リアキャリパー揉み出し洗浄
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
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昨日のツーリングでリアが汚れたので、ホイールとチェーンを軽く洗浄した後に、リアキャリパーも洗浄したくなり、そのまま突入しました。
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まずリアキャリパーをブラケットから外すのですが、Vストロームの3型の場合、リアキャリパーをブラケットに固定している2本のボルトのうち前側がマフラーの真裏にあるので、工具を当てるスペースがギリギリです。もう少し整備性を考えて欲しいところです(笑)。
前回はアレンキーで脱着しましたが、やはりラチェットレンチを使いたいです。スペース的に360°回転できればアレンキーでもいいんですが。
試しに、持っていたKo-kenの超ショートの6mmのビットソケット「3012M-25-6」と、ヘッドの薄いSnap-onのスイベルラチェットレンチ「FHCNF72」の組み合わせでやってみます。
https://item.rakuten.co.jp/i-tools/4991644010349/? 3
これならいけます!
このまま緩めていきます。
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ただオチがあり、そのまま調子に乗って緩めていたら、ラチェットのヘッドがマフラーに当たってしまいました(笑)。
ギアの向きを逆にするにも、ヘッドの裏側にあるダイアルが挟まって動かせず、詰んでしまいました。
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仕方なく、マフラーを固定するボルトを外します。これでマフラーが数ミリは外側に逃げられるので、無事に前側のボルトを外せました。
オチはありましたが、適当なところでラチェットを外し、あとは指先で緩めれば、ボルトを取り出せます。それが分かっただけでも今回は収穫です。
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前側のボルトが通っていてキャリパーとブラケットの間にあるゴムブーツは、この時に取り出しておきます。
ボルトを外す前にゴムブーツの向きを写真に撮っておくのがよいです。
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次は後ろ側の12mmのボルトを外します。ここはマフラーと干渉しないので何も難しくありません。
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2本のボルトが外れたのでキャリパーがフリーになりました。
ブレーキホースがスイングアームに沿ってタイラップなどで固定されていれば、切断などして、キャリパーをマフラーの上にいったん載せます。
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ボルトはパーツクリーナーで洗浄します。後でまたグリースを塗ります。
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キャリパーから板状のスプリングを洗浄のために取り出します。
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また、ブラケットの上に乗っている板状のパーツも洗浄するために取り出します。パッドがこの上でスライドするので、綺麗であるに越したことはありません。
このパーツはブラケットの上にポンと置かれているだけですが、キャリパー内の板状スプリングでパッドが押し付けられているので外れないんですね。
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取り出した2つのパーツは、ブレーキダストのこびり付きがしつこく、パーツクリーナーではなかなか落ちなかったので、「Carpikal 業務用 ホイールクリーナー」で洗浄しました。ホイールクリーナーの主眼はブレーキダストの除去のはずなので、これにも使えるはずです。
これはヌルヌルしています。暫く放置した後にパーツクリーナーで洗浄しました。きれいになりました。このケミカルの使い方も今回の収穫でした。
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次はキャリパー本体をバケツの中で中性洗剤で洗います。バケツは20-30cmぐらいの台の上に載せると洗いやすいです。
タンデムステップも外してしまえばもっと楽になるかも知れません。
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次は揉み出し洗浄です。
その前に、揉み出し洗浄で使うメタルラバーをパッドに付着させたくないので、パッドを外します。
パッドの穴を貫通するピンを外します。まず、ピンの抜け止めキャップをマイナスドライバーで外し、
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中のパッドピンを5mmのビットソケットで外します。
ピンはパッドが左右に動くことで擦れて摩耗するパーツなので、焼けや摩耗の有無を確認します。ピンを触ってみて錆や段付きがあるようなら、パッドのスムーズなスライドを阻害するので、新品交換した方がいいです。
私は前回新品交換し、耐熱グリースも塗っていたので、状態は大丈夫でした。
これもパーツクリーナーで洗浄します。後でグリースを塗ります。
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次は揉み出し洗浄します。
ピストンの周りにCCIメタルラバーを吹き、ブレーキペダルを何回か押し、ピストンを少し出します。
ピストンのサイドに多少錆がありました。ブレーキフルードは水分を吸収するので、ブレーキダストがピストンに付着したままだと錆になりやすいと言われています。
そういう意味では、ピストンの突き出しが大きければその分だけブレーキダストが付着する範囲が広がり、錆びる範囲も広がるので、ブレーキパッドは適当なところで早めに交換した方がいいのかも知れません。
それと、ダストシールは車のように蛇腹状になっていませんね。てっきりピストンの先の方に溝があって、ダストシールの先がその溝に嵌っている作りかと思っていました。シールは単純な輪っかに見えます。
メタルラバーはパーツクリーナーのようにジャンジャン使うものではないので、なかなか減りません。
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揉み出し用のツールを使ってピストンを回転させながら、ピストンの汚れを歯ブラシなどで落としていきます。
メタルラバーを吹くとピストンを回転させやすく、作業が楽です。
今回は特にサイドの研磨などはせずにおきます。
写真のツールはAP キャリパーピストンツール CT331です。
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ピストンを一通り洗浄したら、ピストンを押し戻すツールで押し戻します。
防錆のためには圧縮エアでピストンの水気を飛ばすのが望ましいのでしょうが、私はコンプレッサーを持っていないので、ピストンの周りをウェスで拭き取りました。
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この板状のスプリングにコパスリップを塗るのを忘れました。これはパッドをブラケット側に押し付けているので、パッドのベースプレートと擦れる部分のはずです。
この板状スプリングには向きがあります。パッドと接する部分が長い方がピストン側です。
反対側にはパッドのベース部分を引っ掛ける爪があります。片押しキャリパーなので、ピストンと反対側のパッドは、ブレーキを離すとキャリパーと一緒にディスクローターから離れる必要がありますが、その一体の動きを担っているのがこの爪のようです。
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ピンと反対側のスライドする部分にもコパスリップを塗っておきました。
少し広く塗りすぎました。突起の先に塗るだけで十分でした。
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この板状のパーツが相手です。ここも一応コパスリップを薄く塗っておきました。
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2枚のパッドのフロント側が下に落ちないように手で押さえつつ、パッドがディスクローターを挟むようにキャリパーをブラケットに載せます。
載せたら、パッドのフロント側がブラケットにちゃんと乗っかっていることを確認します。
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フロント側のキャリパーとブラケットの間のゴムブーツを嵌め込みます。
このキャリパーではこのブーツも重要だと思います。ブレーキペダルを離した際にピストンと反対側のパッドからキャリパーが離れるのはこのゴムブーツの反力のお蔭に見えます。
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あとは、
・キャリパーを固定する2本のボルトがスライドしやすいようにグリースを塗り(私はスーパーゾイルグリースを塗りました)、
・同ボルトを既定トルク(22Nm)で締め付け、
・ディスクローターに不意についたグリース類が残っていないようにパーツクリーナーで洗浄し、
・ブレーキペダルを何回か押し込んでパッドとローターの間の遊びを取り、ブレーキが効くことを確認し、
・ブレーキホース類を所定の位置に収め、
・マフラーの固定ボルトを取り付けて、
終わりです。
注意点としては、キャリパーを固定するフロント側のボルトは、キャリパーを確か少し持ち上げるなどしながらでないと、ネジが噛み合いません。手探りでやっていると、そのうち噛み合うと思います。
次回はそろそろブレーキパッドを新品交換します。
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