2024年04月21日
ツインスプリング時のレート計算
この記事は
わかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)の記事の一部です。
ここからアクセスされた方がいましたら、上記のリンクから他の項目の方も見ていただけると嬉しいです。
・ヘルパースプリング
極低レートで基本的に密着させて使うバネです。
個人的にはラリーカーに使ってるイメージ。他にも車高下げたい人もバネ遊ばないようにつけてたりします。
メーカーなんかにもよりますが0.数k~3kくらいで更に長さも20mm~100mmくらいのもののイメージ。
例えばこれは私がよくメインスプリングとして使用させて頂いているラルグスさんの出しているヘルパースプリングです。

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先に言ったように基本的に密着させて使っています。
例えばハイレートサスをつけるとどうしても伸びストロークが不足してしまいます。
そこにヘルパースプリングをつけてやるとハイレートなメインサス+低レートなヘルパースプリング分のストロークがそのまま足されるため
ハイレートの乗り心地のまま、伸びストロークも多めに確保できる!という品です。
ちなみに余談ですが…。
昔ヘルパースプリング程度のスプリングレートではまともにタイヤにトラクションかけれないよ!と聞いたことあるので私は使用していません。
それが嘘かホントかは知りませんが、常にハイレートな状態で乗るのはだいぶしんどいので私は
アシストスプリングを使用しています。
・アシストスプリング
ヘルパーよりバネレートが高く、あえて潰しきらずに使ったりします。
これまたラルグスさんの製品です。

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)
ただ私はラルグスさんではなくCRAFTZさんのアシストスプリングを使用しています。

