックと同じ燃費なら、魅力的です。
BMWが、もっと、真剣に早い時期、試乗車を、長距離試乗で貸し出してくれれば、状況が
変わったかもしれないのに・・・
E220ブルーテックはFR(後輪駆動)。
これ、もし、自分の普段使いとまったく同じコースを往復させてもらうと、もしかすると、
E220ブルーテックより、良い結果が出るかもしれないと思いました。
やはり、リアルに自分が普段使うコースを使わせてもらうのは、大切かもしれません。
欲しいか?欲しくないか?
ただ、試乗を終えて、試乗車から降りた時に、思った、正直な感想。
「これ、いらない」でした。
理由は、終始、ゴツゴツした乗り心地が、自分には、合いませんでした。
そして、予想外だったのは、「腰の痛みが激しくなってしまった」と言う事。
ランバーサポートも付いていて、色々調節したのに・・・です。
アクセルペダルがオルガン式なのに、ペダル位置が、左に寄り過ぎていると感じましたが、
その影響が、腰の痛みにつながったのかもしれません。
アイドリング・ストップの頻度も、思ったより、少ないです。
信号で止まると、ほぼ、毎回、アイドリング・ストップしてくれるメルセデスに比べると、あまりにも
頻度が少ない。
あとは、夜間になると、メーター類の文字が、赤色になる事も、目の疲れの関係から、
ちょっと苦手・・・と思ってしまいました。
自分は、夜間走行の時間が、非常に多いので、メーターの赤色は、極力避けたいのです。
だったら、BMWは、あり得ないと言う事になってしまうのかもしれません。
最近は、メーターの表示をガラッと変更出来る車種も増えているのと、5シリーズ以上のように
液晶表示も増えているので、表示方法が違うBMWなら、可能性はあります。
あとは、BMWに関しては、タカタ製エアバッグを採用している車種がある事。
(X3のエアバッグが、タカタ製なのか?は、わかりません)
車としての全体的な造り、しっかり感は、充分あります。
もし、検討の余地があるとすれば、M Sport以外のグレードでの乗り心地の再チェック。
そして、自分が普段、頻繁に使っているルートと、全く同じように走っての満タン法燃費が、どれ
位の結果を示すのか?
その結果、リッター15kmを満タン法で越えるなら、再検討の可能性は、あります。
ただ、BMWの営業の人が、自ら言うように、「内装の質感は、BMWより、メルセデスだ・・・」と
言うのは、正直な所だと思います。
複数のBMWの営業の人が、同じような発言をしています。
そんな中、X3は、現在、ライバル他車で、「ディーゼル」「4WD」と言うのが、存在しないので、
無敵です。
しかし、今後、メルセデスが、GLCで「ディーゼル」「4WD」を出して来たら、明らかに、
メルセデスの方が、優位になると思います。
それも、かなり先の話ではありますが・・・
尚、メルセデスとの最大の違いは、ACCの精度。360度カメラの機能(BMWは、トップビューの
画像のみしか写してくれないので少し不便)。
BMWが現行型X3で優位なのは、ナビの精度、ナビの画面表示の素晴らしさ、オーディオの
音質です。
また、BMWの強みは、メルセデスよりディーゼルラインナップや、SUV、ミニバン展開が1世代
早いと言う事です。
メルセデスは、A-CLASSのSUV型になる、GLAに関しては、現行型では、ディーゼルの
導入は、ないと社長が発言しています。
一方、BMWは、1シリーズの派生車種SUVである、X1に、2016年夏頃、ディーゼルを導入
する予定です。
このように、メルセデスがラインナップしない物を、先行して導入すれば、需要は、取り込めると
思います。
実際、ミニバン型の2シリーズ・グランツアラー・ディーゼルは、かなり人気だそうです。
X3、試乗させて頂き、ありがとうございました。
乗り換え後の感想
そして、X3を約70km走った感覚が残った状態で、E220ブルーテックに乗り換えて、帰宅
しました。乗り換えた瞬間に思った事。
オーディオの音の違い
オーディオの音は、E-CLASSがズバ抜けて良いと言う事でした。
チャカ・カーンの「I Feel for You」、低音もズンズン響きました。ストレスない音で聴けました。
オートマチックの違い
そして、しばらく走って感じた事。オートマチックのシフトパターンは、BMWの方が良いと言う事。
BMWは、8速オートマチックです。
E220ブルーテックは、7速オートマチック。
しかも、市街地走行で、一番使う「時速40km~60km」では、
時速40kmで、4速に入るのですが、時速55kmまでは、5速に入りません。
この間のスピードでは、シフトアップしないのですが、かなり、エンジン回転数が、上がります。
車内騒音もうるさくなりますし、燃費にも良くないです。
時速38~39km前後で走る事も多いのですが、あと1~2kmスピードが上がれば、4速に
入るのに、前車の流れが、どうしても、その速度から上がらず、エンジン回転数が高めのまま
我慢して走るシーンが、多々あります。
このシフトパターンに関しては、E220ブルーテックの7速オートマチックを使う上での大きな
不満です。
ここのシフトパターンのプログラムを変えるだけでも、燃費は、少し、向上すると思うのですが・・・
C-CLASSには、9速オートマチックを導入しているので、その点は、優位なのだろうな・・・と
思います。
シートの違い
そして、しばらく走って感じたのは、「やはり、E-CLASSのシートは、すごく良い」と言う事でした。
X3を約70km走って、痛くなった腰。
E220ブルーテックに乗り換えて、しばらく走ると、疲れた部分が包み込まれるように、
いやされて行きました。痛みが、治まって行きました。
これは、先日、1泊2日で借りた、GG2Wから、E220ブルーテックに乗り換えた時と、全く同じ
でした。やはり、E-CLASSのシートは、良いのだな・・・と思いました。
帰宅
そして、自宅に帰宅。
この日だけの平均燃費は、13.9km/ℓでした。
やはり、チョイ乗りの短距離走行では、燃費が伸びません。
しかも、この日は、販売店に行くのに、渋滞回避するため、峠越えをしています。
平坦地で、燃費を伸ばせない道を選んだので、伸びませんでした。
オドメーターは、4170kmになりました。
乗り始めたのが、8月18日なので、丁度、4ヶ月経過。
月1000kmチョイのペースです。