R1200GS(以下GS)が納車されたら自分で整備したいことがあります。その関係で、GSの足回りに使われているゴムブッシュを全て知りたく、足回りの「関節」に何が使われているかをRealOEMで調べました。
以下、備忘的にまとめます。
まずはリア周り。
純正のリアショックなら、上側のエンドアイにゴムブッシュが仕込まれているようです。純正によくある形です。

下側は下のスイングアームの絵の2番のブッシュ(33172338103)がボルトとショックの間(?)に入るものの、ゴムブッシュではないようで、単純な金属の円筒に見えます。
スイングアームとフレーム側との連結には左右ともテーパーローラーベアリング(33172311729)が使われていて、ゴムブッシュはありません。
次にパラレバーのトルクロッド周り。
トルクロッドとファイナルドライブハウジングを連結するボルトが貫通するゴムブッシュがあり(33358382788)、ハウジングに圧入されています。
下側に2箇所ある、スイングアームとファイナルドライブハウジングを連結するピボットは、片方はニードルローラーベアリング(3番)で、反対側はアンギュラボールベアリング(4番)という左右非対称の構成になっています。K1200RSだと、左右ともニードルローラーベアリングとなっています。なんだか、GSの方が後発だけあって改良が進んでしっかり作られているような気がします。分かりませんが。
トルクロッドがフレームに連結される部分にもゴムブッシュがあり、こちらはトルクロッドに圧入されているようです。パーツナンバーはファイナルドライブ側と同じです。
K1200RSも全く同じゴムブッシュが前後に使われていました。
なんだかE46のリアロアーアームを連想させる絵です。
そしてフロント側。
フォークのインナーチューブをアッパーフォークブラケット(という呼び方でいいんでしょうか)に固定し、かつAアームの上下動に伴うフォークの前後へのスイングを許容するのは、グリス封入式のボールジョイント(2番 31428545296)のようです。いや、ゴムブッシュかも知れません。。そう見えてきました。
E46のトレーリングアームと他のアームを連結するボールジョイントのミニ版という感じの見た目で、アッパーフォークブラケットに圧入されています。
ちなみに、普通のバイクのステアリングステムに該当する部分には代わりにアンギュラボールベアリング(10番)があり、そこをボルトが貫通してフレーム側に刺さるようです。
ということは、GSのアッパーフォークブラケットはステアリング操作により回転するだけで、前後にスイングはしないんですね。
少し脱線しますが、K1200RSだと、アンギュラボールベアリングの代わりにグリス封入式のボールジョイントが使われ、またインナーチューブもアッパーフォークブラケットとボルトにより直接クランプされる形でした。

ということは、KではAアームのスイングに応じてアッパーフォークブラケットも細かくスイングすることになります(普通に走っている分には感じ取れないレベルでしたが)。ここはロードスポーツタイプとアドベンチャータイプの性格の違いの現れの例でしょうか。それとも単に設計上のシンプルさのためでしょうか。
あと、K1200RSに乗っていたときは、舵角がつく動きがのっそりと緩慢なバイクだと感じつつ、特にクネクネ道ではいつも反応を探るように乗っていましたが、上下2つものボールジョイントが操舵に使われていたことも緩慢さに関係していたのかもと思います。ボールジョイントって操舵の微妙な不感帯があるというか、結構渋いですからね。今では操舵軸の上側までボールジョイントというテレレバーの構成はもう見られなくなったようです(違うかも。。)。
次にテレレバーのAアームを車体側に連結する部分にはゴムブッシュが使われていると思い込んでいましたが(※なぜかというと、E46のリアアッパーアームのデフ側のブッシュも純正はゴムなので 笑)、実際にはボールベアリングとニードルローラーベアリング(?)がダブルで使われていることになっています。前後方向と横方向の荷重を2種類のベアリングで分担して受け止める作りにしたように見え、重厚剛健な作りという感じがしますし、凝ってます。素人ながらちょっと冗長性を持たせすぎではとも思ってしまうレベルです。
K1200RSだと、片側がアンギュラボールベアリング1つで、反対側が普通のボールベアリング1つという左右非対称の構成になっていました。

いずれにしても、テレレバー的にはここにゴムブッシュを使うなど以ての外なんでしょう。
Aアームをフォークブレース(という呼び方でいいんでしょうか)に連結するのは、グリス封入式のボールジョイント(31427652644)です。
また少し脱線しますが、K1200RSだと、フォークブレースとアウターチューブの結合の仕方がGSとは少し違い、GSはクランプで、Kはボルト留めです。

フォークの平行出しを考えると、クランプ位置(高さ)を左右で微妙に変えられるGSの方式の方がより融通がきく方式に思えます(少なくとも高さ方向には)。でも何か見落としていることがあるかも知れません。平行出し自体も、前提や目的が普通のテレスコとテレレバーでは多少違うでしょうし。
最後にフロントショック。上側のフレームに固定される部分にはゴムブッシュ(31422311994)が、Aアームに連結される下側のエンドアイにはショックに仕込まれたゴムブッシュがあるようです。
以上の調査で、GSの納車後にやりたい整備がかなり見えてきました。
終わり。
Posted at 2025/06/05 23:16:41 | |
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