GSが3週間前に納車されてから約800kmを走りました。備忘も兼ねて、GSに感じたことを改めて書きたいと思います。
【1】 前後にオフロードタイヤが装着されているせいか、カーブ中にタイヤがグニュッとややひしゃげる感触があり、あまり自信をもって倒す気になりません。ただ、そう感じはするものの、常識的な速度で普通にワインディングをこなす分には全く問題はないですし、思った以上に癖のない、テレレバーを特に意識させないハンドリングです。セルフステアの出方もとても自然です。次のタイヤ交換ではよりオンロード寄りのタイヤに換えると思うので、タイヤ交換後にどう変わるのかが楽しみです。
【2】 納車翌日のツーリングで既に感じましたが、フロントショックがやれている感じがします。

路面の凹凸をいなさずに車体を跳ねさせてしまう傾向があります。ESA(※ボタンでプリロードや減衰の強さを変えられる電子制御ショック)でショックの強さをNormalにしてもComfortにしても変わりません。というかNormalとComfortの減衰の違いさえよく分かりません。
テレレバー車ではフロントの方がショックの負担が大きく劣化が早かったりするのかも知れません。
足回りの上質感やしっかり感や乗り心地や接地感は、いろいろ手をかけたVスト(※GSの前に所有していたスズキVストローム650XT)に比べると正直やや劣ると感じます。Vストの車体の素性が如何に優れていたかを改めて感じますし、回り道しながらもいろいろ手を掛けたVストにそう簡単に勝ってもらっては困るという変な気持ちもあります(笑)。
フロントだけでも早めにオーバーホールしたいです。それだけで見違えるほど良くなると思います。
【3】 フロントブレーキは、効き方にちょっと癖があるというか、握り込みに応じた効き方がリニアではないと感じます。微妙な減速をしたいときにコントロールがやや難しく、大げさに言えば不感帯のような領域があり、さらに奥まで握っていくと急にガツンと効き、瞬時に停車させます。この効き方はテレレバーの構造的な特徴とも関係しているのかも知れません。ただ、何とかしたいと思うほどの癖ではありません。
【4】 油圧クラッチはとても軽いです。古い記憶を頼れば、体感的にはR1100RS、K1200RS、Vストのどれよりも軽いです(ワイヤーに注油したVストよりはほんの少しだけ軽い程度です)。ただ、クラッチが切れるときに下の方で「ガコン」と大きめな音がするので、交通の流れに合わせながらの低速走行時にはいちいちガコンガコンと聞こえて若干鬱陶しいと思うこともあります(笑)。まあ、クラッチが切れたことが音で分かると思えばいいんですが。
【5】 左足に伝わるシフトタッチは、高級感を感じるほどではないものの非常に良好で、左足は軽い力で確実にギアを変えられます。車速や回転数によっては入りづらくなるということもなく、「クリック」感もほぼ無く、癖のないフィーリングです。ただ、Nに入れるときだけはかなり微妙なタッチが必要で、信号待ち時にNに入れる際にはシフトインジケーターをしっかり目視しながら操作しないと、Nに入れたつもりがNを通り越して2速に入っていてエンストした、ということが起きます(既に2回ほどやらかしました 笑)。
【6】 シートは、形状は角ばった部分が無く、とてもいいとは思うものの、

中のフォームは柔らかすぎで、尻や太ももが強く接する部分への圧迫感が時間の経過とともに意識されるようになります。コストがかかった造りのCorbinやK&Hといったシートに比べるとやはり見劣りします。
【7】 サイドスタンドからの引き起こしの際に感じる重さは、Vスト(前のバイク)より重いとしてもせいぜい10kgぐらいかなという感じですが、スタンドを払って押し引きするときにはバイクがより重く感じます。Vストより20〜30kgは重く感じます。VストにはPEOのアクスルシャフト(Zeroポイントシャフト)を前後に入れていたお陰でホイールベアリングの回り方が非常に滑らかで、押し引きもスムーズで軽かったので、GSのフロントもPeoのシャフトに交換したくなります(※GSはシャフトドライブなので、リアにアクスルシャフトはありません)。
【8】 納車整備で入れてくれたエンジンオイルのレベルが高すぎるかも知れません。
しばらく走行し、エンジンを停止した直後にセンタースタンド状態でオイルレベルグラスを見ると、いつも油面が見えません。油面が見えたことは一度もありません。オイルを入れ過ぎではないかと思います。

恐らく、BMWバイクに多く見られるオイル消費を見越して、店が気を利かせて最初から多めにオイルを入れてくれていたものと思われますが、油面が見えないというのはあまり気持ちのいいものではありませんし、油面が高すぎれば、、
・クランクシャフトが油面をバシャバシャと叩いてパワーが削がれるだけでなく、
・オイルミストがクランクケース内を飛び散り、オイルが気泡を含みがちになり、オイルポンプの吸入口からの吸入効率が落ちる結果として油圧が下がるかも知れません。
・また、気泡を含んだまま吸入口から取り入れられたオイルの潤滑性能は、本来より下がっているかも知れません。
・また、オイルミストがブローバイガスとともにエアクリーナーボックスへ取り込まれやすくなり、オイル消費が増えそうです。オイルセパレーターの性能が高ければ問題ないと思いますが。
・さらに、クランクケースの空間を占める空気のボリュームが減るので、ただでさえ激しいボクサーエンジンのクランクケース内圧がより高く、変動率もより激しくなりそうです。テレスコピックフォークの油面を上げたときの変化と同じ理屈が当てはまりそうです。
・聞いた話によれば、オイルを入れ過ぎると、高い内圧によりバランスシャフトなどのリアオイルシール(?)が抜けることがあるそうです。
良いことは無さそうですね。
そのうち適量まで抜きたいと思います。
【追記】早速抜き取りました。変化を実感しました。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2269102/car/3738681/8290308/note.aspx 【追記終わり】
【9】 一般道を走行中に(4,000rpm前後)、エンジンが十分に温まっても、エンジンからタペット音がカタカタと聞こえます。フルフェイスヘルメット越しにも普通に聞こえます。高速走行時は風切り音に掻き消されて聞こえなくなります。多分ですが、タペット調整/バルブクリアランス調整をした方がよい気がします。エンジンの回り方が少し重く固いと感じることに関係しているかも知れません。
【10】 タペット調整の必要があるのかも知れないにはしても、ボクサーツインエンジンのトルクの出方と適度な快い鼓動感は好きです。トルクが分厚いので走っていて楽ですし、神経質なところがなく、乗り手を構えさせない鷹揚な癒やし系です。実にツーリング向きのバイクと思います。ほんのプチツーリングのつもりで出掛けても、そのまま遠くまで走り続けたくなる気にさせる不思議な魅力があります。
まだ荒削りな部分もありますが、長く付き合っていける器を感じています。
次は、フロントショックのO/Hや、タペット調整や、タイヤ交換後の変化に期待します。
Posted at 2025/07/06 13:13:34 | |
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