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2024年06月11日 イイね!

固有振動数 そのに 活用方法

この記事はわかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)の記事の一部です。
ここからアクセスされた方がいましたら、上記のリンクから他の項目の方も見ていただけると嬉しいです。

・固有振動数の活用方法

今までの話でわかったかもしれませんが、固有振動数の数値が小さい=乗り心地が柔らかい
数値が大きい=乗り心地が固くなります。

普通車は大体1.0~1.5Hz程度
スポーツカーは2.0~2.5Hz程度
レーシングカーは 3.0Hz~らしいです。

理由は言わずもがなって感じですが、普通車は乗り心地がやわかめのほうがウケが良いです。
スポーツカーやスポーツ志向の車は、硬めの足回りにしとけば客が喜ぶでちょっとハイレート目のバネが入っています。

対してレーシングカー(イメージ的には箱車とかそのへん)はトラクション掛けるのがメインなので硬めのバネが入っています。
でもある程度足が動いてくれないとタイヤが浮いてトラクション抜けしちゃうので、そこのバランスが難しいんでしょうが…。
ツインレートにして伸びを確保したり、今後書く予定のバンプラバーでそこら辺は制御してると思うけど。



トラクションをかけたい!なら固有振動数を上げる。
乗り心地を柔らかくしたいなら固有振動数を下げる。
って感じっす。

もちろんこの固有振動数をやみくもに上げたり下げたりするのは無意味です。
じゃあなんのための数値か?というと
前後の固有振動数を揃えるとバランスのいい車になります!
現状のセッティングを確認してあまりにも差があるならレート変更し、固有振動数を揃えるとまた乗り心地が変わってくると思います。


あと用途とか好みもあるんでしょうが、リアの固有振動数を下げて車を物理的に動かしてトラクションかけたり
逆に固有振動数を上げ、ダウンフォースも使いながらしっかりタイヤも潰してトラクションをかけたりします。

私も固有振動数を使い車高調のセットアップしますが、あくまで乗り心地や用途や走りに対しての参考値だと思ってイジってます。




んで、まあ。このなんのあてにもならなさそうな固有振動数ですが、目安でして使うにはもってこいです。
例えば今まで乗っていた車の固有振動数に合わせて、次の車もそのへんを狙ってバネを選ぶとか
アームを伸ばしてレバー比が変化したから固有振動数を合わせたバネレートに変える
軽量化したから前の固有振動数に合わせたレートに変えるとか

そんな感じに使うこともできます。

もちろんあくまで目安ですが、割と同じような乗り心地足の動きになるので有効な手だと思います。




例えば今までの車がトヨタ86 ZN6だったとします。
重量
前 690kg 後540kg
レバー比
前 1.06 後 1.28
バネレート
前 10k 後 14k
固有振動数
前 2.53Hz 後 2.80Hz

となります。

そしてGRヤリスRZ GXPA16に乗り換えました。
重量
前 780kg 後510kg
レバー比
前 1.02 後 1.42

バネ使いまわしした場合
前 10k 後 14k
固有振動数
前 2.47Hz 後 2.60Hz

フロントは100キロ重くなったけど、固有振動数は0.06Hzしか変わらないので誤差レベル。
対してリアは若干軽くなったのに、レバー比が増えたので固有振動数は0.2Hz落ちました。

同じ車でも固有振動数0.2Hz変わると乗っててもわかるくらい乗り心地は変わります。(ZN6なら14kから12kにすると2.60Hzになる)


固有振動数を合わせた場合
前 10k 後 16k
固有振動数
前 2.47Hz 後 2.78Hz

フロントは誤差レベルだったのでバネはそのまま。
リアは0.2Hz差があったので16kにレートアップ。

これで固有振動数は揃いますね!
とはいえ、車自体の運動性能が全く違うので(駆動方式や車体自体の固有振動数等)全く同じ動きになるか?といえばそれはNOです。

けど前に乗ってた車でいい感じのセットだったから、一旦同じ固有振動数に調整し、その後自分にあった固有振動数(バネレート)にセットし直すのは有りだと思います。




さて、ここで今までに書いてきた、スプリングプリロードを使用し、私のプリウスの車高調のセットアップを。

プリウスPHEV MXWH61
重量
前 890kg 後660kg
レバー比
前 1.00 後 1.32


プリウスに関しては峠やサーキットを走るってより街乗りがメイン。
そのため乗り心地は柔らかめに。
でも車高はある程度落としたい。だからバネが縮みにくくなるようにハイレートなバネを組む。