(購入は
こちら)
なぜラルグスじゃなくCRAFTZ?って理由ですが、当時ラルグスから出てなかったってくらいの理由ですw
自分の考えるアシストスプリングの使い方としては
普段(1G状態)では密着せず、大きなバンプ入力(段差踏んだとか横Gかかったとか)があった際にアシストスプリングが潰れ、メインのバネレートに移行させ、更にトラクションをかける!ってイメージ。
なので(今後触れますが)1G状態での潰れ具合と残りの潰れ代を考え、適当なレートのバネを付けています。
とまぁ、ここまでは前にやったスプリングの解説の延長線ですが、ここからは
それらのバネを取り付けたとき、どのようにバネレートが変化するのか?を説明します。
・ツインスプリングのレート計算
いわゆるヘルパースプリングやアシストスプリングをつけたときのバネレートの変化です。
例えばメインスプリングを10k アシストスプリングを5kにしたとします。
その状態で走ると乗り心地が柔らかくなる感覚がありますが、アレです。
計算式
上で掛けて下で足す->10*5/(10+5)=3.33
電気わかる人ならわかると思いますが、並列に抵抗を付けたときの計算と同じです。
なので自分はこれを合成抵抗からとって合成レートと呼んでいます。
それとここで注意なんですがよく見るのが
ヘルパースプリングは低レートだからその間はメインスプリングは潰れない!と誤解してる人です。
そんなことはなく、どんなにヘルパーが低レートでメインスプリングがハイレートでも平等に荷重はかかります!
ちょっと考えれば簡単です。
10kのバネと5kのバネが両方縮まるから3.33kになります。
10kgの荷重をかけると10kのバネが1mm 5kのバネが2mm縮み、合計3mm縮む。
荷重10kg/縮み量3mm=合成バネレート3.33k!って言ったほうがわかりやすいかな?
で、基本的にヘルパーやアシストスプリングは潰れるもの!
じゃあどういう変化量になるのかをさっきの件含め更に詳しく解説!
・ツインスプリング時のストローク計算
前回の解説で
今ついているバネが6k 200mmだとします。
着地した状態で130mmになったと仮定。
ってことは70mmの縮み量なので420kgの荷重がかかっているということですね。
自由長-着地長=縮み量
200mm-130mm=70mm
縮み量xバネレート=バネにかかっている荷重
70mmx6k=420kg
という解説をしました。
例えばメインスプリングを18kにしたいけど通常時は6kにしたい!って時は何kのアシストスプリングをつければいいでしょうか?
式にすると
18*χ/(18+χ)=6ですね。
自分はなんとなくどのくらいかな?ってわかるのでその数字で計算します…w
なんとなく10kくらいかな~で
18*10/(18+10)=6.4
ん~。もうちょい低レートっぽいし9kは?
18*9/(18+9)=
6k
って感じです。
(頭いいのか悪いのかわからんなこれ)
ここでかっこよく計算式出せれば良いんだけど…。(わかる人いたらコメントとかに残してくれると嬉しいですw)
とまぁめっちゃ雑な説明ですが、こんな感じに目標レートに持っていく計算ができます。
・ツインスプリング時の縮み量計算
ヘルパースプリングは基本的に縮みきった状態で使用する。と説明しました。
180kgの荷重がかかるところに6k 200mmのバネに1k 30mm 密着長12mmのヘルパーを組んだときのバネの長さは?
6kのバネに180kの荷重をかけると30mm縮みますね。
これに1k 30mmのヘルパーをつけたとします。
6*1/(6+1)=0.86k
それに180kgの荷重を掛けたら何mmになるか?
合成バネレートは0.86kなので
荷重/合成バネレート=縮み量
180/0.86=209mm!
バネの最終的な長さは230mmだから230mm-209mmで21mmですね!
しかし、ヘルパーの長さは30mmで密着長が12mm。つまり実際にヘルパーが潰れるのは18mm!
つまり18k以上の荷重がかかったとしてもそれ以上バネは短くなりません!
ってことは180kgの荷重を受けてもヘルパーの長さは12mm!
これにメインのバネの縮み量30mmを足して42mm縮む!
なので答えは
188mmになります。
(ただ、ここにメインとサブのバネをつなぐセンターシートというものが必要なのでその分の厚みが+されます)
対してアシストスプリングは1G状態では密着させないと説明しました。
180kgの荷重がかかるところに10k 160mmのバネに6k 70mm 密着長30mmのアシストスプリングを組んだときのバネの長さは?
まずアシストスプリングが潰れきるまでの長さは
自由長-密着長=有効範囲
70mm-30mm=40mm で40mmの縮み代があります。
この場合の合成レートは3.75kです。
荷重/合成バネレート=縮み量
180/3.75=48mm
ここで注意なんですが…。
ヘルパーのときの勢いで
「アシストスプリングの有効範囲より縮み量が多い!アシストスプリング密着長の30mm+10kバネの縮み量の18mmで48mm!」
と計算してしまうのは大きな間違いです。
というのもアシストスプリングは6k 70mm 密着長30mmで
これに180kgの荷重をかけたとしても実際に潰れるのは30mm
つまり10mm分潰れきるまでに余裕がある。
なので(あえて計算するなら)メインスプリングの縮み量18mmとアシストスプリングの30mmでトータル48mm縮む!
230mm-48mmで182mm
答えは
182mmになります。
じゃあこのバネのセットのままアシストスプリングが縮みきったときにかかった荷重及び全体長さは?
これも今までの応用でいけますね。
ますアシストスプリングの有効範囲は40mm
バネレート*有効範囲=荷重
6k*40mm=240kg
アシストスプリングが縮み切るのに必要な荷重は
240kg
また、10kのメインスプリングにも同じように240kgかかるため
荷重-バネレート=縮み量
240kg/10k=24mm
メインスプリングの縮み量は24mm
メインの自由長は160mmなので
自由長-縮み量=残り長さ
160-24mm=136mm
アシストスプリングの密着長+メインスプリングの残り長さ=全体の長さ
40mm+136mm=176mm
アシストスプリングが潰れきった状態の長さ
176mmとなります。
余談
1G状態で180kgの荷重がかかっているとして、アシストスプリングが潰れきる240kgが加わったときのGは?
潰れきったときの荷重/1G状態でかかっている荷重=加速度
240kg/180kg=1.33
アシストスプリングが潰れきるのに必要な重力
1.33G
じゃあその1.33Gってどのくらい?って説明(これについては専門家じゃないんでまじで間違えてるかも)
まず持って1Gっていうのが車が完全に着地している状態。
対して重力加速度としてみるっとその状態は0Gとなるので実際の加わるGは0.33G
ちょっと強めのギュッ!っとかかるブレーキ
半車線はみ出るくらいのいわるる急ハンドル
等の「不快に感じるレベルの車の操作」レベルみたいです。
たぶん。ドラレコの設定0.3Gにしてるけどなんとなく違和感ある操作入ると衝撃録が始まるから感覚としてはこんくらい。
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車高調 | 日記
Posted at
2024/04/21 21:35:51