購入した車高調はRSRです。
バネは前8k 後7kが吊るしで付いてきました。

しかしこのまま組み付けてしまうと前2.11Hz 後1.62Hzと0.5Hz位差がでてしまう。
しかもバネの縮量が前56mm弱 後ろなんて95mmもあります。
ショックのストロークもあまり多くないのですぐバンプタッチしてしまう。

もちろんプリロードをガッツリかければいいんでしょうが、とはいえ0.5Hzの差がなくなるわけでも、ちょっとした入力ですぐ縮んでしまうのは変わりない。


そこで以前乗っていたプリウスで乗り心地が好みだった2.5Hz弱くらいを目指しました。
するとバネレートは前10k 2.36Hz 後14k 2.29Hzになりました。
前後差0.1Hz弱でバネの縮量も前45mm 後48mmと悪くない感じ!

この状態で組み付けました。

ただこんなに伸びストロークは要らない!正味30mmもあれば十分!って感じなので
前10mm 後15mmのプリロードを掛けました。


私事のアレコレでまだ全然乗っていませんが、思ったより乗り心地は悪くなく
というかかなりふわふわした感じです。(減衰最弱ってのもある)

もうちょいレート上げて2.5Hz強狙ってもいいかな?って感じ。



めっちゃあやふやな表現だけど、この様に固有振動数のベースに自分の感性と相談しながらいい感じの足回りにしています。

乗り心地良くしたい!サーキットでもっとタイム詰めたい!もっと好みの足にしたい!って人は、固有振動数の計算は有力な手段の一つだと思うので是非使ってみてください。
Posted at 2024/06/11 16:41:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車高調 | 日記
2024年06月10日 イイね!

固有振動数 そのいち 説明と計算式

この記事はわかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)の記事の一部です。
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・固有振動数

名前だけ聞いたことある方もいるかも知れません。
固有振動数について簡単に説明すると車重やレバー比に対してのバネの硬さのレベルみたいな感じのものです。

例えば同じ10kのバネでも1.4のレバー比があればその実レートは約半分の5.1kしかありません。
また、実レートを10kに合わせたとしてもそれに掛かる荷重が500kgだと50mm縮むのに対し、200kgしかなければ20mmしか縮まない。

そうなってくると結局のところバネレートって車種によって不確かなものになってしまいます。


なのでその重量、レバー比などを加味したものが固有振動数になります。
ちなみに固有振動数の単位はHzです。
Hzとは1秒間に何回振動するかの単位。そうです。バネも振動するんです。


電気やオーディオ触ったことある人ならわかると思いますが、RLC回路。あれの延長線と思えばイメージしやすいかも?




車を走らせていると何処かからか聞こえてくる「バリバリ」「ビリビリ」としたビビリ音。
平坦な道を走っている時は聞こえないけど、ちょっとした段差(道路のつなぎ目等)で聞こえてくる。
少し大きな段差(マンホール等)で大きな音がする。
でも大きな段差(縁石等)では全く音がしない。


これは部品同士が擦れたり叩かれたりして音がなっていますが、それらの振動数が一致した(要するに共振した)時に一番大きい音がなります。

逆にそれ以外のときは小さな音だったり無音だったりします。




バネも一緒!
ちょっとした轍で車が妙に上下する感じがする…。でも速度を上下させると何故かその症状が消える!
これがバネの共振点。いわゆる固有振動数です!(※厳密には違うケド)


要するにその振動の波長とバネの固有振動数がリンクして共振してるってこと。



とまぁ、長々と話がそれました。



で、その固有振動数って何に使うのかと言うとバネレートを合わせる時に使用します!
というのも、実車は前後で重量やレバー比などが違いますよね。
前に書いた通り同じバネレートでも重量とレバー比によってバネの縮み量は違います。
なのでそれの"基準"として固有振動数で合わせます。

あ、先に言っておくけど固有振動数がすべてじゃなく、あくまで"基準"です。



じゃあその固有振動数の計算式はというと
√(バネNm/バネ上重量kg)/2π=固有振動数Hz

でここでネックになるのがNmという単位。
基本的に日本だとニュートンではなくグラムを使用するためそれを変換します。
ニュートンをキログラムに変換するには9.8を掛けてグラムにしてそれに1000を更に掛けキログラムにします。

ので!
√(バネkgx9.8x1000/バネ上重量)/2π=固有振動数Hz
って式になります!




・固有振動数の求め方
計算する上で必要なのは
重量、バネレート、レバー比です。

この辺は今まで計算してきたと思うので、プリロードの時に計算した
フロント 10k レバー比1.2 プリ0mm ショック有効ストローク90mm 800kg
リア 12k レバー比1.4 プリ10mm ショック有効ストローク80mm 400kg

を使用します。

前の計算からフロントは実行レート6.9k リアは実行レート6.1kというのがわかっています。


これをさっきの計算式に当てはめる。
√(バネkgx9.8x1000/バネ上重量)/2π=固有振動数Hz
√(6.9kgx9.8x1000/400kg)/2π=2.07Hz 固有振動数2.07Hz(誤差レベルですが、実バネレート3桁四捨五入してるので正確には?2.08Hzになります)

√(6.1kgx9.8x1000/200kg)/2π=2.75Hz 固有振動数2.75Hz(前略2.76Hz)

固有振動数はフロント2.07Hz リア2.75Hzとなります。リアのほうが乗り心地が硬い!
こんな感じに計算すると面白いのは、たった2キロしかバネレートが変わらない、何なら実行レートはフロントの方が0.8k硬いのに、固有振動数としてみると0.7Hzも違うということ。

こう考えるとバネレートってなんの足しにもならねーっす。



ついでに?例の問題のバネ変更後の
フロント16k+8k(合成レート5.3k)
リア 20k+3k(合成レート2.6k) でも計算してみましょう!

フロント
密着前(5.3k)
√(3.7kgx9.8x1000/400kg)/2π=1.51Hz 固有振動数1.51Hz
密着後(16k)
√(11.1kgx9.8x1000/400kg)/2π=2.62Hz 固有振動数2.62Hz

リア
密着前(2.6k)
√(1.3kgx9.8x1000/200kg)/2π=1.27Hz 固有振動数1.27Hz
密着後(20k)
√(10.2kgx9.8x1000/200kg)/2π=3.56Hz 固有振動数3.56Hz


マジでバネレートってなんの当てにもならないでしょ?

番外編
フロント2.07Hzに合わせたときのリアバネレート
ここで計算式の一つでも出せばかっこいいんでしょうが…。
そういうのぼくわかんない!って感じなのでなんかそれっぽいレートをテキトーに代入。
で、7キロっす!(2.11Hz)

リア2.75Hzに合わせると18k(2.79Hz)



あ、ここまで引っ張っておいてアレですが、エクセルってすごく便利なんですよ。
何が便利かって関数つかえるんですよ。知ってました?



随分前のブログ用の写真だけどこんな感じ。


んで、それを今時風に改良したのがこれ。


こだわりポイント1
重量、バネレート、レバー比を入力するだけで
実行バネレート、固有振動数、バネの縮み量が見れる。

シングルレートの人は大体ここだけ入力すればok
ここからプリロード何ミリ掛けるかな~とか考えれます。


こだわりポイント2
ツインスプリング対応
サブスプリングのレート、密着長、全長を入力すると
密着荷重、(密着長を無視したときの)サブ縮み量、密着までの残りの重量が見れる。

ツインレートにする人向けだけどメイン+サブの情報入力するだけ。
あと何ミリで密着するかなぁ~とかめっちゃ需要なさそうな情報も見れます。


個々計算式自体需要あるかわかりませんがGoogleドライブにアップロードしておきます。
気になる人はこちらからダウンロードしてください。
※Excelの二次配布禁止です。





結構長くなっちゃったのでそのにへ続きます。
そこで固有振動数の活用方法について書いていきます。
Posted at 2024/06/10 21:26:33 | コメント(0) | トラックバック(0) | 車高調 | 日記
2024年06月05日 イイね!

GRヤリスRS 購入でのブレーキアレコレ

この記事は、GRヤリスRZのブレーキロータのインチダウンについてについて書いています。


例の件。
キャリパーは比較的安価に対向4potブレーキにできるけどローターがどうしても高い。
もちろん300psもあるターボ車だから当然といえばそう。

けど自分が買う予定のはRS。テンゴNAにそんな高いブレーキローターは必要か?
ハウジングは使い回せるとはいえ(2,3回が限度らしいが)、ディスクだけで10万overですよ。

で調べたら上の方のブログがヒット。
GRヤリスRC 16inchはブレーキローターの外径305mmと記載有り。
305mmなら61/65プリウスのブレーキローターと同じっていうのは前回調べが付いていたので流用可能な兆し。


更に調べて、RSにRCのブレーキはポン。(らしい?ショップのサイトしか出なかった)
RZ/RCのブレーキの寸法は調べてもでなかったけど、RS(厳密には同品番のヤリスクロス)のは出た。

RSのブレーキの外径は283mm(でけぇな!) 厚さ 22mm 全厚46.5mm
61/65プリウスは外径305mm(60は一回り小さい) 厚さ 28mm 全厚49.4mm

2025/01/22追記 ターボモデルは355mm 厚さ 28mmらしい。
RSにRC non18inch OPキャリパーをとりつけるならプリウス用ローターは有りです!
追記終わり


厚さの差が6mm ということは片側3mmづつ厚い。
ということは、全厚49.5mm


ってことでGRヤリスのブレーキはプリウスと同じ寸法っぽい。
もちろんこっちは2ピースでもなんでもないから、あくまで寸法だけの話。

調べてもRS 16inchの1ピースは見当たらないけど、どの車と一緒なのかは調べれば出る。ネットは素晴らしいね。

RS買えたらプリウス用社外ローターかな。
Posted at 2024/06/05 03:12:52 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2024年06月02日 イイね!

プリロード

この記事はわかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)の記事の一部です。
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・プリロード

よく聞く話だと
全長式はプリロードはかけてはいけない
ネジ式はプリロードでしか車高をいじれないから買わないほうがいい
等と、プリロードをかける=悪みたいな噂が蔓延っています。(笑)



はいそれ。間違いです!w




じゃあそもそもプリロードってなんぞや?って話です。

いわゆる0G状態(足回りがフリーになっている状態)である程度バネを潰すこと。

1Gで100ミリ縮むバネに40ミリプリロードをかけておけば、1Gになったときに60ミリしか縮まない!ってことができます。





例えば車高調を組んだけど少しの段差ですぐ底付きしてしまう。
減衰をいじったり車高を調整したが改善しなかった。
だからこのメーカーの車高調はクソ!っていう人を見たことがありますが、それは車高調が悪いのではなく正しいセットアップができないあなたが悪いだけです。


まず自分の車についているバネレートとレバー比を調べておきます。
例えば1Gでバネから50ミリ縮み、ショックのストロークが70ミリあると過程。


ということは
ショックのストローク-1Gでのバネの縮量=残りストローク量(以降有効ストローク) が出ますので
70mm-50mm=20mm 有効ストロークは20mmです。


つまり折角70ミリもあるストロークのうち、実際に縮み方向に使えるストローク(有効ストローク)は20ミリしかない!ということ。

少し考えればわかると思いますが、1Gで50mmも縮むということは、それのおよそ半分の0.5Gほどの入力があればすぐ底付きする、非常に乗り心地の悪い車の完成です!w


そこで予めバネを潰しておきます。30mm程プリロードをかけてみましょう。
1Gバネ縮み量-プリロード量=最終バネ縮量(実縮量)
50-30=20 実縮量20mm


更にさっきの計算式
ショックのストローク-1Gでのバネの縮量=有効ストロークを使用し
70mm-20mm=50mm 有効ストローク50mm

プリロードをかけたとこにより20mmしか有効ストロークがなかったのに50mmまで増やすことができました。


トータルとしてみればバネは50mm縮んでいますが、実際に1Gになって20mmしか縮まない。その分余力が生まれる!って事です。

ちなみに1Gバネ縮量50mm 有効ストローク50mmなので2G位の入力がないと底付きしません!

なぜかみんなが忌み嫌い0にしたがるプリロードを掛けたことにより、乗り心地がだいぶ改善されるのではないでしょうか!?



ちなみに1Gバネ縮み量とか有効ストロークって名は勝手に僕がつけた名前です。
逆に0G〜1G分のストロークは(勝手に?)伸びストロークって呼んでます。


なのでこの場合の伸びストローク=1Gバネ縮量なので、
プリロード0では50mmあった伸びストロークは
プリロードを30mmかけたことにより20mmまで減ってしまいます。
※伸びストロークも重要なので全くの0になるくらいプリロードをかけるととんでもない乗り心地になりますw



・プリロードも加味した車高調整

フロント 10k レバー比1.2 プリ0mm ショック有効ストローク90mm 800kg
リア 12k レバー比1.4 プリ10mm ショック有効ストローク80mm 400kg
から
フロント16k+8k(密着ストローク50mm)
リア 20k+3k(密着ストローク60mm)
に変更した。

有効ストロークをフロント50mm 対してリアは伸びストローク40mmになるように調整し、車高はそのままになるように調整する。

まず使用する計算は
スプリングツインスプリング時のレート計算レバー比の計算
の3つです。大掛かりですw



現状の確認をフロントから。
バネレート/レバー比/レバー比=実行レート
10/1.2/1.2=6.9k 実行レート6.9k

荷重/バネレート=実バネ縮み量
400kg/6.9=58mm 実バネ縮み量58mm

実バネ縮み量-プリロード=バネ縮量
58mm-0mm=58mm バネ縮量58mm

ショック有効ストローク-バネ縮料=ショック残りストローク
90mm-58mm=34mm 残りストローク34mm

変更後
メインレート*サブレート/(メインレート+サブレート)=合成レート
16k*8k/(16k+8k)=5.3k 合成レート5.3k

バネレート*密着ストローク=密着重量
8*50=400kg 密着重量400kg

バネレート/レバー比/レバー比=実行レート
5.3/1.2/1.2=3.7 実行レート3.7k

荷重/バネレート=実バネ縮み量
400kg/3.7=108mm 実バネ縮み量108mm

ショック有効ストローク-実バネ縮量=ショック残りストローク
90mm-108mm=-18mm 残りストローク-18mm

必要伸びストローク量+残りストローク量=プリロード
50mm-(-18mm)=68mm プリロード量68mm

ここまでは有効ストロークに合わせる計算。ここから車高をあわせる計算を行う。

バネ変更前実バネ縮み量-バネ変更後実バネ縮み量=ショック調整量
58mm-108mm=-50mm ショック調整量-50mm

車高を合わせるために-50mmショックを縮める=50mmショックを伸ばす。


最終的にフロントは
プリロードを68mmかけ、ショックを50mm伸ばすことで
前と同じ車高のまま、有効ストロークを50mm確保することができました!




続いてリア。
変更前
12k/1.4/1.4=6.1k 実行レート6.1k
200kg/6.1k=32.8mm 実バネ縮み量32.8mm
32.8mm-10mm=22.8mm バネ縮み量22.8mm
80-22.8mm=57.2mm 残りストローク57.2mm

変更後
20k*3k/(20k+3k)=2.6k 実行レート2.6k
3k*60mm=180kg 密着重量180kg
※サブスプリングが車重以下の重量で縮んでしまうため、一度計算から外す。
200kg/20k=10mm 実バネ縮み量10mm
※残りストロークがでたところで、再度サブスプリングの計算を行う。
実バネ縮み量+サブスプリング密着ストローク=実実バネストローク (ややこしいw)
10mm+60mm=70mm 実実バネストローク70mm

そして今回必要なのは伸びストロークなので
実実バネストローク-必要伸びストローク=プリロード調整量
70-40=30mm プリロード調整量30mm

22.8mm-70mm=-47.2mm ショック調整量-47.2mm
ショックを47.2mm縮める

最終的にリアは
プリロードを30mmかけ、ショックを47.2mm伸ばすことで
前と同じ車高のまま、伸びストロークを40mm確保することができました!



もちろんプリロードはショックが底付きしないようにするためのものとか、そういう意味ではないですが、全く意味のないものではない。
むしろすくバンプタッチや底付きしてしまうのを軽減するのにも役立つものだということがわかっていただけだでしょうか?

底突きやバンプタッチによる乗り心地の割さに困っている方。
ものは試しにプリロードかけてみましょう!
更に自分で計算していい感じの車高にしちゃいましょう!
Posted at 2024/06/02 19:46:55 | コメント(0) | 車高調 | 日記
2024年06月01日 イイね!

レバー比の計算

この記事はわかっているようで実はわかっていない!バネレートとレバー比と固有振動数(等)の記事の一部です。
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・レバー比
バネレートをイジる上で切っても切れない関係であるレバー比と車体重量

そのレバー比について今回書いていきます。


まずレバー比とは何か?

簡単に言うと
タイヤ(ホイール及びハブ)が1mm上に動いた時、バネが何ミリ縮むのか?を示したもの。
要は支点力点作用点のそれです。

実車にそれをあてがうと…。

こうなります。

あ、ちなみにレバー比は自分で実物測定しなくても、HKSさんのサイトで見る
ことができますw
例えばアクアならここのセッティングデータのところにあるレバー比を見れば書いてますw

"車種名 HKS 車高調"で調べれば大体でます。



で、このレバー比があると何なのか?何をどう司っているのか?

例えばレバー比1なら10kのバネは10kで動作します。
しかしレバー比2なら10kのバネは"2.5k"で動作します。

レバー比の倍率は2倍でも、動作するレート(以降動作レート)は1/4倍になります。


このレバー比に惑わされて
腰砕け感を改善するためにバネレートを上げたのに車の動きがふにゃふにゃなのが改善されない!とか
車高を10mm下げるために車高調10mm縮めたのに15mmも下がった!とかそいういことが起きてしまいます。
(よく目にするのはレバー比を加味せず計算し、失敗してしまう例)

で、そのややこしいレバー比を(個人的に)わかりやすく図にしてみました。



レバー比1はタイヤが10mm動いた時に10mm動きます。
対してレバー比1.3はおよそ6mmしか動きません。
またレバー比1.5に関しては4.4mmしか動きません。


アームの付け根はフレームに対して1mmも動かないけど、ナックル側はたくさん動きますよね?
要するにレバー比が大きければ大きいほど、バネ(この場合作用点)は少ししか縮まない。ということ。


しかもさらに厄介なのがレバー比が上がるに連れ、動作レートも同時に下がってしまうこと。


それもそのはず。
動作レートを出す計算式は
バネレート÷レバー比÷レバー比です。

つまりバネレートを10kから18kに変えたぞ!
といっても
レバー比1ならたしかに8kのレートアップですが、
レバー比1.3は4k程しかレートアップされず、
レバー比1.5に関しては3.6kしかレートアップされていませんからね。


そのため、先に言ったように腰砕け感をなくすためにレートアップしても全然改善されない!ということが起きてしまうんですね。



また、その逆で
車の車高を10mm下げたいから車高調を10mm縮めたら15mm下げっちゃった!
という話。
これもレバー比(この場合レバー比1.5)を加味していなかった結果、予想以上に下がってしまう、ということが起きてしまいます。

しかも、ロアアームを長いものに交換したり、調整式アームで長くしたりすると力点が更に外側=相対的に作用点が内側に入るのでレバー比が変化します!
純正の長さが何ミリで伸ばしたのが何ミリで何%伸びたのか?って感じにレバー比を計算できますし、アームにジャッキをかけ実寸で測るって方法もあります。
もちろん短くしてもそれはそれで変化するので、変更前後でレバー比を測っておくのは手だと思います。




で、これは動作レートの計算のそれとちょっと違くて
下げたい(または上げたい)車高÷レバー比です。
10mm下げたい。
レバー比が1なら10mmショックを縮める。
レバー比が1.3なら7.7mm
レバー比が1.5なら6.7mmとなります。
プリロードに関しても同じです。



ではなぜバネを変更する際、2回レバー比で割るのか?
これが車高調をイジるうえで一番の難所だと思っています。
この2回で割る(もしくは2乗して割るという動作を忘れると思った通りの足にはなりません!

それが何故かを簡単に書くと
レバー比1なら10mm縮めても正直にショックが10mm縮みますが
レバー比1.3は13mm縮めてようやくショックが10mm縮むんです。
レバー比1.5は15mm縮めて10mm縮む

以前スプリングに付いて書きましたが、
基本バネレートはkg/mmで表示します。


例えば10kのバネがあったとして
レバー比1だと10kの力でバネが1mm、ハブが1mm動きますよね。

しかしレバー比1.3だと7.7k力でバネが1mm ハブが1.3mm動く(縮む)。
それで、基準はバネの縮量ではなく、ハブの動作(縮み)量なわけです。
なのでこの場合バネレート表記が7.7kg/1.3mmという不思議なことになってしまいます。

その単位をすべてkg/mmに直したいのでもう一度割ってkg/mmにしています
ということは10/1.3/1.3 or 7.7k/1.3で5.9kとなりますね。

するとレバー比1.3は5.9kの力でバネ0.77mm、ハブ1mm動作します。


レバー比1.5も同じ。
バネは6.7kの力で1mm縮むけどハブは1.5mm動く。
4.4kでバネが0.67mm ハブは1mm動く。


っていう説明でわかるかな…?わかりにくかったらごめん。



・レバー比を加味したバネレートと車高調整

今までの説明の応用編です。

今の車の仕様がF:10k R:18kだったとする。
これをF:16k R:14kにし、更に車高を15mm落とすとき、ショックを何ミリ調整すればいいか?
車重はF:600kg R:400kg レバー比はF:1 R1.5とする。



まずここで必要になってくるのがスプリングの縮み量の計算。
以前私が書いた記事も使用しバネが何ミリ縮むのかを計算します。

まずはフロント。
車重600kg ということは、フロントのバネ1本にかかる重量は300kgです。
またフロントのレバー比は1なので
バネレート/レバー比/レバー比=実行レート
10k/1/1=10kです。

これに300kgの重量がかかるため、
荷重/実行レート=縮み量
300kg/10k=30mm
バネは30mm縮みます。


これを16kのバネでも同じ様に計算
16k/1/1=16k
300kg/16k=18.75mm


10k仕様の縮み量-16k仕様の縮み量=車高変化量
30mm-18.75mm=11.25mm

車高変化量/レバー比=ショック調整量
11.25/1=11.25mm

フロントは16kのバネに交換し、11.25mmショックを縮めると10kのバネのときと同じ車高になる。
更にここから15mm車高を落としたいので

車高調整量/レバー比=ショック調整量
15/1=15mm

車高変化量+車高調整量=最終ショック調整量
11.25+15=26.25mm

フロントは26.25mmショックを短くすれば16kのバネにして車高を15mm下げれます。




続いてリア。
車重は400kgだからバネ1本に掛かる重量は200kg。
バネ18kでレバー比1.5なので
18/1.5/1.5=8k 実行レート8k
200kg/8k=25mm バネ縮み量25mm

これを14kに交換
14/1.5/1.5=6.2 実行レート6.2k
200kg/6.2k=32mm バネ縮み量32mm

25mm-32mm=-7mm 車高変化量-7mm
-7/1.5=-4.7mm ショック調整量-4.7mm
18kのときと同じ車高にするにはショックを4.7mm上げなければいけません。

15mm落としたいので
15/1.5=10mm
-4.7+10=5.3mm

リアは5.3mmショックを短くすれば14kのバネにして車高を15mm下げれます。

とまぁこんな感じに計算することができます。





今後の話になりますが、固有振動数を求めるのにレバー比及び実行レートはかなり重要なワードになるのでぜひ覚えてください!w
Posted at 2024/06/14 07:13:23 | コメント(0) | 車高調 | 日記

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